01




窓の外でしとしとと雪が降って真夜中。
奥州の冬は寒い。
もう、ほんま寒いったら寒い!!


「ぅーううう…」


こんばんは真樹緒です。


あんな、布団はちゃんとあるねんよ。
ふっかふかのな。
でも寒いねん。
この部屋やたら寒いねん!!!


お昼はそんな事ないんやけど、夜は冷える。
ほんま冷える。
ちょっとでもぬくもろう思て体をエビさんにして丸まってみるんやけど無理!
エビになったところで寒いもんは寒い。
もうちょっと丸まって小エビになっても寒い。


「…さぶい…」


これな、絶対部屋の広さも関係あると思うん。
俺が使わしてもろうてる部屋はな、めっさ広くてやぁ。
俺の荷物なんか鞄一個やのに見渡せるほどの大部屋です皆さん。
タンスやら机やらを政宗様は揃えてくれたんやけど、それを置いてもやっぱり広いん。
俺そんな部屋の真ん中で寝てるんやで…!!
毎日自分がミクロになった気分!!


ちょっと広すぎて何や意味無くどきどきしてなー、この前タンスと机の隙間に寝たんやけどな、どうも部屋の入り口?から見えやんかったらしくて。
起こしに来たこじゅさんに怒られてもたん。


…俺がちっちゃいからやないよ。
ほら、タンスと机の隙間って見えにくいやん。
な?


「……真樹緒、」
「…ぅい。」
小せぇくせに小さくなって隠れるな。


見えねぇ。
真剣な顔で言われました。
ちょびっと怖かったです。


「えー…」


隠れてた訳ちゃうんやけどな!!
そんぐらいこの部屋広いねん!
やからなぁ、何か余計寒い気ぃするんよ。
別に風が入ってくるとかやないんやけど、こう気持ち的に。
ああこじゅさんの素敵筋肉が恋しい…!!


「……、」


ええ?
うん、素敵筋肉やん素敵筋肉。
ほらこじゅさんの筋肉めっさぬくかったやろう?
あれな、ぺそってくっついて寝たら至福やで…!
こうとろーんてなるってゆうん?


ああ…あかん。
こじゅさんの筋肉の事考えてたらもうそれしか考えられへん。


……
………


……行っちゃう?


やぁ、こじゅさんの部屋俺の部屋から結構近いねん。
俺でも迷わんといけるんよ。
ちょびっと寒いの我慢して歩いたら素敵なこじゅさんの筋肉が俺を待ってるねん。


「……よし。」


頑張れ俺。
寒い奥州の冬を乗り切るにはこじゅさんの素敵筋肉にくっつくしかない。


気合を入れて立ち上がる。
や、寒いから布団には包まってるよ。
このまま行くよ。
この前天井におる忍者さんにびくっとされたよ。


いもむしとか言わんとって。
寒いねんから!!


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