02




やぁ、やって政宗様お手紙ほしいんやろ?
やから俺が皆に頼んだんねんやんか。
俺に任せとったら大丈夫やで?
ばちん!ってウィンクしたら「両目閉じてるぞ」って政宗様に小突かれました。


おお…
俺としては完璧にウィンクしたつもりやってんけど…
何気に難しいねんか、ウィンク。


ほら、こう。
こう、な。
かたっぽだけ目ぇ閉じようとしたら顔引きつるねん。
侮れやんでウィンク。


「文が欲しい訳じゃねぇよ。」

「ぅい?」

「…政宗様、真樹緒にははっきり申しませんと。」


伝わらぬかと。
こじゅさんが何か真剣な顔です。


あれ?
そんな真剣な顔するような話してた?
ウィンクやろ?


文だ。
…おちゃめやん…


でもなん?
やっぱりお手紙やろう?
恥ずかしがらんでも大丈夫やのにって首傾げたら。


「…ハァ、」


おもいっきしため息吐かれました!!
今のすっごい重いため息やった!
何事!!


「真樹緒…」


こじゅさんにも気の毒そうな目で見つめられました。
本気か、と何か訴えられたような気まずさです!
何事!!


「何なんー…」


ぷーって膨れたら「気にするな」って政宗様が肩をすくめた。
見上げたらほらよってお手紙を返してくれる。
おおきに。


でもほんまにええの?
念を押したら「お前にまだ早い」とか言うて背中からぎゅってされました。


何。
何が早いん。
ウィンク?
でも頑張ったらできると思うんよウィンク。


「ちげぇよ。」
「でも難しいと思わん?」
「やってみろ。」
「いくでー…」


政宗様の膝の上で政宗様を見上げて準備おっけー。


いくで、いくで。
会心の一撃やで。
くらえ政宗様!!


ばっちん!
「…両方閉じたな。」
きゃぁぁぁぁ!!


ばっちんとか気合いれたのに恥ずかし!!
ちょびっと可愛こぶったのに恥ずかし!!


「cuteだぜ?」
「く、真に。」
ごじゅさんにも見られたぁぁぁぁぁ!!


もう絶対ウィンクなんかせーへんもんーーーー!!
政宗様の膝でじったばったじったばった。
顔から火が出るかもしれない真樹緒です!


もーういやや。
もーう知らんー。
つーん!!


「真樹緒。」
「つーんやし。」
「真樹緒。」
「ぷーんやし。」
「真樹緒、」
「むーんやし、ってお手紙!!」


政宗様が後ろからひらひらさせたのは俺へのお手紙やった。
ほら、今日もろうた分。
返して!!ってまた手ぇ伸ばしたら読んでやるよって、政宗様が開いてもうて。


ああー!
勝手に読まんといて!!


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