「真樹緒、政宗様がお呼びだ。」
お城のお台所で女中さんのお手伝いをしてたらこじゅさんがやってきました。 真樹緒ですー。
今日の煮物は最高に美味しいで! サトイモ剥いたご褒美に、味見させてもろうたん。 ぴりっと辛いのは山椒をかけてるからやねんて! ご飯がご飯がススム君やでー。 今夜が楽しみですー。
そんなふうにサトイモ口に入れた時にこじゅさんがやってきたん。 もごって口いっぱいサトイモやったから「なーん?」って首だけ傾げたらどうやら政宗様が呼んでるらしいよ。
「もご…政宗様?」
何やろー? 俺が色々お手伝いしてる時間にはあんまり呼べへんのに政宗様。 急ぎのご用? おやつには、まだ早いしやぁ。 って、
「政宗様、お仕事中やないん?」
そうそう。 この時間って政宗様、朝から道場に行ってお風呂入ってさぁお仕事しましょうか、って時間やなかったけ? 首をかしげてみせたらこじゅさんが重たーいため息をつきました。
おお。 これはもしかして。 もしかして最近常習になってきたとうわさの。
「………さぼり?」 「…、」
まじで。
ああああこじゅさん! そんな気ぃ落とさんとって!! しょんぼりせんとって! 遠くを見つめんとって!
こじゅさんは頑張っとるよ、大丈夫やよえらいよ。 こじゅさんの背中をぽんぽん叩いた。
政宗様はやぁ、ほら。 動いとる方が好きやん? なんせ、れっつぱーりーやん? しゃあないて。
「こじゅさん、ほら元気だしてぇな。」
こじゅさんの頭撫でよう思うたんやけど、届かんかったから頬っぺたをぺちぺち。
大丈夫やから。 俺ががつん!と言うたるから! ほら! 政宗様んとこ行こう?
「真樹緒…」
ありがとうな、ってこじゅさんが笑う。 ちょびっと元気が出たみたいです! よかったー。
「へへー。」
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