02




でな、こじゅさんと一緒に政宗様のお部屋に来た訳です。


「政宗様―!!」


真樹緒君が来ましたよー!!
ちょっと物申しますよー!!
こじゅさん困らせたらあかんやーん!!
スッパーンって襖を開いたら「待ってたぜ!」って政宗様に腕を引っ張られました。


ちょーお!!
俺の話聞いてたー?
物申してんのにー。
ちゃんと聞いてえや!


「それどころじゃねぇ。」
「ん?」
「支度するぞ。」
「支度?」


何の支度?
どっか行くん?
これから?
いくら何でも急やない?


てか、政宗様なんかテンション高い!


「客が来る。」
「ぬ?」


別にどこにも行かねぇよ、って政宗様は俺の着物を引っぺがしました!


何!
さぶい!!
ちょうさぶい!!


やめてぇやーって震えたらこじゅさんが火鉢を焚いてくれた。
おおー!!
じわじわあったかい。
こじゅさんありがと!!


で?
お客さんて?


「絵師だ。」
「絵師さん?」
「お前の姿絵を描きにな。」
「!!」


だからめかし込むぞ、って笑う政宗様は上機嫌ですよ。


絵師ってあれやんなぁ?
絵描きさん。
しかも政宗様やなくて俺?
ええの俺で。
ほんまは政宗様ちがうのん?


「お前の姿絵だ、真樹緒。」


まじで。
俺かー。
俺の絵かー。


……
………


まじで!!!


「色は浅縹だな。」
「あさだはなだ?」


何、その売れへん芸人のコンビ名みたいな名前。


どっちが突っ込みやろうあさだはなだ。
俺的には多分はなだの方がボケやと思う。
や、何となく。
あさだはきっとインテリっぽい突っ込みやで。
や、何となく。


「「あさきはなだ」だ、真樹緒。」
「む?」


あれ?
芸人違うかった?
あさだはなだ。
ちげぇよ、って頭を小突かれて政宗様が着物を広げる。


「おら、腕上げろ。」
「うい。」


ちょっとあさだはなだに気ぃ取られてたらばさっと着物を着せられた。


うん?
さっき俺が着てたやつと違う。
水色でちょっと上等な感じ!
着心地も抜群で、多分きっと高級品やでこれー。
袖とおされて帯も巻かれる。
政宗様は着付けもできるんやなぁ。
すごい!


「似合うぜ?」
「…ありがとー」


政宗様ににこって笑われてちょっとどきどき。


そお?
にあう?
恥ずかしー。


頬っぺたが熱くなって、もにもにそこを擦りながらうつむいて。
つむじに視線を感じだからちらって見上げてみたら政宗様がまだ笑ってた。


ううう。
あの顔はあかーん。
きゅうってなる笑い方や。
ずっと見てたら心臓ばくばくなる笑い方や!


「…ぬーん…」


やから目をまた下に戻した。
あんな。
この着物の色がな、あさだはなだなんやって。
薄い水色ですごい綺麗なん。
ちょっと政宗様っぽいなぁって思った。


「真樹緒、」
「んん?」
「後でpresentがある。」


楽しみにしとけ、って。
政宗様が俺の額にちゅうした。


「っあわ!!」


もうーーー!!
ちょっと隙があったらちゅうするんやから!!


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -