「真樹緒、」 「なーんー?」 「お前に文が来てるぞ。」 「!!ほんま!?」
政宗様の部屋でな、字の練習をしとったらこじゅさんがお茶を持ってきてくれてな。 俺宛に届いたお手紙も持ってきてくれました! 真樹緒ですー。
ふふ。 最近な、いっぱいお手紙もろてな、俺幸せー。 全部大事に読んどるよ! 政宗様に貰ったお手紙どうやって置いとこーって相談したらすごい立派な文箱?お手紙箱をくれました!
絶対高いでこれ。 黒でな、漆でな、金で竹やぶ描かれてあんねん。 それにな、大事に全部入れとるから安心してな。 俺の宝物やで。
「おおきにーこじゅさん。」
そんで今日もお手紙届いたんやて。 嬉しいなぁ。 どれどれさっそく読ましてもらいましょー!!
「Ah―?どこのどいつからだぁ?」 「あぁ!返してぇな!!」
筆を置いて、お手紙めくってたらいつの間にか政宗様が背中に!! しかも俺のお手紙取ったんやで!
それはあかーん! いくら政宗様でもそれはあかんねんから…! 返して!って手ぇ伸ばしたら「おっと」って避けるん…! 政宗様避けるん!!
「ほーれ、どうした真樹緒。文はここにあるぜ?」
「きー!!!」
届かへんの知ってててやってんねんでこれ!! このイケメンむかつく! めっさむかつく!!
手ぇを伸ばしたまんまぴょんぴょん跳ねても届きません。 にやにやわろうてる政宗様がにくたらしー!!
見てこじゅさん! 政宗様意地悪やねん!! 何なん今日に限って!!
「真樹緒。」
「うん?」
「政宗様のあれは今日に限られたものじゃねぇ。」
「へ?」
お前に手紙が届く度、機嫌が悪くていらっしゃる。 ため息を吐いてこじゅさんが言うた。
ええ? 手紙? 何で手紙?
…… ………
「………政宗さまも手紙欲しかったん?」
俺ばっかり手紙もろて寂しかったん?
うわぁかんにん! ごめんなぁ政宗様…! 俺気ぃつかんかった…!! そら政宗様やって、お手紙ほしぃやんなぁ。 俺ばっかり貰ってやぁ。
「…真樹緒。」
でも大丈夫やで! まかせとって政宗様!! 俺が皆に頼んだるからな!
「真樹緒、」
なぁなぁ皆! 政宗様にも手紙書いたってやー! 手紙ってめっさ嬉しいやん? もろたら顔ふにゃってなるやん? ずっと読んでたいやん?
やから…
「真樹緒。」 「うお!!!」 「聞け。」 「政宗様、」
政宗様に頭をぐわしとつかまれました。 素敵握力でつかまれました。
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