「政宗様―」
とりあえずお城の中を探さななぁ。 と、思ってですね。 ひたすら襖をスパンスパンと開けてます。
や、ちゃんと中見て誰もおらんかったら閉めてるよ? 思いっきり襖開くんて中々楽しない? ちょっと楽しみながら政宗様捜索なのですよ。
「政宗様―?」
出てきてぇな。 こじゅさん困ってるよ疲れてるよ。 さぼりはあかんよ。 すぱんすぱん襖開けて中を見たら、あれここ見た事ある。
このずば抜けて広い部屋、何回も遊びに来たことあるでー。 ここでなー、端っこから端っこまでごろごろ転がって遊んだねん。 広いから途中で力尽きてたら政宗様に「何してんだ」って突っつかれたんやけどな!
「疲れた。」 「…なら転がらなきゃいいだろ…」 「いやや、あの端っこまで行きたいん。」 「……、」
俺が指差した先を見て「はー」なんて政宗様が息を吐いて、それでなー。
「何が楽しいんだ…」 「おお、転がる!!」
俺が目指す部屋の端っこまで転がしてくれました! 政宗様優しい!!
そうそうそのお部屋です。 政宗様のお部屋。
「知らんまにきてもうたんかー…」
お邪魔しますーって部屋に入ってきょろきょろ。 逃げとるのに自分の部屋らにおらんわなーって、でも取り合えずきょろきょろ。 もしかしたら隠れてるかもしらんやろ? 政宗様―って呼びながら机の上を見たら書きかけの手紙?が乗ってた。 その隣には書類が山積みです。
「あれ…?」
それでな、ぐるっと部屋を見渡したら服をね見つけたのです。 あの政宗様の服。 鎧の上に着てる青い羽織?マントみたいなやつがバサッっと畳の上に放り出されてたん。
「脱ぎっぱなしやんー。」
こんな事しとったらこじゅさんに怒られるでー。 ちゃんとたたんどかな。 ばさって政宗様のマントを広げて見る。
おお。 やっぱりおっきい。
「……」
…… ………
「……ちょっと着てみてもええかな。」
や、何となく。 何となくやねんけどな。 ちょっと今肌寒いねん…!! 今冬やねんここ…!
そんでよう考えたら今俺まだ寝巻きやねん…! 暖をとるものが欲しいんよ。
「……よし、」
着よう。 政宗様に怒られたらちゃんと謝るで! 大きい政宗様のマントを羽織ってくるっと回ってみる。 うーん、やっぱりロングスカート!!
「ちょっと後ろ引きずってまうなぁ…」
ひらひらします!
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