今日は政宗様とこじゅさんと一緒に厩に来てますー。 真樹緒です!
「真樹緒、馬に飼葉をやってくれ。」 「まかせてやー。」
あんな、お馬さんおるやん? こじゅさんの黒毛な美人さんと政宗様の栗毛なお馬。 俺が見たことあるんはその二匹だけやってんけど、実はな! お城にはお馬さんが集まる厩があったのですよ!!
ここにはなー、おシゲちゃんのお馬とかリーゼントの兄やんらのお馬とかめっさお馬さんがおるねんで。 どの子もかえらしねんー。 人懐っこくてな! ほんで、今日はそこのお掃除なん! 藁を入れ替えるやろう? お水と飼葉をあげてな、その後はお馬の毛ぇをとかしてあげるねん。
「どぉー?」 「ヒヒン。」 「もっと右?」 「ブル、」 「ほいほい。」
顔を擦り付けてくるお馬のたてがみを撫でてぐしぐし。 もっと、って前足で音立てるからぐしぐし。 気持ちよさそうやねー。 他に痒いところはございませんかー。
「ヒン。」 「お?ここ?」 「ブルル…」
お馬の耳の下をぐしぐしっとな。 目ぇぱちぱちするお馬を見ながらまつげ長いねぇーなんて呟きながら、お隣のお馬とバトンタッチ。 ほいほい、今度はこじゅさんのお馬やん。 黒毛の美人さん。 お久しぶりやけど元気やった?
「ブルルル、」 「相変わらずサラストやねぇ。」 「ヒン。」
やっぱり美人さんは美人さんでした! たてがみを撫でて、ツヤツヤな背中とお腹を撫でて。
……うん? 何かこう、さわり心地がぽっこりしたような。
「…ちょびっと肥えた?」 「…ブルッ。」 「のぉ!!」
首傾げたらもさっと髪の毛を食べられた。 もしゃもしゃ食べられた。
「あああー毛ぇはやめてんか!」
ごめん!! 気にした!? 女の子やもんなぁ、この話題はあかんかった? ごめんかんにん!
やからそこはあかんよ! やって鴨田さんおるもん。 俺の髪の毛巣にしてもうた鴨田さんおるもん。 今日もおるんやで。 多分寝とると思うしやぁ、そっとしといたってぇな。
「ブモッ。」 「あ、鴨田さん起きたん。」 「ブモ。」
こじゅさんのお馬にもさもさ髪の毛を食べられとったら、鴨田さんが起きてきました! 鴨田さんてあれやで。 前にこじゅさんの畑の近くで見つけた一味違う鴨の子やで。 あれから名前考えてな、鴨田さんになったんこの子。 かっこええやろ!!
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