やぁ、やって政宗様お手紙ほしいんやろ? やから俺が皆に頼んだんねんやんか。 俺に任せとったら大丈夫やで? ばちん!ってウィンクしたら「両目閉じてるぞ」って政宗様に小突かれました。
おお… 俺としては完璧にウィンクしたつもりやってんけど… 何気に難しいねんか、ウィンク。
ほら、こう。 こう、な。 かたっぽだけ目ぇ閉じようとしたら顔引きつるねん。 侮れやんでウィンク。
「文が欲しい訳じゃねぇよ。」
「ぅい?」
「…政宗様、真樹緒にははっきり申しませんと。」
伝わらぬかと。 こじゅさんが何か真剣な顔です。
あれ? そんな真剣な顔するような話してた? ウィンクやろ?
「文だ。」 「…おちゃめやん…」
でもなん? やっぱりお手紙やろう? 恥ずかしがらんでも大丈夫やのにって首傾げたら。
「…ハァ、」
おもいっきしため息吐かれました!! 今のすっごい重いため息やった! 何事!!
「真樹緒…」
こじゅさんにも気の毒そうな目で見つめられました。 本気か、と何か訴えられたような気まずさです! 何事!!
「何なんー…」
ぷーって膨れたら「気にするな」って政宗様が肩をすくめた。 見上げたらほらよってお手紙を返してくれる。 おおきに。
でもほんまにええの? 念を押したら「お前にまだ早い」とか言うて背中からぎゅってされました。
何。 何が早いん。 ウィンク? でも頑張ったらできると思うんよウィンク。
「ちげぇよ。」 「でも難しいと思わん?」 「やってみろ。」 「いくでー…」
政宗様の膝の上で政宗様を見上げて準備おっけー。
いくで、いくで。 会心の一撃やで。 くらえ政宗様!!
「ばっちん!」 「…両方閉じたな。」 「きゃぁぁぁぁ!!」
ばっちんとか気合いれたのに恥ずかし!! ちょびっと可愛こぶったのに恥ずかし!!
「cuteだぜ?」 「く、真に。」 「ごじゅさんにも見られたぁぁぁぁぁ!!」
もう絶対ウィンクなんかせーへんもんーーーー!! 政宗様の膝でじったばったじったばった。 顔から火が出るかもしれない真樹緒です!
もーういやや。 もーう知らんー。 つーん!!
「真樹緒。」 「つーんやし。」 「真樹緒。」 「ぷーんやし。」 「真樹緒、」 「むーんやし、ってお手紙!!」
政宗様が後ろからひらひらさせたのは俺へのお手紙やった。 ほら、今日もろうた分。 返して!!ってまた手ぇ伸ばしたら読んでやるよって、政宗様が開いてもうて。
ああー! 勝手に読まんといて!!
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