「花ちゃーーーん!!」 「きゅ?」 「ああ、こんなとこにおったん。」 「まきお!!」
どうしたんだ?ってゆう花ちゃんだっこして頬ずりする。 こんにちは。 真樹緒です。
今日はね、ちょっとした座談会なんですよ。 花ちゃんも俺もね、一休みしてちょっとお話しましょーねっていうお楽しみ会なんですよ。
「へー…ざだんかい…」
あれ? よう分かってへんね? そんな花ちゃんもかえらしぃで?
「そうそう、そんでお土産持って来てん。」 「おみやげ!!」 「じゃーん!もちもち甘々ずんだ餅−!」
政宗様のとこの名産?ずんだのお菓子ですよ!
目をキラッキラの花ちゃんはふさふさ尻尾をぴーん。 ふさふさお耳をぴーん。 おっ、ええ反応! 花ちゃん甘いの好きやもんねぇ。
「まきお、まきお!」 「はいはい。」 「食べよう!ずんだもち早く食べよう!!」
一杯あるからそない焦らんでもええよー。 このずんだ、政宗様おススメのめちゃ美味しい甘味屋さんのらしいから花ちゃんも絶対気に入ると思うねん。
ばりばり竹の皮の包みをむく。 花ちゃんを膝の上に乗せてばりばり。 我慢できへん花ちゃんの尻尾が俺の顔にあたるんやけど可愛いからええか! ぴっこぴっこ動いとる耳が可愛いからえっか!!
「まきお!早く!!」 「ほいほいただ今―」
べりべり包みを開いたら、素晴らしく綺麗な緑が現れました。 花ちゃんと二人「「ほー…」」なんて見惚れて。
「おいしそうやねぇ。」 「うまそうだ!!」
ほんなら早速食べますか! 竹の楊枝で突き刺して、一緒にいただきまーすって言うてたら。
「ちょ!花ちゃんこんなとこにいたー!!」
「社におらず心配したぞ花!」
「きゅ?」
「おぉ?」
誰? 何か赤い人とオレンジの人がやってきてなぁ。 え、ちょっとあの人槍持っとんねんけど。
「真樹緒!急に走り出すんじゃねぇよ!」 「政宗様が心配されていたぞ。」 「あ、政宗様とこじゅさん。」
そういえば途中まで一緒に来てたんやっけ。 花ちゃん見つけて思いっきり走ってもうたから、放ってきたんやった。 やぁやぁ堪忍。 俺、もう花ちゃんのふわふわもこもこに目ぇ釘付けやってん。
「Ah?誰だてめぇら。」 「真樹緒、こっちに来い。」
あぶねぇってこじゅさんに引き寄せられる。
おん? 別に何も危なく無いでぇ? 花ちゃん可愛いやん。
「そこの狐じゃねぇ。」 「う?」 「後ろの二人だ。」
二人? 二人ってあの赤い人とオレンジの人? 槍持ってる以外は結構許容範囲やけど、俺。 花ちゃんの知り合いやろうし。 うん、槍以外は。
「ちょっとー、うちの可愛い花ちゃんに狐なんて言わないでくれるー?」
「花は稲荷でござる。そこらの野狐と同じくしないで頂きたい。」
「Ah――?」
「てめぇら政宗様に何て口の利き方しやがる。」
あれ? 何この雰囲気。 俺、花ちゃんとのんびりずんだ餅食べに来ただけやねんけど。 座談会しにきただけやねんけど。
何でこんな殺伐とした空気にならなあかんの。
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