02 >> 灰羽リエーフ

「やはり冬はこたつに限るねぇ」
「それ、リエーフが言うと凄い違和感」

こたつを求めてわざわざ家にやって来た。こんな雪の中。こいつ、もしかしなくてもアホだろそうだろ。ていうか足折れやコラ。心の中で悪態をつきながら、最後のみかんに手を伸ばす。

「ね、みかん、取って来て」
「えーここ、実加の家じゃん」
「あんたの方が、台所近いじゃん」

ぶりぶりと文句を言うリエーフに一喝する。

「ほらそこのデカイのっ」
「もー自分が小さいからって僻まないでって痛っ!」

げしげしと足を蹴ってやる。動けオラっ!渋々コタツから出て、みかんを取りに行った。あ、お茶なくなった。

「…ねぇ、それにお湯入れるならついでにみかんも持って来れたんじゃないの」
「ん?なんのこと?」

こぽこぽと急須にお湯を足す。そして上を見やると少し不機嫌になっている彼と目が合う。うぅむ憎まれ口ばかり目立ってるけど、黙ってればいい顔してるよなぁとしみじみ思う。

「ねぇリエーフ」
「なに?」
「黙ってくんない?」
「はぁ?!!」


くだらないと
吐き捨てた喜劇


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