「ごめーんください、めんくださいー。」
うどんを一杯くださいなー。
どーもー。 今日は朝から雨降りで、一歩もお城のお外に出れないじめじめな真樹緒君ですよー。 あ、俺がじめじめしてる訳ちゃうで。 お外がじめじめしてるねんで! せやから畑のお手伝いも厩のお手伝いも出来ひんくんって、お部屋で歌うたいながらごろっとしてる訳です。
「ごめんなさいね、お客さんー。」
うどんも色々ありましてー。
あーあ! 政宗様に傘借りて、雨のお庭探検に出かけようかなー。 でも雨の日に下に下りたら政宗様が心配するねんなー。 別に大丈夫やのにやぁ。 今やったら紫陽花綺麗やし、見に行ってみよーかなー。
「どんなうどんに、しましょーおーかーぁ、」
う、う、う、う、うどん。 はい、
「(トントン)」 「う?」
あぁー!! こーちゃん!!
ごめんください、麺くださいが佳境に入ったところでこーちゃんが颯爽と天井裏から現れました。 これからめくるめく麺の世界やってんけど。
「およ?」
あれ、こーちゃん。 ちょびっと前髪濡れとるよ? もしかしてお外おった? こーちゃんの素敵な髪が濡れてるやんー。
「ほらほら、こーちゃんこっちおいでー。」 「?」 「髪ふくよー。」
ごめんください麺下さい歌ってる場合ちゃうかった! こーちゃん風邪ひいてまうやん! ほらほらおいでー。
「(ぺこり)」 「はいふくよー。」
畳の上で正座してるこーちゃんの頭をぐしぐし。 丁度頭をこっち向けてぺこっとしてくれてるからふきやすい!!
綺麗にふいとこな! はい、ぐしぐし。
「でも、こーちゃん、この雨の中外で何してたん?」
お仕事何も頼んでへんかったやろう? ちょびっと肌寒いし、ちゃんと温まりやぁ。 ばふっと上に着てた着物をこーちゃんに被せた。
サイズが合わんとか言うたらあかんよ。 しゃあないやん。 こーちゃんも素敵筋肉なんやもん。
「(ずいっ)」 「ん?」
首傾げたらやぁ、こーちゃんが懐から何や紙を取り出しました!
うん? これはもしや!!
「お手紙?」 「(こくん)」 「!!」
またまた届きました! 俺へのお手紙ですー!! 早速こーちゃん一緒に読むよー! はいはい、はよう頭拭いてまおうな!
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