もしかして政宗様とこじゅさんも…
「Ha!敵前逃亡たぁ、いい度胸じゃねぇか…!」 「燃えとるで、政宗様。」 「無事か真樹緒。」 「こじゅさんも焦げとる焦げとる。」
しっかりしてぇな。 顔すすだらけやで。 真っ黒やで。 髪の毛ぼっさぼさやで。
「ねぇちょっとアンタら。」
「Ah?」
「今日は可愛い花ちゃんに免じて見逃してあげる。」
「アァ!?」
こらこら迷彩さん。 そんな事言うたらアカンよ。 逆効果やよ。 二人とも怒らせたら実は怖いねんで…!!
「あれ聞こえなかった?可 愛 い 花 ち ゃ ん に 免 じ て 見逃してあげる。」
「てめぇ…!!!」
「Ha!!まだ分かってねぇのか真樹緒が一番cuteだって言ってんだろうが…!」
あれまたこの展開? 俺の癒しは赤い人の懐で何か頭なでられとるし、ちょっと居づらいんやけど!!
また刀構えてもうたやん。 どないしよう。 普段は止めてくれるこじゅさんも今はめっさ怒っとる感じやし。
うん? 俺が止めるん?
……無理!
やって政宗様刀六本抜いてるよ。 三本づつもってんねんで。
………無理!!! これはもう花ちゃんに助けてもらうしかないかなぁって花ちゃんの方を見たら。
「だんごうまいぞゆきむら!」 「花は可愛いでござるなぁ。」
団子食べてました! めっさ団子食べてました! 軽く餌付けされてました! うっわぁ花ちゃん戻ってきて!
「ふん!こっちには最終兵器があるんだからね!」
「最終兵器だぁ?」
「ちょっと旦那!花ちゃん連れてこっちきて!!」
「うぬ?」
食べとる。 赤い人も食べとるよ団子。
てか最終兵器って何やろう。 燃えたり飛んだりするよりももっとすごい事やろうか。 ちょっとどきどきするやん。
「花ちゃん!」
迷彩さんが花ちゃんを俺らの前にずずいっと差し出した。
おお? 最終兵器って花ちゃんの事? でも花ちゃん首傾げとるよ? 分かってへん感じよ?
「さすけ?」 「いくよー…はい、くるん!!」 「!!くるん!!」
え? 花ちゃん条件反射?
くるんって。 くるんって……!!
「超可愛い…!!!」 「当然にござる!」 「花ちゃんのくるんは殺人級だからね!!」
ほーらどう? って毛玉になった花ちゃんを手乗りさせてる迷彩さんはめっさ得意げでした。
でも可愛い! 可愛い毛玉!! なぁ!って政宗様とこじゅさんを見上げたら「く…っ!」って唇を噛み締めとる。
ああもうほら素直になったらええんに! 可愛いやん! な?って着物引っ張ったら「真樹緒」って肩をがっしりつかまれました。
何!? 何なん嫌な予感! ものそい肩痛いんやけど。 やけに真剣な顔なんやけど。 ちょっと離してぇな二人とも!
「え…なん…」
「死ぬ気になれば人間何だってできるんだよなぁ、honey?」
「いるのは覚悟と度胸だ真樹緒。」
えー何。 それってまさか花ちゃんが今やったあれを俺にやれって言っとる? 人間誰しも無理なもんはあるんやで。 あれは花ちゃんやから可愛いねんて。
てか二人とも俺の目ぇ見てんか。 そんな恐ろしげな目で迷彩さんと赤い人睨まんとってぇな。 俺が怖い。
「真樹緒。」 「honey」 「…う……」
何この圧力! そんな声で言われたって俺体硬いもん。 花ちゃん見たいにくるんて出来る訳ないやんか。
ちらりって二人を見上げたらくろーい笑顔で迷彩さんと赤い人とアイコンタクト中でした! あかん。 嫌も言わせてもらわれへん…!
「…うー…」
しゃぁないなぁってため息ついて。 でも俺ほんまに体硬いねんで。
「……ほんならいきまーす…」
どないしよーかって思いながらしゃがんで。 お?って皆がこっちみたのが分かった。
いやいや。 そんな大層な事せぇへんて。 ほんましゃあなしやねんでこれ。 どっこいしょって両手を地面にくっつけた。
はい。
「くるんー」
でんぐり返り。
え、何? そんな目ぇで見やんといてぇな。 これも立派なくるんやで…!
何やったら後ろ周りもやろか? 逆立ちはできひんけどでんぐり返りやったらできるもん。
「…ってめぇら見たか!!」
「これでも真樹緒がcuteじゃねぇって言う気かぁ!?」
「く…っ!中々やるじゃない!」
「油断大敵にござる…!」
…… ………
そうくる?
「……えー…?」 「まきお?」 「……花ちゃん…」 「きゅ?」
「もうあんなんほっといて一緒に昼寝とかせぇへん?」 「ひるね!する!!」
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以上! 「Q」にて頂いたコメント、キネマ主と稲荷主で対談(た、対談になってない…!/汗)保護者含むでした。 日輪が出せなかったのが心残りです。
コメント下さった匿名希望様に感謝をこめまして!
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