03 >> 孤爪研磨

何故か毎年、三月は体調が優れない。別に花粉症だとか、そんなんじゃない。けれど、なんとなく、不調。クロに言うと軽くあしらわれるのが目に見えてるから言わない。

「…季節の変わり目だからね」
「研磨は?平気?」
「うん、夏と冬よりはマシ」

研磨らしい答えだな〜ころりと膝の上に頭を乗せてみる。せっかく研磨のお家に遊びに来たっていうのに〜むーゲームじゃなくて私のこと見てよう〜うりうりと頭を動かす。

「…名前、邪魔」
「酷い…クロのところ行こうかな…」
「それは駄目」

わ、即答してくれた!きゅん!好き好き研磨好きっ!

「ねぇ、いつそれ終わるの?」
「ん〜………」
「近くの公園行こ?さっき来る時見かけたら、花綺麗だったよ」
「…………」
「…クロと」
「うん、もう少しだから待って」

かわいい。かわいすぎるっ。頭わしわししたいけど、したら怒られるのは目に見えてるからやらない。ひたすら脳内妄想。わしわし、わし…

「…名前、なに変なこと考えてるの」
「へ、変なことなんてそんなっ!全然だよっ!」


薄い背中に隠された秘密を

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