03




「真樹緒かわいー!!」
「ブモッ。」
「うれしなーい。」


何だか前にも聞いたことあるようなやりとりですねー。
真樹緒やでー。
こんにちは!!


あれからおシゲちゃんが又、着物をちくちくしてな、綺麗なレースを着物の裾と袖と襟につけて見事に和風なメイド服が完成しましたよ!
やっぱり短いねんけどな。
足はスースーするねんけどな。
鴨田さんとお揃いやねん。
ちゃんと帯も巻いてもらって二人揃ってメイドですー。


「はい、お化粧するよー。」
「えー。またー?」


鴨田さんと二人、袖を揺らしながら回ってたらおシゲちゃんに首をぐきっとされた。


えー。
お化粧するんー?
もう、これで十分やんー。
ひらひらメイド服で十分やん。


「俺、完璧主義なの。」
「ぬー。」


やっぱり唇とんがらせたら、ないすたいみんぐって又おシゲちゃんに指で紅を塗られたん。
こないだ女の子になった時と一緒…!


ほんま楽しそうやねおシゲちゃん。
生き生きしとるよ。



紅ぬられた後は頬っぺたに何や白い粉をぽんぽんされて(鴨田さんもな)頬紅?ってやつも頬っぺたにぬられて(鴨田さんもな)完成!ってやり遂げた感いっぱいの笑顔でおシゲちゃんがブイサインを決めてくれました!


「後は茶房の準備だね。」
「さぼー?」


何、さぼー?
メイド喫茶のメニューかなぁ?
メニューやったらあれやでおシゲちゃん。


「名前書かなあかんよ、」
「名前?」


あれ、おシゲちゃん知らん?
お手紙に書いてへんかったんかな?
俺も実際行ったこと無いからよう知らんのやけど、何でもメイド喫茶に行ってオムライス頼んだらケチャップで名前を書いてくれるんやてー。


「おむらいす?けちゃっぷ?」


すごいでなーって見上げたらおシゲちゃんが首を捻る。
おおお…!


おシゲちゃん可愛い!
「うん?」


ひらがなや。
オムライスとケチャップがひらがなや。
可愛い!!


「はいはい、分かったから。」


おむらいすとけちゃっぷって何。
可愛い可愛いって叫ぶ俺におシゲちゃんが頭をうりうりした。


うおー。
やめてやー。
折角可愛いって言うたのにー。
流すんやめてやー。

それに、折角鴨田さんとお揃いのカチューシャ作ったのに。


うん?
カチューシャってあれやで。
よぅメイドさんが頭につけとるやつ。


「あ、ごめんごめん。」
「ずれてない?」
「大大丈夫だよー。」
「おおきに!」


カチューシャ直してくれたおシゲちゃんに笑ってオムライスの説明。


あんなー。
オムライスってな、食べ物やねん。
いためたご飯を卵でくるんでやぁ。
ケチャップをつけて食べたらおいしいねんけど、すぐには用意できひんと思う。
どないするー?


「んー…でも喫茶なんだろ?」
「ん?うん、」
「ならお茶とお茶菓子でよくない?」


そもそも真樹緒がめいどの格好で「お帰りなさいませご主人様」って言うところに意味があるんだからさ。


……
………


え、そうなん?
そうだよ。


まじで!!


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -