姫ちかちゃんやのに鬼ちかちゃんやったちかちゃんが隠し通路の行き止まりにあった扉を回し蹴りでごかいちょうしてくれた先には、何だかとっても神々しい感じの元就様がいらっしゃいました。
あれ元就様ってザビーさんってゆう人に捕まってたんちがうんやっけ?
何やちかちゃんのところに来たお客さんがそんなような事ゆうてたと思うんやけど俺の覚え間違いやろうか。
ううん、俺ちゃんと聞いたもん。
安芸ってゆう元就様が住んでるところが襲われてそれから元就様がおらんようになったって。
あれほんなら何で俺ら元就様に迎え撃たれてるん?
俺ら元就様助けに来たんやけど!
「彼ハーザビー教の戦略情報部隊長、タクティシャンサンデー!」
タクティシャーン!彼らダイジな入信者ヨー!
丁重にニー、ヒットラエルのデス!
……
………
何で俺らひっとらえられるん元就様助けに来ただけやのに…!
てゆうかザビー教ってお祈りとかするとこやなかったん…!
衝撃の事実に、むさし君やこーちゃん、明智の光秀さんにまた会えたってゆうにも関わらずちかちゃんの手を掴んだままさっきからちっとも動けずにいる真樹緒です。
こんにちは!
「は!そうやこーちゃんとむさし君と明智の光秀さん!」
ぬんぬん。
元就様にびっくりして忘れてしまってたけど。
まさかのサンデー毛利様にびっくりして忘れてしまってたけど。
こーちゃんとむさし君と明智の光秀さん!
向かいの扉から一緒のお部屋に辿り着いたみたいでさっき顔見えたん。
サンデー毛利様の後ろ、大きな扉をもう一回覗いて見る。
ちかちゃんが危ねェぞって手をひくけど大丈夫。
俺ら元就様助けにきただけやもん!
お話したら分かってくれると思うもん。
俺がひょっこり顔出したぐらいやったら何とも無いもん。
「…そう簡単にいきゃァいいけどなァ。」
「姫ちかちゃん?」
「おいでなすったぜ。」
ちかちゃんがニヤ、って笑った。
それから槍を肩に担ぎ直して顎をくいって。
くいってちかちゃんがやった先には、俺らのいる扉でもこーちゃんらおる扉でもないまた別の扉で。
三番目の扉で。
その扉がゆっくり開いたと思ったら出て来たのは人、人、人。
「えええ人がいっぱい…!」
それに刀とか槍とか持ってるよあの人ら攻撃する気まんまんちがうん…!
「ちかちゃん…」
「あン?」
「俺らもしかして襲われてる?」
「そうだなァ。」
「ぬーん…」
「くっくっく、」
気張っていけよ真樹緒。
俺から離れんじゃアねぇぜ。
取り合えず明智と坊主、風魔と合流だ。
この部屋は随分広い、サンデーだか何だかしらねぇがあいつが毛利には変わりねぇ。
とっつかまったら面倒だ。
「元就様のお相手は?」
「正気のあいつとならいつだってお相手するけどよ。」
俺が相手する前に坊主が相手になってるみたいだからな。
……
…………
「ぬ?」
ぽんぽんってちかちゃんが俺の頭を撫でる。
それからすって前を指差して。
「おいそこの!このみやもとむさしさまがあいてだかくごしやがれー!」
そらそらそらそらー!
「ふ、卑俗な小童が。」
貴様には過ぎる相手よ。
……
………
「むさし君…!」
えええむさし君。
まじでむさし君。
何でむさし君が元就様に突進してるんでもそれがむさし君よねむさし君ちょうかっこいい…!
「おうおう全く威勢のいい坊主だ。」
よォし俺達も行くぜ真樹緒!
ちかちゃんが繋いでた手を離してぐいって俺の腰を掴む。
そのままひょいって持ち上げられて俺の目線はちかちゃんの目線。
俺はびっくりして思わずちかちゃんの首につかまった。
それが合図な感じでちかちゃんが走る。
広いお部屋の中を槍を振りまわしながら走る。
それでも元就様にばれやんようにこっそり走る。
俺は落ちやんように振り落とされやんようにちかちゃんの首に捕まってるのでせいいっぱいで。
「ちかちゃん早いいいいい!」
「お、風魔は気付いたみたいだぜ。」
「えっこーちゃん!?」
どここーちゃん!
俺のこーちゃん!
「ちかちゃんこーちゃんどこ?」
「捕まってなくていいのか?」
「ちかちゃんは絶対俺の事落とさへんからへいき!」
「そりゃァ責任重大だァな。」
「ぬん!」
何やさっきから人が増えすぎてて周りがよう分からんくって。
ちかちゃんと同じ目線やけど周り真っ黒い服着た人ばっかりがわらわらしててよう分からんくって。
首をきょろきょろ回してこーちゃんを探す。
「こーちゃんこーちゃんどこー!」
俺ここよー。
こーちゃーん!
はよー見つけてー!
「くっく、妬けるねェ。」
「ぬ?」
ちかちゃんが笑いながら槍を振りかぶった。
その槍を地面にずん!って刺して思いっきり飛んで。
俺の体もふわり。
下には黒い服を着たザビー教の人等と、元就様と戦ってるむさし君。
それから面倒臭そうに鎌を振ってる明智の光秀さんが見える。
やあほんなら。
ほんならこーちゃんは。
きょろって首を振ったら今度は目の前が真っ黒になってぎゅって目をつむった。
ちょっとくすぐったい感じがして目を開くとそこには黒い羽がいっぱい。
目の前いっぱい。
ひらひらひらひら。
ぬん、この羽は。
「(ぎゅう)」
「こーちゃん!」
やっぱり!
こーちゃんの黒い羽!
「あれ?」
ぬん?
でも待って俺今こーちゃんの腕の中?
あれ?
急に腕の中?
ぬ?あれ?
ちかちゃんは?
やあやあさっきまでちかちゃんにだっこされていたのに。
急にこーちゃんにだっこされちゃって。
ぬん、これなんか似たようなん前にもあったような気がするん。
えーっと、たしか、ぬん、ほら明智の光秀さんのお家にこーちゃんとさっちゃんがお迎えに来てくれた時。
あの時も黒い羽に包まれたと思ったら急にこーちゃんにだっこされてたのよねー。
ふしぎ。
この黒い羽ふしぎー。
「ぬん、でも無事にこーちゃんに会えてよかった!」
ぬんぬんよかった。
再会できてよかったー。
やあそりゃあ絶対会えると思ってたけどー、やっぱり心配やったん。
「怪我してへん?」
「(こくり)」
「なによりですねー。」
こーちゃんにだっこされて天井のはりへ上がる。
ちょーんって座って下を見下ろした。
さっきまで俺をだっこしててくれてたちかちゃんは明智の光秀さんと合流したみたいで笑いながら俺の方を指差して、それを見た明智の光秀さんがこっちを向いた。
ぬん!
明智の光秀さんも無事!
よかった!
「明智の光秀さーん!」
ぬーんお久しぶりー!
俺ここにおるよー!
目が合ったのを確かめて手を振る。
ぶんぶんぶんぶん手を振って。
明智さんが溜息吐いたの見えたけどそれでもまだ手を振って。
ぶんぶんぶんぶん。
ぶんぶんぶんぶん。
「あーけちーのみーつひーでさーん!」
ぶんぶんぶんぶん。
ぶんぶんぶんぶん。
「あーけちーの、」
「聞こえてますよいいですからあなたはそこでじっとしていなさいな…!」
「ぬん…!」
せっかくの再会やってゆうのにぶんって明らかに目の据わった明智の光秀さんに何か投げられてしまいました何あれちょっぴり緑色してるけど石やろうかものすごい速さでこっちむかってきてるけど…!
やあでも明智の光秀さんが俺に石なんか投げるわけないしー。
当てるわけないしー。
ほんなら何か預かっといてーってゆう感じのもんかなあ?
何やろう。
でも明らかに俺が受け止めれる速さや無いけどね!
「(しゃきーん)」
「あ、こーちゃん。」
そしたらこーちゃんがクナイを持って。
クナイを構えて。
その緑色の何かをこうすぱっと切断する勢いやったんやけど俺の目の前で急にその緑の何かが止まった。
「ぬ?」
「(?)」
「…止まったね。」
「(…こくり)」
何やろうね。
何やふよふよ浮いてるけど。
「ぬん…」
明智の光秀さんから飛んで来たそれは緑の火?みたいなんに包まれてふよふよ浮いてるん。
ちっちゃくててのひらサイズ。
さっきまですごい勢いやったのに今はふよふよ。
こーちゃんもクナイをしまってじっとその緑の何かを見た。
「差し上げます。」
「明智の光秀さん?」
「忍がいますが…先程の様な事が無いとも言い切れませんしね。」
「ぬ?」
下から聞こえた明智の光秀さんの声に緑のふよふよは又ふよふよして俺に近づいてくる。
それからくるん、って回って。
「わあ…!」
くるんって回って見えたのは顔。
でもただの顔やなくって、なくって。
「がいこつ…!」
ぬーん!
がいこつ!
ちっちゃいがいこつ…!
えええ何でがいこつ。
何で明智の光秀さんからがいこつ。
「…ぬん、」
やあちょっとかわいいけど。
がいこつちょっとかわいいけど。
でも何でがいこつなんやろう明智の光秀さんくれたけど。
「…おいでー。」
両手を伸ばしてがいこつを呼んでみる。
ほんならふよふよ浮いてるがいこつがやっぱりふよふよ浮きながら近づいて来た。
こっちまでやってきててのひらの上でふよふよ。
ぬん…かわいい!
--------------------
がいこつは明智の光秀さんの技の中の一つだったと思います。
多分がいこつで身を守る的な。
心配性なお母さんからの保険。
この先でもがいこつが活躍する事は無いんですけどがいこつネタ出したかったのでやってしまいました何のフラグでも無いですよぬーん!
ではではすぐにもう少し続きます。
切れ目がなかったのでここで区切らせて頂きました。
次回はやっとサンデーげきは。
とりあえず戦描写全然ないけどさくさく撃破させていただきました。
むさし君が!
←book top
←キネマ目次
←top