02




「花ちゃーん、お水汲んで来たよー。」
「さすけ!!」
「花、薪はここでよいか。」
「ゆきむら!」


今日はな、ゆきむらとさすけがお社のそうじを手伝ってくれてんだ。
さすけはぴょーんって屋根のすす払いをびっくりするぐらい早くやっちまうし。
まき割りをゆきむらにたのんだらすぐに沢山のまきをつくってくれた。


すげぇな二人とも!!
まだお昼まえなのにもうそうじが終わっちまう!!


「上の埃が落ちたところで、最後に雑巾がけねー。」

「ぞうきんがけ!」

「三人でやっちゃおっかー。」

「さんにん?」

「並んで雑巾がけにござる!」

「!!」


おもしろそうだ!


さすけがおれの着物にたすきをかけてな、じゅんびはばんたんだ!
ゆきむらとおそろいのはちまきもつけたぞ!
しょうぶの時につけるんだって。
ぞうきんがけしょうぶだ!!


「勝者は花ちゃんだっこしてお昼寝ね、旦那。」

「いいだろう俺は負けん!!」

「きゅ?」


あれ?
さすけとゆきむらのしょうぶなのか?
おれは?
おれもしょうぶしてぇぞ。


「花ちゃんが勝ったら「佐助大好き」って言って俺様に口付けね。」

「きゅ?」

佐助。


きゅう?
ゆきむら?
何かちょっとこわいぞ?
いつもの笑ってるゆきむらじゃねぇな?
どうした、ってゆきむらをのぞいたら「大丈夫でござるよ」って頭をなでられた。


「佐助。」
「なぁに、旦那怖い顔―。」
「完膚無きまでに叩き潰してくれる。」
「あっれ、旦那本気?」


そうこなくちゃぁ!
なんてさすけが笑ってな。


あれ?
三人でぞうきんがけするんだろ?
何かさすけとゆきむらがものすげぇ速さでろうか走っていっちまったんだけど。


きゅう…
おれもぞうきんがけしてぇぞ。
耳をぴくぴく、しっぽをぎゅって手でつかんで二人のとこにいこうとしたらな。


「まこと、阿呆共よな。」
「きゅ!?」
「息災か、花。」
「かみさま!!」


なんと!
なんとな!!
かみさまがろうかに立ってたんだ!!


かみさま!
走っていったらだっこしてくれたんだぞ!
きゅうって鳴いたら耳と耳のあいだをぐりぐりされた。


きもちいい!


「お久しぶりです。」
「こまさん!!」


かみさまといっしょにな、こまさんもいた。
ひさしぶりだなこまさん!!


しっぽを振って頭をぺこん。
お元気でなによりです、って同じようにあたまをぺこんってしてくれる。
こまさんはれいぎただしいな!


「ああー!!あんたまた来たの!?」
「元就殿ではござらんか!!」
「さすけ!ゆきむら!」


やっとこっちむいたな二人とも!!
けんかはだめたって言ってるじゃねぇかいつも!
かみさまにだっこされたまま怒ると「ごめーんね!」ってさすけが飛んできて、「すまぬな」ってゆきむらも笑った。


よし!
お社でけんかなんて本当にだめなんだからな!



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