「こじゅさーん。」 「どうした。」 「田んぼに何かおるよー。」
こんにちはー。 真樹緒ですー。 今日はなー、こじゅさんと一緒に畑に行ってな、草引きとか水遣りとかお手伝いしてるんやで!
あ、政宗様? 政宗様はお城の一番上のお部屋でお仕事やねん! さっきまで一緒におったんやけど、俺がおったら政宗様よそ見すんねんなー。 よそ見してな、俺にくっついてくるねん。 べちょって!
うん? のしっかな? 俺が畳の上を転がってたらのっかってくるねんよー。 ほんでな、ずーっと二人でそのまんま遊んでもうてたら襖がスッパーンと開いてやぁ。
「政宗様。」
ジャックナイフなこじゅさんがご登場しました! 簡単にぺそっと政宗様からはがされてもうたん。
「真樹緒をお借りします。」って。 「政宗様の手が進みませんようなので」って。 こーちゃんを見張りに置いてな、俺はこじゅさんにだっこされて畑までやってきた訳です。
「shit!!」
政宗様が叫んどったけど、これ実はもう数えきれへんくらいおんなじ事やってんねんなー。 何度やったら懲りられるのか、ってこじゅさんため息ついとったよ。 うーん。 俺も一緒になって遊んでたから頷くんはちょびっと複雑。
「でも政宗様お仕事ちゃんとやってるねんで?」
よそ見が多いかもしれへんけどな! がんばってるで! 笑いながらこじゅさんと一緒に草引きしながら話てたんやけどな(こじゅさんはちょびっと困ったような顔しとったけど)畑の近くに広がってる田んぼを見たとき、何かばしゃばしゃって音がしたん。 ほんで何やろうと思ってこじゅさんにゆうてみたんやけど。
「なぁなぁ、ちょっと田んぼ行ってきてもええ?」
俺の指さした方を見てこじゅさんが首をかしげた。 蛙でもいたか、って目を凝らしてくれたけど見えへんかったみたい。 大丈夫! 俺がちゃんと確かめてきますー!!
「落ちるなよ。」 「落ちへんよ!」
失礼しちゃうわ! もーう、こじゅさん心配症なんやから! いくらなんでも田んぼに落ちたりせぇへんよ! 失礼しちゃうわ!!
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