04




Wheatを石臼で粉にしたものを用意して。
牛の乳も用意した。
商人を呼んで砂糖もある。
卵は今朝生まれたばかりのものを小十郎から受け取り、ふらいぱん代わりの鉄板も用意させた。


大体の材料は揃ってんじゃねぇか?
手を顎に当て並んだそれらを眺めてみる。
一体どうやってこれらがcakeになるのか分かったもんじゃねぇが、そこらへんは真樹緒に聞くしかねぇな。
さっきの説明からするに、大した期待はできねぇが。


「政宗様ぁー」
「どうした。」
「これなんー?」


ひょいと真樹緒が掲げて見せたのは「蘇」という牛の乳を煮詰めて固形にしたものだ。
「牛乳ぬくめたら出来る…んやったかな?」という真樹緒の説明でばたーとやらの変わりに用意したんだがな。
違うのか。


「あ、でもうまい。」
「何食ってやがる。」
「チーズな感じ。」
「ばたーじゃねぇか?」
「うーんでも多分大丈夫ちゃう?」
「aboutだな。」


いいのかそれで。
もう一度真樹緒にhot cakeの説明を聞く。


「ええーっと、」


粉をな、卵とか砂糖とか牛乳とかバターとか全部一緒にして、ぐるぐる混ぜてー、焼くん。
フライパンで。


……
………


…本当にそれだけか。
「うん。」
膨らむ気がしねぇんだが。
「膨らむて!」


ちゃんと新兄が作った時は膨らんで、めっさおいしかったんやから!!
頬っぺた落ちるかと思ったんやから!
ほんま新兄はお菓子作りの天才なんやから!
と頬を両手で包みながら蕩けた顔で力説する真樹緒に、おいちょっと待て。


「真樹緒。」
「うん?」
新たぁ何者だ。
うわぁ、何か政宗様こわい。


ああそりゃぁなぁ。
初耳だぜ新兄。


てめぇにそんな顔をさせるその男はどこのどいつだ。
蕩ける様な顔は俺にだけ見せていればいい。
お前がcuteだという事は分かっている。
だから他の野郎を思ってそんな顔をするな。


大事な事だからな二回言うぜ。


その新兄たぁ何者だ。
おぉぉぉ…


真樹緒の顔を覗き込んだ。
Ah?
何も怖い事ぁねぇだろう?
俺は聞いているだかけだ。


「……やぁ、でも何や顔が…」
「元々こんな顔でな。」
「…いつもはもっと優しいもん。」
「この野郎。」


はぐらかすのがうまくなったもんだ。
少し機嫌が直った現金な自分に苦笑しもう一度「誰だ」と真樹緒に構う。
抱き込めば痛い痛いと言いながら「俺のお兄ちゃんやねん」と笑った。


「ほぅ…」
「政宗様?」


兄貴だと。
そうか新。
てめぇ真樹緒の兄貴か。


くく…
「……政宗様?」


いいねぇ。
いいねぇ。
相手に不足は無い。
お前のhot cakeがうまいか俺のhot cakeがうまいか。
受けてたとうじゃねぇか!



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