01
「マキオ〜。」
「ぬ?」
「捕まえたー。」
「にょー!!!」
キリヲ君のお部屋でなー、鴨田さんと一緒にベッドで布団に包まりながらいもむしごろごろやってたらグンジ君がどすんと上から振ってきました。
俺と鴨田さんではおっきなグンジ君を受け止めるなんて無理です。
…無理です!!
真樹緒ですよこんにちは!!
あ、鴨田さんは寝てるからひっそりこんにちは!
「重いんー!!!」
ちょっとグンジ君!
体格差考えてぇな!!
俺がグンジ君に下敷きにされたら全然全く動けやんのやけど!!
動けやんし、更にお布団巻いてるからちょっと苦しいん。
鴨田さんもおるし気ぃつけてぇな。
つぶれてしまうよ。
「ワリーワリー、マキオちっせぇからさー。」
「ぬっ!」
「加減わかんねー。」
「ぐ、グンジ君がおっきいだけやしー!!」
俺は普通なんですー。
これからにょきっと平均身長まで伸びるんですー。
あっという間に伸びるんやから。
「マジでぇー?」
「グンジ君びっくりしてまうよ。」
にょきっと伸びてね。
目線なんてずっと近くになってしまうんやからね。
そんな笑ってられるんも今のうちやねんで!
「もー。」
けらけら笑うグンジ君を一緒に布団いもむしにしてまおうとずりずり。
「逃げんな」って捕まってもうたけどずりずり。
なぁなぁグンジ君、ぎゅうってしてくれるんやったら、もうちょっと優しくやってくれると嬉しいわ。
体格差とかを考えてね。
「…抱くのは嫌じゃねぇの?」
「ぬ?くっつくんは好きやで?」
グンジ君あったかいし。
ぎゅうってされるん気持ちええん。
……
…………
「あー、んじゃ次は気ィつける。」
「うぃうぃ、いい子。」
そんな顔赤くして照れなくてもー。
可愛いなーグンジ君!!
グンジ君のお腹からずれて、仰向けになって。
サラサラの金髪をぐしっと撫でた。
グンジ君の金髪はもう、ずーっと触ってたいぐらい気持ちええん。
「マキオはぁー、やっぱ変な奴―。」
「ぬー?」
何が。
俺にしてみたらグンジ君のが変わってると思うけど!
いっつもお仕事ゆうてお屋敷から出かけてやぁ。
血だらけで帰ってくるやん。
何あの血ぃ。
パーカーやら俺の大好きなサラスト金髪を血だらけにしてやー。
俺その度に気が気やないんやで!
「……」
「グンジ君?」
急に静かになってどうしたん。
俺の事を見てるよーで見てないその目は一体何ごと。
「ぬ?」
首を傾げながらお布団もそもそしてグンジ君をぐいっとね。
布団いもむしなん。
目ぇをぱちぱちしてもうたグンジ君にちゃんと聞いてる?って頬っぺたぺちぺち。
ほらたまにグンジ君人のお話聞いてへんから。
「グンジ君?」
「マキオ俺の事好きなんかー?」
「……うん?」
やあ、グンジ君の髪の毛は好きやで。
もちろんグンジ君の事も好きやけど。
あれ?
でも今そんなお話やった?
グンジ君が血みどろで帰ってくるお話やったと思うんやけど。
「ひゃは!」
そっかそっかー!
マキオは俺の事がスキかー!
「ぬー!おでこぐりぐりは痛いんー。」
「あー、早く食っちまいてー。」
でもジジィが吠えっからなー。
うるせえんだよなー。
から、今度はジジィがいねー時にイチャイチャすっかー。
なー。
「なー、ちゃうよ。」
もう、グンジ君。
それ何の話。
俺なんで食べられるん。
「ひゃはは!!マキオにはまだ早いかー。」
「…何の話ー。」
やっぱりグンジ君は話あんまり聞いてくれへんの。
もー。
何かご用があったんやないの。
それかただぎゅうしにきただけ?
ぎゅうだけやったらもっと優しくしてやーって言うたやんー。
うりゃ、ってグンジ君のお鼻摘んだら「あ、忘れっとこだった。」って。
「う?」
おでこぐりぐりやってくるグンジ君が思い出したようにポケットごそごそしてるん。
ごそごそごそごそして。
「マキオにー、お土産ぇー。」
「お土産?」
「ソリドのイチゴみるく味―。」
「いちごみるく!!」
出てきたのはピンクが可愛らしいパッケージのソリド。
グンジ君が包装紙をむきむき。
ほんなら甘い匂いがぷわん。
「おおー!!!」
ソリドってな、ここの食べ物やねん。
んー。
何てゆうたらええんやろう…
固形食品?
ほら、かろりーめいとみたいな。
味がようさんあるんやけどやー、俺ちょっと苦手なのよねー。
独特な味っていうか。
初めて食べたんがグリーンカレー味ってのもあるんやけど。
衝撃。
あれは衝撃やった。
「食いてぇ?」
「たべる!!」
食べたい!
グンジ君ちょうだい!
ほら、あーん!!
俺そのソリドやったら食べれそうな気がする!!
ぱか、ってグンジ君に向かって口開けたらグンジ君がけらけら笑っていちごみるくなソリドをぽいっと放り込んでくれました!
「どーだ?」
「もぐもぐ、」
ちょっとぱさつくんはやっぱりソリドやからやんなー。
でも味はほんのり甘いイチゴ味!
最後までイチゴ味!
ぬー。
美味―。
おいしいんー。
「うまいかー?」
「うましー。」
おー、んならもっと食え。
ぬ?
グンジ君が又ポケットをごそごそ。
ほんならどこにどうやって収まってたんかいちごみるくのソリドがいっぱい!!
ごろごろ出てきたん!
ミラクルポケット!!
「ぜーんぶ、マキオにやるぜー。」
「まじで!!」
ぬー。
うれしいんー。
もっくりもっくりソリドを食べて幸せ時間やで。
甘いもんって何でこんなに幸せになれるんやろうなー。
すてき―。
これやったらいくらでも食べれそうな気ぃするわー。
「ありがとうグンジ君!!」
見上げたらグンジ君がにかっと笑って頭撫でてくれました!
ああそうや。
鴨田さんが起きたら鴨田さんにもあげよー。
鴨田さんも甘いもの大好きやから絶対喜ぶん!!
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グンジ君と(笑)
いちごみるく味のソリドがあるかどうかは全然全く分かりません。
なんとなくエアーを読んでくだされば幸い。
この後まだいちゃっとして、キリヲ君に見つかります。
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