「なんだ?」って覗き込んでくる政宗様にへらっと笑う。
あんな。 一番思いついたで!
「こじゅさんがな、こーやって手ぇ伸ばしてくれるん。」
俺が畑行ったりした時にやぁ。 「真樹緒」って名前呼びながらな。 「ほらつかまれ」って笑いながらな。
こじゅさんの大きくてごつい手ぇが俺の手ぇをそおっと、でもしっかり持ってくれるねん。 多分こじゅさんは何となしに伸ばしてくれてるんやと思うんやけど、俺はそれが一番嬉しい。 思わずへへーって笑ってしまうん。 やからその手ぇを伸ばしてくれる仕種が一番好きってゆうたら。
「妬けるな。」 「んん?」
何かちっちゃい声で政宗様が呟いて。
う? 聞き取れやんかったんやけど何やったんやろう。 首かしげてたら政宗様が突然がばちょって俺に覆いかぶさった。
「わぁ!」
もーう! 何なん政宗様! さっきまで仰向けになってたんちゃうんー。 政宗様が聞いたんやんかぁ。 お腹重たいんー。 どいてー。
「冥利だな、小十郎。」 「え?」
こじゅさん? どこにこじゅさん? 政宗様の胸をつっぱってた手を止めて見上げたら、政宗様の目ぇは廊下で。
うん? 廊下? でも静かやで? 誰かおる様子や無いで? ほんまにこじゅさんおるん?って政宗様をじぃーっと見てたらおもしろそうに政宗様が笑って。
「入って来い、」 「こじゅさん?」
政宗様が呼んでちょっとしてから、障子がすーって開いた。 すーって開いてなんとそこには政宗様が言うた通りにこじゅさんが姿勢正しく座っていました!!
おおお!! おった! ほんまにおった!
「うん?」
でも何やこじゅさん頬っぺた赤くない? 眉間に皺寄ってない? ぬん?
「…失礼致します…」
「くく…入ってくるtimingがつかめなかったか?」
「政宗様、」
楽しそうな政宗様と、ちょびっとばつが悪そうなこじゅさんを見比べて俺はきょとん。
どないしたん? 二人して何のお話? てかこじゅさんいつからおったん? 入ってきてくれたらよかったのにやぁ。
起き上がってこじゅさんを見る。 ほんならこじゅさんが姿勢正しいまんまでな、
「真樹緒、」 「はーい?」
「もっと言葉に慎重になってくれ。」
「ぬ?」
そんでもって眉間に皴寄ったまんまでな。 俺の肩をがしりとつかんだんやけど。
うん? でもやっぱりちょびっと頬っぺた赤いよ?
「くくっ…」
そんでもってやっぱり政宗様は楽しそうでした! ほんま二人ともどうしたん!
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ストレートなキネマ主の物言いにうっかり照れてしまった右目。 物事をはっきり言う性格だとは思っていたけれどいざ自分の事を言われると思いのほか恥ずかしかったみたいです。
次は主従の好きなキネマ主の仕種編。
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