おシゲちゃんがなー、テンションたっかいねんー。 何かな、おシゲちゃんにお手紙届いたらしいで。
おシゲちゃんのお部屋に行って前みたいにばばっと服剥かれてじっとしててねーって、おシゲちゃんの上着を被せられてる真樹緒ですー。 こんにちは!
「おシゲちゃーん。」
まーだー? ちょっとさぶなてきたー。 張り切ってメイド服作ってるけどやぁ。 ほんまに着物で出来るんー?
「もーちょっとー。」 「ぬー。」 「ブモッ。」
鴨田さんの頭をうりうり撫でながらおシゲちゃんをじーぃ。 さっきからおシゲちゃんはな、着物をざっくりハサミで切ったりちくちく縫い合わせたり、異国から入ってきたらしい綺麗なレースのリボンを選んだり忙しそうです。 おシゲちゃんお裁縫できたんやなぁ。 俺びっくり。 手伝おうか?って聞いてみたんやけど、「真樹緒はじっとしときな」ってにっこり笑われただけでした。
「真樹緒。」 「ん?」 「ちょっとこれ羽織って。」 「はーい。」
おシゲちゃんに呼ばれて綺麗な振袖を羽織る。 袖とかにレースついててやぁ、可愛い。
明らかに女の子用やけど。 うん。
ほんでやぁ… なんとゆーか… ………うん。
「おシゲちゃん…」 「ん?」
この着物短い。 えらい短い。
普通着物ってくるぶしまであるやん? でもこれくるぶしどころか膝もあやういで。 おシゲちゃんが何やらジョッキジョッキ切ってたけどこれ?
アカンよ。
この振袖、絶対目玉が飛び出るぐらいの値段やで。 黒い着物でな、ちっちゃい花が描いてあるん。 巻いてくれた帯もな、紫色で綺麗なんやけど。
高いで。 絶対高いで。
じょきじょきしたらアカンよ。
「これ、梵が真樹緒にって買ったやつだから平気だよ。」
「ぬ?」
え、それ初耳。 政宗様が? 普段からこじゅさんに無駄遣いは止めなさいって言われとるのに! てゆーかもっとアカンよおシゲちゃん!
「もうちょっと切ろうか。」 「いやいやいや。」 「でもれーすつけるよ?」
そういう問題ちゃうよおシゲちゃん。 足、スースーするやん。
でもやぁ、。 これほんまに俺が着るん? 前にも言うたけど、女の子の着物やで?
「鴨田さんも着るよ。」 「ブモッ。」 「まじで!!」
鴨田さんを見たら何やお揃いのレースつきな着物の生地で可愛らしく飾られてました。
ちっさい着物! ちゃんとレースもついてる!!
「ふぉぉぉぉ…!!」
鴨田さんが可愛い!! おシゲちゃんちょー器用! かーわーいーいー!!
「鴨田さん、似合うー。」 「ぶもぶも…」
羽が着物の袖から出てるねんで。 鴨田さんが羽ばたけるようになってるねんで。
「どう、真樹緒。」
鴨田さんとお揃いだよ、っておシゲちゃんの誘惑です。
くぅぅ… おシゲちゃんよぅ俺の事分かってるね! お揃いとかに弱いんよぅ分かってるね!
「めいどするよね。」 「……うう…」 「するよね?」 「ブモ。」 「…ぅい。」
結局、可愛い鴨田さんとおシゲちゃんの迫力に負けました!
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