「Ah―?」
「やからな、俺が政宗様って呼ぶから振り向いて!」
「はぁ?」
腹の上の真樹緒に眉を上げれば同じことを繰り返された。 さっきまで転がっていた真樹緒を捕まえ何を企んでやがると頭を撫でたまでは良かったが、その真樹緒が突然「名前を呼ぶから振り向いて」と妙な事を。 早く早くと急かされて、起き上がれば背中を押されまた文机に逆戻りだ。
「真樹緒、」 「ほら前向いてやー。」
理由も聞かせず真樹緒は笑いながら。
おいこら真樹緒。 一体どういうつもりだ。 後ろを見ようとすれば「呼ぶまで向いたらあかんの!」とそれを許さない。
無理やりに前を向かされ、何なんだとため息をつけばそこで「まーさーむーねーさーまー。」と。 「あーそーぼー」とでも続きそうな間延びした声で名前を呼ばれた。
「だから一体何なんだ。」
そして真樹緒の言ったとおり振り向けば。
「それ!!それやねんー!!」
どれだ。
がばりと真樹緒が飛び込んできた。 もう一度聞くぞ。 だから一体何なんだ。
「ぬ?」 「…満足か?」 「ばっちし!!」
腕の中にちいせぇ体を閉じ込めて覗き込む。
てめぇ逃がさねぇぞ真樹緒。 どういうつもりか説明しやがれ。 けらけらと笑うお前はcuteだが、どうも腑に落ちねぇ。
ごつんと額を合わせ白状しろと笑う。 「かんにーん」と体を反らせた真樹緒をそのまま畳に倒し笑う。
「あ、これも好きやで?」
「Ah?」
「一緒にねっころがる時、政宗様いつも腕で頭支えてくれるやろう?」
俺が頭打たんよーに。 俺知ってんねんで!
「、」
思わず面食らった。
何の話だと聞けば「お手紙がきたん」だと。 「政宗様の仕種でどれが好き?って聞かれたん」だと。
「でも、いっぱいあって選ばれへんなぁ。」
笑いながら。
ああやはり。 お前に送られてくる手紙とやらはいつも俺を驚かせ、驚かせては俺を満たしていく。 どこまで。 お前はどこまで。
こんなところでうっかり感慨無量だこの野郎。
「真樹緒、」 「うん?なん?」 「kissしようぜ?」 「ぬぉ!?」
俺の下で暴れ出した真樹緒に逃がすかと腕に力を込めた。 うろたえる真樹緒の顔は少し赤い。 これまでにいくらも奪ったというのに、未だに慣れないお前は本当にcuteだと思う。
なぁ、真樹緒。 諦めろ。 てめぇの抵抗なんざ痛くも痒くもねぇ。
「ぬー!!」 「きかねぇなぁ。」 「きー!!」
余裕な感じがはらたつ!!
ばたばた好きなだけ暴れて力尽きた真樹緒の額に口付けた。 びくりと肩が揺れたが気にはならない。 照れているだけだ。
「真樹緒、」 「なん…」
こっちを向け。
上を向いた可愛らしい鼻にも口付ける。 今度は肩は揺れなかった。 それを良い事に唇を奪って。
「んぅ…」
柔らかい真樹緒のそれは温かい。 何度も何度も短く口付ける。 甘く息が上がった真樹緒の隙をついて少し深く食んだ。
「っふ、」
奥の方にいた小さな舌を探し出しちゅ、と音を立てれば俺の背を掴む手の力が強くなる。
大丈夫だ。 俺はここにいる。 頭を撫でて唇を離すと真樹緒が可愛らしく俺を睨んでいた。
「…政宗様っていつも突然や…」 「good timingの間違いだろ?」 「しらーん。」
Whew そんな顔をすると危ねぇぜ?
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キネマ主の好きな仕種、政宗様編でした! 楽しい! これすごく楽しい! キネマ主はマニアックなので、政宗様が頬杖ついているところとかも好きだったらよいかと思います。
次はこじゅさん編。 そして政宗様とこじゅさんが好きなキネマ主の仕種へと続きます。
「Q」にてコメント下さった方に感謝を込めまして!
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