03



カー君がなー、お手紙運んでくれたんやて!
政宗様に読んでもらったらなんとな。


『真樹緒君の好きな動物は何ですか?』
って。


……
………


ぬーん。


え、このタイミング?
このタイミングで聞く?
頭の中には鴨田さんがおって、目の前にはお馬さんらがおって、足元にはちまっこいカモさん達がおって、正面の政宗様の肩にはカー君が「ギャギャギャ」って鳴いているんやけど。


大事な事やからも一回言うで。
このタイミングで聞く?


ぬーん。


「ここじゃなきゃ、どのtimingで聞くんだ。」
「やぁーって。」


みんな見てるやん。
俺注目されてるやん。
一人だけとか選ばれへん雰囲気やん。
空気読んでぇや政宗様!!


ヒヒン
ブモッ
ガー
ギャギャギャ



「ほーらー。」


皆ゆうてんで!
政宗様空気読んでぇやぁゆうてるで!


「俺かよ。」
「政宗様やもんー。」


笑わんとって!
俺ほんまこまってるんやから!
皆好きやのに!!


ぶーって膨らんだら政宗様に頬っぺたつぶされた。
ぶにゅって潰された。
もーう!


「お前は動物に好かれてるからな。」
「こじゅさん!」


好かれてるんかなぁ?
皆寄ってきてくれるけどやぁ。
そういやちょびっと前は熊さんにも会ったなー。
どうしとるやろ熊さん。
あれ以来恐ろしくて森の熊さんは歌ってへんねんけど。


で?
「ぬ?」
「どの動物が好きなんだ。」
…話戻さんといてやー。


せーっかく熊さんな雰囲気やったのに。
さりげなくフェードアウトするかと思ったのに。
もー、こじゅさんー。
やから俺選べやんてゆうてるやん!
鴨田さんもお馬も鴨もカラスも全部好きやで!!


「ほぅ?」
「…ほんなら政宗様はどの子が好きなん。」


言うてみー。
この空気の中で言えるもんなら言うてみー。

鴨田さんのつぶらな瞳に見つめられて。
お馬の純粋な目で見つめられて。
小さな小鴨のキュートな目で見つめられて。
カー君のちょびっと怖い目で見つめられて。


「Ah―?」


じぃーっとゆっくり皆を見渡して政宗様が考え込んだ。


ほら!
どう!


俺の気持ち分かったやろ!!
ふふん!ってふんぞり返って政宗様見たらな、何かちょっとわろうてた。


「……ぬん?」


やぁ、ちょっとやないなぁ。
ニヤって。
うん、そおニヤって。


「どの子が好きねぇ…」
な、なん…
「政宗様、」


はーってこじゅさんが隣でため息吐いた。
程々になさいませってため息吐いた。


ええ、何。
こじゅさん何か呆れてる?
きょろって首曲げたら政宗様に手ぇ引っ張られて。


「う、お!」
「真樹緒。」
「……うぃ?」
「聞きたいか。」


…近い。
政宗様近い。
ちょっと待って、こんなとこで何なん。


あれやんこれ。
いつもの。
ちゅーする時の近さやん。


「聞きたいか?」
「え、う、あ…」


何そのフリ。
聞けって?
聞けってゆうとる?
でも何や聞いたら嫌な感じがするのは気のせいやろうか。


ブモッ


やんなぁ。
気のせいちゃうわなー、鴨田さん。
うん、よし。


「真樹緒、」


はい、せーの!


のーさんくす!!


逃げます。
めっさ走って逃げます。
鴨田さん落ちやんとってな。
思いっきり走ろうと思って腕振りかぶったんやけど。


させるか。
にょーー!!!


すぐさま政宗様につかまりました!!
何で!!


「まったく…」


ああああこじゅさん!
そんなイケメンため息吐いてやんと助けて!!
俺を助けて!!



「俺の好きな奴は」

!!!きーこーえーまーせーんー!!!

…ほぅ?

「なっ、ちょ!どこ触ってるん!!」


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動物さん達は番外編ではレギュラーです。
キネマ主は動物に好かれていればいいなぁと思います。

小太郎さんが出せなかったのが心残り(ぬーん)


「Q」にてキネマ主の好きな動物は何ですかと質問くださった方に感謝をこめまして!
ベタベタな回答ですみませぬ(汗)


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