「……ぬ?」
「(ぎゅっ)」
「こーちゃん?」


さっきまでまつながさんとこおったはずやのになー。
何でかいまはこーちゃんのうでの中なん。
真樹緒ですよー。
こんばんはー。


「あれー?」


まつながさんは?
おれ、多分まつながさんのおひざに乗ってたと思うんやけど。
まつながさんに頬っぺたにちゅーってしてもらってたと思うんやけど。


なんや、ほっぺたくすぐったかったんおぼえてるもん。
でも今、おれこーちゃんにだっこされて政宗さまのおへやにおるんよー。


……
………


まつながさんは?


(ふるふる)
「ぬ?」


でもこーちゃんにまつながさんは?って聞いたら、こーちゃん首ふるん。


あれー?
まつながさん実はおらんかった?
あたまふわふわしてるから、何かかんちがいしてもうたんかなぁ?


俺のきのせい?


(こくん)
「そっか!」


きのせいやった!
やってほら、こーちゃんうなづいてるもん。


まつながさん気のせいかー。
なんやちゅーしてたよーな気ぃしたんやけど気のせいかー。


ぬー。


「(ちょんちょん)」
「ぬ?」


こーちゃんのお膝でうなってたら、こーちゃんがちょんちょんって俺の着物ひっぱったん。


うん?
どないしたんこーちゃん、って見上げてみたら俺のくちびるにこーちゃんの指がぷにゅって。
きれいなこーちゃんの指がぷにゅってやぁ。


「なぁに?」


なぁに?
こーちゃん。
くちびるぷにゅぷにゅしたらこちょばいよー。


やめてやー。
くちびるもぞもぞするやんー。
へへへ、って笑ってんけどこーちゃんの指はそのまんまなん。


ぬー?
こーちゃん?
どういしたんー?


首かしげたらこーちゃんがお椀くれたん。
ちっちゃいおわん。
はい、ってわたされたからうけとったらなんと!


「…」
「?おみず?」
「(こくん)」


おみずやって!
おれがお酒のんでたから持ってきてくれたんやって!
酔いをさましてくださいねーって。
あんまりむちゃしないでくださいねーって。
こーちゃんおみずくれたん!


やさしい!


やぁ、でもおれむちゃしたかなぁ?
ものすごいいい気持ちやったのは覚えてるんやけど。

ぬー?


「おれ、のんでええの?」
「(こくん)」


こーちゃんはやさしいんー。
おれのじまんよ!
ほんならいただきますーって、ありがとーって、おわんに口つけたんやけどやぁ。


「おお?」
「(!)」
「あれ?のめやん?」


おみずこぼれてしもうたんー。
あれー?
ちゃんと口に持ってったのにー。


あれぇ?


何で着物にこぼれとるんー。
ぬー。
なにごとー。


「…こーちゃん…のめやん…」


どうしよう。
せっかくこーちゃん持ってきてくれたのに。
おれのために持ってきてくれたのに。
おれ、こぼしてもうたん。
ばちゃってこぼしてもうたんー。


ごめんー。


「(ふるふる)」
「こーちゃん…」


言うたらこーちゃんがおわん受けとってくれた。
いいよって。
それよりきもちわるいところありませんか、って。


ぬー。


やさしいこーちゃんにちょっとせつなくなって、こーちゃんにぎゅう。
なんや手ぇいうこときかんの。
ちゃんと持ってたんやで。
口つけたんやで。
でもこぼれてもうた。


こーちゃん、って名前よびながらぎゅう。
ほんならこーちゃんがよしよしって頭なでてくれてん。
やっぱりやさしいー。


「こーちゃん…」
「…」


じぃ、ってこーちゃん見てたらこーちゃんも俺をじぃ、って見てるん。
なんかいつもとちがった雰囲気で見てるん。


あれぇ?


あんな。
いつもやったら、こーちゃんが何かんがえてるんか分かるのに今はいっこも分かれへんねん。
ちゃんと目ぇみてるのに。


「こーちゃん?」
「…、」
「あれ?こーちゃんのどかわいてたん?」


何でやろう、って考えてたらこーちゃんがお椀のおみずをぐぃーって飲んでもうた。


あ、そうかー。
こーちゃんはのどかわいてたんかー。
かいのおみずおいしいもんなぁ。


そうかそうか。
さっきまでさっちゃんとお庭におったんやしなぁ。
そりゃあ、のどもかわくよねえ。


うんうん。


「…」
「うん?」


こーちゃんのどかわいてたんや、って頷いてたらこーちゃんがすぐ目の前に。


んーとやぁ。
ものすごい近いん。
お鼻とお鼻がもうちょっとでくっつきそうやで?
こーちゃんのふさふさな髪の毛がおでこにあたってこしょばかった。


「こーちゃ、」
「…」


こーちゃん、こしょばい、って言おうとしてんけど。
そんな事言う前にこーちゃんのお口がちゅう、って。
俺の口にちゅう、って。


「んん、く…?」


ほんなら冷たいおみずが入ってきたん。
さっき飲めやんかったおみず。
こーちゃんのお口からゆっくり俺の口へ。
こくん、って飲み干したらこーちゃんがちょびっと離れた。


俺、びっくりしてもうて。
目ぇぱちぱちしてこーちゃん見てんけどやぁ、いったん離れたこーちゃんがまた。


「ふ、…んぅ…」


やぁ、お水いっぱい。
口からあふれてしまう。
やからちゃんとこぼさんようにゆっくり飲んだん。


「ん、は…」


こーちゃんのくちびる冷たくてきもちええねんで。
でもずっとくっつけてたら段々あったかくなってきた。

ぬー。
こっちもきもちいいー。
離れていく時にな、ちゅって俺のくちびる吸っていくから俺もおかえしに吸ってみた。


「(!)」
「へへ…」


もっと。
こーちゃん、もっと。
ちゅう気持ちよかったん。
もっとちゅうしよう?


……
………


「(…………ふるふるふるふる…!!!)」
あれ?


ぬー?
なんでー?
こーちゃん、急になんで。


あれ?
さっきまでのふんいきは?


「(ふるふる!)」
「むー。」


なんでー。
今までちゅうしてたやんー。
いっしょにちゅーしてたやんー。


「(ふるふるふる!)」
「ぬ?おみずのませてくれただけ?」
「(こくこく!!)」
「あかーんー。」


そんなんあかんー。
あれ、ちゅーやもんー。
こーちゃんからのちゅーやもん。
ほら、こーちゃんからのはじめてのちゅう!
きねんすべきちゅうですよ!


「やから、おかえしに俺からもちゅー。」
…!!!


こーちゃんの首をがっちりつかまえる。
やぁ、ぶらーんてぶら下がってもうてるのは気にしないー。
こーちゃん力もちやからだいじょうぶー。


ほらほらこーちゃんちゅうするよ。
かくごしなさいよ。
そのお口ねらわれてますよ。


「へへー。」
「っっ!!」


ぶら下がったままこーちゃんの頬っぺたにすりすり。
すべすべなほっぺたですねー。
きもちいいー。
やぁ、ほんならここからちゅー。


「!!!!」
やわやわー。


次はどこにしましょー。
おでこ?
こーちゃんのふさふさな髪の毛に隠れたおでこ?

はいはいりょうかいー。


「ちゅー。」
「…っ!!??」


ふさふさな髪の毛ごとちゅー。
こーちゃんの体がびくってなったけどきにしないー。
ちゅー。


〜〜〜っ!!!


さぁさぁ、ほんなら次が大事よ。
ほんばんよ。
こーちゃんもかくごしなさいねー。


「こーちゃん。」
っ!っ!
およめさんはおむこさんからちゅーされやなあかんねんで。


やからそのかわいらしーお口をうばいますー。
こーちゃんのお口はおれのものー。


はい、


「ちゅっ。」
!!!!!



うばったこーちゃんのお口はぷるぷるでやわやわで、とっても気持ちよかったです!!




…止めなくてよろしいので。
うちのkitty達はこうじゃねぇとなぁ。
「…全く成長の無い…」
「くくっ…」

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まつながさんどこ行ったんだろう…(遠い目)
気のせいじゃないですよ!
ちゃんと小太郎さんが松永さんの膝にいたキネマ主をシュバッと奪ってきたのですよ。
でも気のせいにされてしまいましたけれど。
あくまでオマケ小話なのでサラリと読んでくださると幸いです(汗)


こーちゃんの指がぷにゅっとなったのは「もう本当に、危機感持ってください」の「めっ!」でした。
キネマ主は気がついていませんが(笑)
水を飲ませてくれる時もきっと色んな事を考えて考えてのあれなのです。
自分だってご主人の事大好きなんですよやる時はやるんですよな小太郎さん。
結局我に返って酔っ払いの餌食になりましたが(笑)


最後の筆頭とこじゅさんの台詞は少し番外とリンクしてたり。
番外ではすでにこーちゃんのくちびるを奪っているキネマ主です(笑)


ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
長い長い「ちゅー魔」これにて終了です。

次回は間章か、全く関係の無い番外編かのどちらかかと思いますー!


  

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