05




「いつまでそんな顔してんだ。」
「やってー。」


こんな高価なもん、買ってもらってしもうて。
俺どうしたらええんよー。
政宗様へのお土産に米飴を買ってお城へ帰る道で、俺はちょっと頬っぺた膨らましてぶうっとお顔が大福な真樹緒君です。
こんにちはー。


「ぬー。」


熱い顔を隠しながらぶう。


やってな、嬉しかったん。
こじゅさんが俺へって買ってくれた指輪。
凄い綺麗な青でやぁ。
見てたらすうって引き込まれるみたいな感じになったん。


でもほんまに見てただけで買ってもらおうとか思ってなかってんで。
それやのにこじゅさんが簡単に買ってしまうから!


「真樹緒。」
「むー。」


いっつも俺を甘やかして!
俺の欲しいもん全部持ってきてしもうて!


「やっぱり欲しかったんじゃねぇか。」
「っちゃうもん!」


何わらってるんこじゅさん!
俺はこじゅさん待ってただけなんやで!
欲しいなーって見に行った訳ちゃうんやで!


たまたま見た事のある指輪があったからびっくりしただけで!
やぁ、綺麗やなーって思ったのはほんまやけど。
ちょお聞いてるこじゅさん!


「分かった分かった。」


ぬー。
ほんまに分かってるんー。
手のひらに乗った指輪を見てたらまた頬っぺたが熱くなった。


やって。
指輪やで。
こじゅさんは指輪の事そんな知らんと思うけどやぁ、指輪ってたまにすごい意味あったりするねんで!
やからどうしよう、って思って未だ俺の手のひらに乗っかってる訳ですよ。


ぬーん。
どうしよう。


「つけねぇのか。」
「ぬー。」


やぁ、つけるよー。
つけるんやけど。
どの指にしようかなーって思ってなー。


ほら。
指輪ってたまにすごい意味あったりするから。


見下ろしてくるこじゅさんを俺は見上げて。
どの指につけたらいい?って手を広げて見せた。


「ああ、この指にするそうだ。」
「ぬ?」
「店の主が言っていた。」


こじゅさんの顔の前にパー出してなー。
どうしよう?って首かしげたらこじゅさんがくい、って俺の指を引っ張るん。


……
………


ぬ?


え?
まじで?
この指?
まじで…!?


くいくい引っ張られる指をじぃーって見て、それからずずいってこじゅさんを見て又指見て。


ほんまにこの指?
相手は指輪やで?
この指?


ええの。
ほんまにええの。
もう一回こじゅさんを見上げたら、こじゅさんが「何がだ」って。


そんなん何がて!
指輪やん!!



「真樹緒。」
「うぃ?」
「嵌めてやる。」
「!!」


まじで…!!
いやいやいや!
こじゅさん待って!


ぱーに開いた手ぇ閉じようとしたらこじゅさんに掴まれてしまいました…!
逃げられません!!


「こっ、こじゅさん!」
「暴れるな。」


ぬー!!
こじゅさんまじでー!
俺パニック!


やってほんまにそれでええのんー!


「じっとしてろ。」


こじゅさんのおっきい手が俺の手をがしり。
手のひらに載せてた指輪も取られてさっきこじゅさんがさっき引っ張った指にすぽって。


「あぅー…」


そう。
こじゅさんが俺の左手の薬指に指輪をすぽっと。
嵌めてしまいました!!


「こっ、こじゅさん…!」
「どうした。」


何やら店の主人によると魔除けになるらしい。
お前は危ねぇ事ばかり足を突っ込むからな。
外すなよ。


「あう、あう…」
「真樹緒?」
「えーっとー。」


ぬーん。
俺の方が空気読めてないとかそんな…!!



「……こじゅさん。」
「だからさっきからどうした。」


ぬーん。
無理です。
こじゅさんには勝てませんです。


……
………


「…ゆびわおおきに。」


嬉しいのはほんま。
でもそれ以上に恥ずかしいの!!

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あれー?
もっと甘い話になる予定だったのに(汗)
指輪と指の意味を知ってる分、焦ったのはキネマ主だけでした…

お城に帰って政宗様に見つかります。
指輪もその意味も知っている知識だけは沢山ある政宗様なので、色々かんぐったらよいかと思います。

それでは。
次回は間章でお会いしたいかの子でした。
お付き合いありがとうございました!


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