07

「くくっ、考えておこう。」
「そお?」
「ああ。」


ぬーん。
でも今は取ってくれへんのやー。
俺が見たがってたのばれたんやろうか。
でも気になったねんもん!
今度見せてな、ってゆうたら白スーツさんが笑う。


おお…
やっぱりこの人もイケメンや…!


「マキオと言ったかね。」
「はい?」


そう真樹緒。
俺、真樹緒ってゆうん。
白スーツさんのお名前は?


仮面から手ぇ放して俺も笑ったら今度は俺が頬っぺた撫でられた。
うりうりって、ちょっとこしょばいん。


「私はアルビトロ。」


ここヴィスキオを運営している。


そう言ってアル…アビ…あ…?
あー…?


「…ぬー…」


アー…、さん?


あかん。
舌、もつれそう。
むしろ噛みそう。
こう、キリヲ君みたいに三文字ぐらいやったら覚えられるねんけど。
白スーツさんちょと長い。


「しっかり覚えたまえ。」
「ええもん。ビトロさんって呼ぶもん。」


笑わんとって。
さっきちょっとキリヲ君ゆうてたの聞いてたんやから。
ええやろう?
ビトロさん。
こっちの方が言いやすいん。
なぁ、って見上げたら「仕様の無い子だ」って。


ぬー。
子ども扱いですよ。
ビトロさんも結構若いくせにー。


もー。


「で?この後どうすんだァ?」
「おお?」


キリヲ君!
振り返ったら急にキリヲ君のミツコさんで首ぐーんて引っ張られてやぁ、いつの間にか俺は又キリヲ君のお隣に並んでました。
ミツコさんてそんな使い方もできるねんなぁ。


もー!
ちょびっと苦しかったで!


「ふむ、イグラに参加するのは自由だが…」
「んー?」


またいぐら?
ほんま何なんやろうイグラ。
イクラちゃうみたいやしやー。


……
………


やぁ、俺かてこんな人一杯おるとこでおちゃめな事よう言わんよ。
そこらへん空気は読めるねんで!


「無理だろうな。」
「無理だろうね。」
「う?」


俺イグラ無理?
そらイクラは苦手やけど。
椎茸よりは結構食べれる自信あるで?
キリヲ君とビトロさんが俺を見ながら小さくため息を吐いた。


えー?
何でため息。
俺、なんかした?


「マキオ。」
「はい?」
「君は何のためにこのトシマへ来たのかね。」
「おれ?」


やー、何のためって言われてもやぁ。
気ぃついたらここにおったから途方に暮れててんよ。
俺、鴨田さんと政宗様のお庭散歩してたはずやったのになー。
いつの間にかここに来てもうてん。
ほんで調度そこにおったキリヲ君に拾ってもらったんよー。
キリヲ君優しいん。


「ほぅ?」
「…何か文句あんのか。」
「いやいや、」


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