01




「…まーさーむーねーさーまー。」
「Ah―?」
「あーそーぼー。」
「Ah―、」


「……、」


みなさんこんにちはー。
真樹緒ですー。


今日はな、政宗様がちょびっとおかしいですよ。
様子が変ですよ。
やってな、俺が呼んでもこっちむいてくれへんの。


朝起きてー、ご飯食べるまではいつも通り政宗様といちゃいちゃしててんけどな、その後こじゅさんがやってきて政宗様に何か渡したん。
ぺらぺらの紙やったけど、政宗様それ受け取ってからずぅーっとそればっかり見てんねんで!!
どう思う!!


「まーさーむーねーさーまー。」
「Hm――、」


ほら!!
ほらな!!
どう思う!!


「もー…」


何かそれ見ながら楽しげやし、お仕事やなさそうやねんで。
せやのに俺の相手してくれへんの。
政宗様のお膝に頭乗せてごろごろ転がってるんやけどなー、こっち見てくれませんよ政宗様。


「もー…」


ほんまそれ何なん!
俺より大事なん!!
お仕事ちゃうのに!!


政宗様がその気やったら俺にも考えがあるんやからなー。
最終兵器こじゅさん!!
こじゅさん呼んだるねん!


こじゅんさん呼んで政宗様の前でいちゃいちゃしたるから!!
政宗様が呼んでも返事したれへんしぃー。
遊んだれへんしぃー。


「ぷーんやしぃー。」


俺ちょびっと怒ってるよ!
政宗様からくっついてきたのに!!
もうほんまに何見てるん!!
がばって起き上がって政宗様からぺらぺらの紙を奪取!!


「真樹緒!?」
「げっとー!!」


目をぱっちり開いた政宗様に「べー」って舌を出して。
一体何見てたん、って寝転びながらその紙開いたらな。


何と!!
何と!!


「俺やんー!!」


俺の絵!!
しかもあれやで。
もさ耳がついたときの俺!
あの時一日でもさ耳戻ってしもうたのに、何でこんなんあるん!!


「shit、」


ばれたか、って笑う政宗様はめっさ楽しそう。
ぬぬー?
政宗様、何したん。
いつの間にこんなん描いたん。


「絵師にconnectionがあってな。」
「こねくしょん…」


じぃってその絵を見てたらな、政宗様が横に転がってきた。
畳に絵を広げてそっくりやねぇって笑う。
でも何でぇ?
もさ耳そんなに気に入ってたん?


「cuteだったじゃねぇか。」


せめて絵で残していてもいいだろう。
ぐりぐりと髪の毛を混ぜられた。


もーう!
そないしてももうもさ耳はありませんよ!!
こちょばいだけ!!


「これ、俺上見てるん?」
「俺が呼んだ時、よくこんな顔をするだろう。」
「ああ!」


そっか!
これ政宗様目線!


やって政宗様の方が背ぇ高いから呼ばれたら見上げやなあかんねんもん。
ふふー。
なるほどー。


「あ、」
「真樹緒?」


でも俺の絵やったらさぁ。
そんな政宗様一人で見やんと俺に見せてくれてもよかったやーん。


もさ耳記念!!
俺のもさ耳記念!!


「Ah―、真樹緒が嫌がるかと思ってな、」
「なんでー。」
「猫じゃねぇんだろ?」


あー。
せやけど戻ったし!!


嫌な訳無いやん!
俺、めっさ嬉しい!
ちょびっと恥ずかしいけどな!!
政宗様やったらええよ!!
こじゅさんとおシゲちゃんにも見せてええよ!


No、成実は駄目だ。
「…えー…」


何で。
何でおシゲちゃんあかんの。
この前、俺の絵見て可愛いね、って言うてくれたで?


「この絵は俺の物だからな。」


見せねぇ、ってニヤリ笑った政宗様は何かちょっとえろくて背中がぞくぞくしました!
格好よかったんやけどな!


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