03




「何、花の姿絵が!?」
「そーそー、俺様もびっくりしちゃってさー。」
「みてくれゆきむら!!」


あのな!
さすけと一緒にゆきむらの家にいったらな、しのびでもねぇのにゆきむらが空からふってきたんだ!
すげぇんだぞ!
大きな音がしてな、気がついたらゆきむらが土にうまってた。


だいじょうぶかー?ってきいたら「何のこれしき!」っておき上がったからだいじょうぶみてぇだ。
よかったぞ!


「花、俺にも見せてくれるか。」
「もちろんだ!」


見てくれゆきむら!
すっげぇきれいにかいてくれてんだぞ。
いつかいてくれたんだろうなぁ?
かみさまが今朝くれたんだ。
ぺろってもらった絵をゆきむらに見せた。


「なぁ、なぁ、ゆきむら。」


どうだ?
ちゃんと見てくれよ?
それ、おれなんだ!
そっくりだろう?


っ…!!!!
「きゅ?」


ゆきむら?
どうしたんだ?
絵をもったゆきむらをのぞきこんだら、ゆきむらがぷるぷるふるえてた。


あれ?
ゆきむら?


「ゆき…」

っ可愛いでござらぁぁぁぁぁ!!!

きゅーーっ!!


耳が…!
耳が…!!


「花ちゃん…!!」


さすけが耳をふさいでくれたけど、まにあってねぇ…!!


なんてでけぇ声なんだゆきむら!
おまえちょっと落ちつけ!
耳がとれるかと思ったぞ!
けいじとおんなじじゃねぇか!!


「みみが…」

「ちょ、旦那!花ちゃん普通より耳がいいんだよ何て事すんの!!」

「すっすまぬ!!」


ぐわんぐわん頭がまわって目もまわる。
足がふらついてとこでさすけに受けとめられた。
ありがとうな、さすけ。
おれしばらく立てそうにねぇぞ。


「きゅう…」

「だ、大丈夫か花…」

「ゆきむら…」

「もー旦那、花ちゃんが可愛いのは分かるけどさー…」

「!そうだ佐助!その姿絵は一体、」


さすけにだっこされながら耳をさすってたら、おれの前でゆきむらが絵をひらく。


だからさっき言ったじゃねぇか!
かみさまからもらったんだ!
おれの絵をかいてくれたんだって!
すげぇうれしかったんだぞ!


「そっくりにござる。」
「きゅう…」


ゆきむらがおれの頭をぐりぐりなでた。


さすけよりちょっと強めのなで方はけっこうおれのお気にいりだ。
きもちいいんだぞ。


「誠にに素晴らしい出来よ!」


ゆきむらも喜んでるし、みせにきてよかったなぁ。


きゅー。
うれしくってしっぽも動いちまう。
ありがとな!
ゆきむら!


「花!これは是非お館様にも見ていただこうぞ!」

「う?」


おやかたさま?
だれだ?


「俺様達の大将だよ。」

「たいしょ?」

「お館様も日ごろから花に会いたいと申しておられた。」


まだ道場におられるはず!
ゆくぞ花!!
ゆきむらはそう言っておもいきり走りだした。


「きゅう!!?」

あっ!そうだ旦那!さっきの轟音の理由まだ聞いてないよ!

ぐっ!!


おれをかかえて走り出したゆきむらはすげぇ速さだ。
それを追いかけるさすけはもっとすげぇ速さだ。
ゆきむらがちょっとさすけから逃げてんのは気のせいか?
すげぇ速さの中、がんばってつかまってんだけどな。


でも。
でも。
やっぱりはやすぎっぞ!!



きゅぅぅぅぅぅぅ!!!

「急ぐでござるよ花!!!」

え、もしかしてちょっと花ちゃん締まってる?


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素敵な稲荷のイラストを下さった方々に感謝を込めて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!
改めてブログにてお礼をばさせていただきますが、こちらで取り急ぎ(汗)


お館様は本編で出ていないのでここでは名前のみの出演です(汗)
中途半端ですみませぬ(汗)


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