01



今日は政宗様とこじゅさんと一緒に厩に来てますー。
真樹緒です!


「真樹緒、馬に飼葉をやってくれ。」
「まかせてやー。」


あんな、お馬さんおるやん?
こじゅさんの黒毛な美人さんと政宗様の栗毛なお馬。
俺が見たことあるんはその二匹だけやってんけど、実はな!
お城にはお馬さんが集まる厩があったのですよ!!


ここにはなー、おシゲちゃんのお馬とかリーゼントの兄やんらのお馬とかめっさお馬さんがおるねんで。
どの子もかえらしねんー。
人懐っこくてな!
ほんで、今日はそこのお掃除なん!
藁を入れ替えるやろう?
お水と飼葉をあげてな、その後はお馬の毛ぇをとかしてあげるねん。


「どぉー?」
「ヒヒン。」
「もっと右?」
「ブル、」
「ほいほい。」


顔を擦り付けてくるお馬のたてがみを撫でてぐしぐし。
もっと、って前足で音立てるからぐしぐし。
気持ちよさそうやねー。
他に痒いところはございませんかー。


「ヒン。」
「お?ここ?」
「ブルル…」


お馬の耳の下をぐしぐしっとな。
目ぇぱちぱちするお馬を見ながらまつげ長いねぇーなんて呟きながら、お隣のお馬とバトンタッチ。
ほいほい、今度はこじゅさんのお馬やん。
黒毛の美人さん。
お久しぶりやけど元気やった?


「ブルルル、」
「相変わらずサラストやねぇ。」
「ヒン。」


やっぱり美人さんは美人さんでした!
たてがみを撫でて、ツヤツヤな背中とお腹を撫でて。


……うん?
何かこう、さわり心地がぽっこりしたような。


…ちょびっと肥えた?
…ブルッ。
のぉ!!


首傾げたらもさっと髪の毛を食べられた。
もしゃもしゃ食べられた。


「あああー毛ぇはやめてんか!」


ごめん!!
気にした!?
女の子やもんなぁ、この話題はあかんかった?
ごめんかんにん!


やからそこはあかんよ!
やって鴨田さんおるもん。
俺の髪の毛巣にしてもうた鴨田さんおるもん。
今日もおるんやで。
多分寝とると思うしやぁ、そっとしといたってぇな。


ブモッ。
「あ、鴨田さん起きたん。」
「ブモ。」


こじゅさんのお馬にもさもさ髪の毛を食べられとったら、鴨田さんが起きてきました!
鴨田さんてあれやで。
前にこじゅさんの畑の近くで見つけた一味違う鴨の子やで。
あれから名前考えてな、鴨田さんになったんこの子。
かっこええやろ!!



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