05




政宗様がなー、俺を一杯甘やかすん。
風邪っぴき絶好調の真樹緒ですよ。
でもちょっと熱は下がった感じやで。
こんにちはー。


うん?
こんばんはーかなぁ。
一杯寝すぎて今が何時ぐらいなんか分からへんねん。
かんにんな。


「うー…」


あの後こじゅさんがにがーい薬もってやってきて、それ飲んだら汗がめっさ出てなぁ。
今はちょびっと頭ぐるぐるするんがましなん。
こじゅさんのおかげ!


でもあの薬は二度と飲みたくないわー。
後を引く苦さ?
ほんまに風邪がふっとんでいきそうやった。


「真樹緒、大丈夫か。」
「んー…」


政宗様もあの後ずっと部屋におってくれてんで。
しんどかったし一人になるんが不安でやぁ、ここでおってってお願いしたん。
ほんなら政宗様、一緒に布団に入ってくれたねんよ。
「うつるよ」ってゆうたのになー。
政宗様にうつるんは嫌やねんけど、やっぱり嬉しいん。


「へへ…」
「真樹緒?」
「だいぶましー。」
「そうか。」


政宗様が笑って俺の頭を撫でる。
それから汗かいた前髪かきあげて出てきたおでこにちゅってしてくれる。
政宗様はな、布団に入って腕枕してくれて、俺がしんどいって言うたんびに今みたいにちゅーしてくれたん。
大丈夫だって答えてくれながらな。


すごい安心できたん。
そのおかげかなぁ?
ほんまにもう大丈夫みたい。


「もう少し寝ろ。」
「熱ないで?」
「油断できるか。」


大人しく寝ろって政宗様にぎゅってされて。
政宗様のあったかさにすぐとろーんとなってしまった俺は、背中をとんとん叩かれるのに身を任せてすぐに目ぇを閉じてしまいました。







「政宗様、真樹緒の薬を、」
「ブモッ。」
「あぁ?お前ら何してんだ。」
「(ふるふる)」


何?
政宗様が真樹緒と床に入られてるだと?


「(こくん)」
「ブモッ。」
「全くあの方は…」


襖を少し開けてみると、幸せそうに眠る主と真樹緒の姿が見えた。
あれ程感冒がうつらぬようにご注意を申し上げましたのにと息が漏れるが、目の前に広がる光景は想定内といえば想定内だ。
やはりかと息が漏れる。


この分だと再び起きるのは夕刻ぐらいか。
真樹緒の顔色も良いようだ、夕餉には何か口に入れることが出来るだろう。
く、と喉を鳴らし真樹緒の忍と、その忍の髪の毛に埋もれる子鴨を振り返る。


「てめぇら、少し手伝え。」
「?」
「ぶも?」
「夕餉の準備だ。」


腕を振るうぞ。
真樹緒のために滋養のよいものを。
まずは畑で野菜の収穫からだ。


「(こくん)」
「ブモッ。」
「いい返事だ。」



一人と一匹が頷いたのを確かめて小十郎は静かに襖を閉めた。

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「Q」にて頂きました「キネマ主が風邪をひいて筆頭が看病する」でした!
前半キネマ主がいつも以上にしゃべり方が緩いのは熱が出てたからです。
ぼーっとしてたからです。


キネマ主の熱にわたわたと慌てて大騒ぎする筆頭も大変好みなのですが、今回はキネマ主を「大丈夫だ」と励ます筆頭で書かせてもらいました。


この後筆頭はベタにキネマ主の風邪がうつり、キネマ主に看病されます。
ブモ子とこーちゃんにも看病されます。
こじゅさんには呆れられます。
看病がよく分からないキネマ主はこじゅさんに「やられて嬉しかった事をしてさしあげろ」とアドバイスを貰い、ひとしきり筆頭の頭を撫でて、筆頭を腕枕して、一緒に寝てればいいと思う。


「Q」にてコメント下さった方に感謝をこめまして!
ありがとうございました!


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