09




こーちゃんが逃げてもうて探しに行こうと思ったら政宗様に腕引っ張られてお膝の上に乗せられました。
真樹緒です。


「動けやん…」


もー、政宗様!
こーちゃんどっかいってもうたやん!
どうするん、て政宗様見たら笑ってるだけで。
ちょおこじゅさんも何かゆうたって!
振り返ったら「そっとしておいてやれ」って。


ぬーん。
何で。
俺、孤独―。


風魔は俺が探してくるってこじゅさんは行ってしまうし。


「政宗様。」
「Ah?」
余り羽目を外されませんよう。
あー…all right


政宗様が俺の太もも撫でながら襖を開けるこじゅさんにひらひら手ぇふった。
ちょっと政宗様の頬っぺた引きつってるのは気のせい?


「気のせいだ。」
「ぬー。」


でも政宗様太ももこちょばいんやけど。
わさわさこちょばいんやけど。
しかもただでさえ短い着物やのにそれ以上めくり上げやんとってんか。


「眼福だ。」
「そーいうんエロ親父って言うねんで。」


もーう。
この手ぇ羽目外してんで!
言うたら肩すくめてほっぺたうりうりされてもうた。


「真樹緒。」
「う?」
「俺には餅を食わせてくれねぇのか?」


は!!
そうや!
俺今メイド!
おもてなしせなあかんやん!
忘れてた!!


かんにん政宗様。
ちょっと待ってやー。


用意してあったお皿に水で冷やしてあったわらび餅をよそってきな粉をかける。
こっちはちゃんと黒蜜やで。
政宗様の名前も書きますよー。


「はい、政宗様もわらび餅どうぞー。」
「thanks」


ちょうど名前のとこどうぞ!
結構上手に書けとるやろう?
頑張ったで!


「あーん。」


ほらほら政宗様あーん。
口あけて!
さっきも言うたけど黒蜜って手ごわいんやで。


「はいあーん、」


あーって開いた政宗様の口の中にわらび餅をひょいっとな。
よく噛んで食べて下さいねー。
味わって食べて下さいねー。


「おいしい?」
「delicious。」
「へへー…」


よう冷えてるやろう?
おシゲちゃんと一緒に作ったんやで。
まだまだあるからいっぱい食べてな。


「あ、政宗様。」
「どうした。」
「黒蜜ついとるよ。」


ちょっとわらび餅おっきかった?
口の端っこについてもうてる。
何かかわいらしいで政宗様。
黒蜜ついとる政宗様。


「ほらここ、」


可愛らしいんやけどやっぱりお殿様が黒蜜つけてたらあかんやん?
せやからふき取ろうと指伸ばしたんやけど。


「おっと。」
「あれ、」


政宗様に手ぇ取られてしまった。
何、政宗様。
俺黒蜜とろうと思ったのにやぁ。
このまんまやったら政宗様が面白いまんまやで。


「なぁ、真樹緒。」
「…なん…」


え、しかも何や変な雰囲気?
政宗様がちょっとまじな顔です。
黒蜜つけてまじな顔されても…!


でもイケメンはやっぱり違うね!
男前は何しても男前…!


「俺は今お前のmasterだろう?」
「ぬ?うー、うん。」


そうやけど、って。
でも何や政宗様変な雰囲気やん、って。
顔を離してみたら、政宗様に掴まれた手ぇを政宗様の首の後ろに持っていかれてもうた。
あれこれ俺今政宗様に抱きついとる?



何で!!


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