05
キリヲ君に連れてってもらったとこはー、政宗様のとことはまた違った雰囲気のお城でした。
真樹緒ですー。
でもさっきの瓦礫がいっぱいあったとことは全然違って豪華やで。
でっかいドア開けたら赤い絨毯が広がってんねん!
ようさん彫刻?みたいなんも飾ってあってなー。
黒服きたごっついおっちゃんらが一杯おってんけど、何で仮面つけてるんやろう。
「あやしすぎる…」
「ぶも…」
なー、鴨田さんもそう思う?
怪しいやんなー。
ええ年のおっちゃんが揃って仮面とかつけてたら怪しいやんな!
もしかしてこのお城の中でおる時は全員仮面つけやなあかんとかそういうルールなんやろうか。
ええー。
まじで。
ほんならキリヲ君も仮面つけるんやろうか。
……
………
まじで!!
「なぁなぁ、キリヲ君。」
「あァ?」
「…キリヲ君は仮面つけへんほうが男前やとおもうで。」
「ぶも…」
そのまんまのキリヲ君でおって。
お願い。
「……はァ?」
そんなお話をしたのがさっき。
よう分かってへんキリヲ君にちゃんと仮面つけへんお約束とりつけたで!
今はお城についてキリヲ君の背中から降りて、お隣歩いてるんやけどなー。
やっぱりお城は広くて迷いそうやから手ぇ繋いでもろうてるん。
ほら、よう政宗様にやってもろうてたやつ。
もう俺あれに慣れてもうてたからやぁ、キリヲ君に背中から下ろしてもろた時に「キリヲくーん」って手ぇ伸ばしてもうてん。
「あ?」
「あ、」
やー、あかんあかん。
しっかり俺。
キリヲ君は政宗様ちゃうよ。
キリヲ君かてそんな急に言われたらびっくりしてまうやん。
もー、俺のうっかりさん。
伸ばした手ぇをどうごまかそうかとわきわき動かしてたらなー、その手ぇががしって。
「ぬ?」
「行くぞ。」
「おお…!」
キリヲ君のでっかい手が俺の手を掴んだん。
俺びっくりしてもうて。
ええの?
ちらっとキリヲ君見上げたらちっさく肩を竦められただけでした!
もー!
ちゃんと口で言うてくれたらええのに!
そんなんやったら思いっきり掴んでしまうよ!
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