01



「そういえばこじゅさんのも聞かれてるねん。」
「Ah―?」


政宗様と一緒に畳の上でごろーんて寝転んでまったりしたてたんやけどな。
確かお手紙にはこじゅさんの事も書いてあったなぁ思て手紙を広げたん。
政宗様にも見えるよーにな!


ほら、さっき俺言うたやろう?
好きな仕種は何ですかーって聞かれとるって。
あれな、こじゅさんのも聞かれてるん。


ここ見てやー。
「政宗様と小十郎さんの好きな仕種は何ですか」って書いとるやん?


「ほぉ?」
「なー?」


見えた?
政宗様がお手紙見てちらっと俺を見た。


うん?
なん?


そんでから暫く廊下の方見て黙ってもうてなー。
どないしたん政宗様。
何かおった?


「、?」


は!!
まさかアイツ!?
噂のアイツ!?
俺の敵のアイツ!?
また出た!?


「真樹緒、」
「ぬ?」


どうしたん政宗様。
噂のアイツが出たんちがうのん?
ほら、あいつ。
バチバチ嫌な音出して飛ぶアイツ。
廊下にやぁ。


政宗様見たら「いねぇよ。」って笑われた。
ぬー?
ほんならどうしたんー。
足で政宗様の膝とんとん蹴ってじゃれる。


なになにどうしたんー。
政宗様もやりかえしてきたから笑いながらもっとじゃれる。
その足が捕まってもうたところで「で?」って政宗様が。


「うん?」
「何なんだ?」
「へぇ?」


何が?
政宗様がごろんと一回転、うつぶせになった。
頬杖ついて俺を見て「小十郎の事だ、」って。


ああ!!
こじゅさん!!
こじゅさんの好きな仕種?


「えぇーっとやぁ、」


いっぱいあるで?
こじゅさんが畑におるん見るんも好きやし。
手ぬぐい首に巻いてるのも男前やんな!
俺の髪の毛くしゃってしてくれるんも気持ちええよ。
ご飯作ってくれてるとこ見てるんも好きやしー。


「一番好きなのは、って聞かれてんだろ。」
「ぬー…」


そっかー。
そうやんなー。
一番なぁ。


むー…


「あ!」
「Ah?」


あった!!
一番あった!



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