「っどう!!花ちゃんの可愛さ分かった!?」
「っ真樹緒のcuteさ舐めてんじゃねぇぞ!!」
「花が可愛いでござるぅぅぅぅぅぅ!!!」
「うちの真樹緒のどこが可愛くねぇのか言ってみやがれ…!」
今日も今日とて真樹緒が「花ちゃんとこ行ってくるー」と城を抜け出した。 花といえば例の稲荷で、そいつのところに行くっつー事はそこにあいつらもいるという事だ。 あの煩ぇ赤いのと、胡散臭い忍がなぁ。 後を追ってみれば案の定だこの野郎。
「見たでしょ今の!前ならえ!何の事か訳わかんないけど超可愛い!」
「Ah―?あのきょろきょろする真樹緒を見てもそんな事言えんのかぁ!?」
小さな社についてみれば、あの稲荷と真樹緒がのほほんと茶をすすっていた。 近くの草むらに身を潜め辺りを窺う。 何だあいつらはいねぇのかと息を吐けばすぐ横に暑苦しい気配が二つ。 Ah―n、いやがった。
「花がぴゅーぴゅーしてるでござらぁぁぁぁ!」
「旦那はうっさい!花ちゃんに気づかれるでしょ!!」
それでも真樹緒に手を出す気配がねぇなら放っといてもいいかと真樹緒に目を戻せば、何だか分からねぇけったいな踊りを稲荷と二人、踊っていやがった。 何だ。 ぺこりんこって何だお前どういうつもりだ真樹緒。
一体俺をどうしてぇんだ。 そのちっせぇ体捕まえて、嫌というほど撫で繰り回してやろうか。
「花ちゃんのえっへん見た!?俺様もう息止まりそう!!」
「真樹緒のぺこりんこで詰まってたのは何処のどいつだァ!!」
「某も花とやりたいでござるぅぅぅぅ!!!」
「気づかれるっつってんだろうがてめぇぇぇ!!」
小十郎、てめぇも大概声がでけぇぞ。 ここはcoolに行こうぜ。
「…政宗殿も声がでかいでござる。」 「Ah―――n?」
てめぇ、真田幸村いい度胸だ。 俺に意見だとこの稲荷馬鹿が。 ここで決着つけてもいいんだぜぇ?
「!お相手いたす!!」
「政宗様。」
「Ha!真樹緒のcuteさを教えてやれるchanceだ。控えてろ小十郎。」
「いえ、そうではなく。」
「ちょ、旦那もそんな事してる場合じゃない感じ!!」
「ぬぅ?」
「真樹緒がおりません。」 「花ちゃんがいない。」
…… ………
「っ真樹緒!!」 「っ花!!!」
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