俺とこーちゃんと明智の光秀さんが海にざっぶんって飛び込んで、俺は飛び込んだ瞬間から記憶が全然無いんやけど、鼻がむずむずするなー、寒いなーって思ったらせいだいなくっしゃみが出てな。
それと同時にぱっちり目が覚めました。
目が覚めたと思ったら明智の光秀さんからばしっと一発おでこにちょっぷくらったんやけど!
一発どころやなかったんやけど!
ぬん!
やぁやぁ、みなさんお久しぶりねー。
真樹緒ですこんにちは!!
ぬーんごぶさた…!
このたびはしんぱいおかけしましたー。
ほんとう、ごしんぱいおかけしましたー。
でもおれちょう元気やから!
すっごい元気やから何かずぶぬれでさむいけど!
心配しやんでねー!
ほんならもう一回、こーちゃんと明智の光秀さんもいっしょにこんにちは!
「(?)」
「はい、こーちゃんからどうぞ。」
ごあいさつ。
おひさしぶりやから。
こんにちはーって。
「(ぺこり)」
「よくできました!」
えらいねー。
おじょうずねー。
ではでは今度は明智の光秀さんー。
明智の光秀さんはあれやね。
初めましてやからはりきってね。
こういうのって最初がかんじんやから…!
がんば…!
明智の光秀さんもごあいさつ、って着物の裾をひっぱったんやけど。
「調子に乗るなと再三言い聞かせたはずですが?」
「ぬん…」
まだ足りませんでしたかねぇ。
それはそれは。
腕が鳴ります。
「ごきげんよう、真樹緒。」
「いたいいたいいたい頭ぐりぐりいたい…!」
明智の光秀さんがちょっぷの手を今度はぐーにして頭のてっぺんぐりぐり。
にっこり笑いながらぐりぐり。
いたいって見上げても笑ったまんまなところが逆にちょっぴり怖いなとか思ったり…!
「ご、ごめんなさい…!」
待って明智の光秀さんそれさっきのちょっぷよりも痛いかもしれへんすとっぷ…!
頭のてっぺんに穴あきそうすとっぷ…!
明智の光秀さんの手をぎゅってにぎって止めてってお願い。
ごめんなさいちょうしにのっちゃってごめんなさいでも明智の光秀さんはほら初めましてやんかごあいさつ…!
やから俺ちょっぴりはりきっちゃって…!
ちょっとしたおちゃめやったん。
俺ちゃんとはんせいしてるから!
海に飛びこむんはちょびっとむちゃやったなって思ってるから!
かなづち黙ってたのもごめんなさい…!
やからゆるして…!
お願いしたら明智の光秀さんが溜息を吐いて。
ゆっくりゆっくり深い溜息をはいて。
「明智の光秀さん…?」
「…」
「どう、」
「真樹緒。」
「?はい…?」
「……」
「あけ、」
「……よくご無事で。」
「わ、」
明智の光秀さんがぽんぽんって俺の頭を撫でる。
げんこつの形にしてた手を今度はぱーにして頭を撫でて髪の毛をふんわりかき混ぜてくれる。
そう言うて初めはぽんぽん、それからくしゃっ。
耳の後ろがこちょばい。
「明智のみつ」
「よく手を離しませんでした。」
明智の光秀さんが笑う。
俺の濡れた髪の毛と、明智の光秀さんの自分の濡れた長い髪の毛をかきあげながら。
やさしくやさしく笑うから俺もつられて顔が緩んでしまう。
やっと、やっとちょっぴり近江のお母さんに戻って俺はひとあんしん。
ぽんぽん、ってそれからいいこいいこってしてもらって俺の体の力もぬける。
ぬん、明智の光秀さんはいっつもこのなでかたよね。
あんまり撫でてもらった事はないけど、最近はよく撫でてくれるから覚えてしまったよ。
「………おれ、がんばった?」
「…ええ。」
「ぬん!」
さあでは。
そろそろあちらを気にかけて差し上げませんと。
いつまでも放っておいてはいけません。
これからもしかするとお世話になるかもしれないのですから。
あの方にこそご挨拶が必要ですよ。
「ぬ?」
明智の光秀さんが後を振りむいて俺の背中をとんって押した。
ほらごらんなさい、って言いながら。
お隣におったこーちゃんがあんまり近づいちゃだめ、ってゆうからこーちゃんの背中から前をこっそりのぞく。
目の前には銀髪のお兄さんがおってな、その銀髪をがしがしかきながら俺らを見てるん。
政宗様とは逆の方の目が隠れてて、背もすごく高い。
でもどっかで見た事がある様な気がするんやけどー…
「あ、」
ぬんぬんぬん。
やあやあやあ。
あの人ね、あのお兄さんね、ちょっと俺が行ってた学校のお隣に座ってる友達ににてる。
えーとね、鉄平君。
鉄平君に似てる。
鉄平君はな、ヤンキーやけど放課後の教室そうじとかはちゃんとやって帰るすてきなヤンキーやねんで。
俺が教科書忘れてこまってたら机くっつけて見せてくれる優しいヤンキーやねんで。
ほんでおとこまえなん。
彼女おらんけど!
「ぬん…」
そんな事ゆうてたら鉄平君にあいたなってきたー。
元気かなあ。
学校ちこくしてへんかったらいいけど!
あ、鉄平君はヤンキーやけど遅刻はせえへんのがぽりしーなんやって。
でもヤンキーやから授業はたまにさぼるんやって。
……
………
てゆうかそもそもヤンキーって何やろう…
ヤンキーなんなんやろう。
………ぬう、気になりだしたらなんやすごい気になる今度会ったら鉄平君に聞いてみようヤンキー。
今はその鉄平君に似てるお兄さん観察が先よね!
その鉄平君に似てるお兄さんはぜんたいてきに紫でおへそ出してるん。
あれ寒くないんかなー。
おれ、着物しっかり着てちゃんちゃんこ羽織っててもさむいのに。
やっぱり武将さんはひとあじ違うんやろうか。
俺らと。
それとも鉄平君に似てるしヤンキーかな。
ヤンキーが何かって教えてくれるかな。
「ぬん…」
……
………
やあ武将さんよね。
あのお兄さん武将さんよね。
ぬんぬん。
そこはね、いくらおちゃめな俺でもね、空気は読むよ!
多分武将さんやと思う。
刀やなくってイカリ背負ってるけど。
すっごい重たそうなイカリ背負ってるけど。
……
………
あれ?
まさかの漁師とか?
「あれは西海の鬼、四国を治める海賊ですよ。」
大体何を考えたかは分りますが。
懐が深く、面倒見の良い海の男だと聞き及んでおります。
ですが実のところはどうなのやら。
あなたにあの槍を向けたのは事実ですし。
真樹緒、くれぐれも簡単に気を許さない様、
「かいぞく…!」
かっこいい!
俺初めて見たかいぞく!
すごい!
ヤンキーちがうかったかいぞく!
明智の光秀さん生かいぞく!!
「…、真樹緒。」
「すごいね!」
「真樹緒。」
「かいぞくやって…!」
ぬんぬんほんならおれちょっと自己紹介してくる!
かいぞくさんとお知り合いになってくる!
明智の光秀さんとこーちゃんをふりきって猛ダッシュ。
やってかいぞくさんやもん!
初めてのかいぞくさんやもん!
大丈夫鉄平君に似てるから優しいかいぞくさんやと思う!
俺のすてきなカンやけど…!
「真樹緒、まち」
「やあやあかいぞくさんこんにちはー!はじめましてー!」
俺真樹緒!真樹緒ってゆうんよろしくね…!
かいぞくさんは見るの初めてやからちょっとどきどきしながらこんにちは!
よかったらかいぞくさんのお名前教えてくれたらうれしいわ!
俺ちょっと勢いつけすぎて猛ダッシュが止まりそうにないからちゃんと受け止めてねかいぞくさん…!
「こら真樹緒…!」
真樹緒待ちなさいあなたは本当に人の話を聞かない子ですねいい加減にしなさいよ…!
あれだけ言ってもまだ分かりませんか…!
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自己紹介までいかないとか何という…!
あにきが放置プレイingですみません次回は多分お話できると思うんだ…!
キネマ主が動くと肝心なところへ行くまでに余計な事をするので長くなのですわかってるのですがあの子勝手にうごくから…!
鉄平君は今後名前しか出る予定はありませんが結構出張ってすみません(汗)
田舎のヤンキーなので心やさしいヤンキーです。
でももう少し名前が出張りそう鉄平君。
キネマ主加藤家ともどもオリキャラですがどうぞよろしくお願いします名前しか出ませんのでご安心を…!
ではでは次はあにきとキネマ主。
元親さんはあにきだからちゃんとキネマ主を受け止めてくれると思います近江のお母さんはいよいよ胃痛をもよおおす感じがもしれません(笑)
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