03



「なぁなぁ、」
「あー?」
「俺、ウサギちゃうよ。」


さっきからイケメンさん、ずーっとウサギって言うてるけどやぁ。
俺ちゃんと真樹緒っていう名前があるん。
よかったらそっちで呼んで欲しいねんけど。


「マキオ?」
「うぃ。」


そう真樹緒。
呼んでな。


「ウサギはぁーマキオ?」
「ぬー…ウサギとちゃうよー。」
「でもウサギだろぉー?」
「ぬー!!」


イケメンさんがぶっとい腕を俺の肩にどすん!
そのまんまウサギのお耳をぴこぴこ動かしてるん。
おもたい!!


やめてやー。
肩痛いやんー。


「マキオおもしれー。」
「俺はおもんないー。」


笑いながらのしかかってくるイケメンさんが今度は思いっきり体重かけてくるからちょう重い!
俺では支えきれません…!


そのままごろん、って倒れてしまって。
やっとふかふかなベッドに包まれてみたけどお腹の上におるイケメンさんがやっぱりちょう重い!!


「マキオー。」
「なーんー。」


そんな楽しそうに俺の頭ぐしゃぐしゃにしてやんと、ちょっとどいてくれへん…!
ああしかもそこ鴨田さんおるし!
さっきまで寝てたのにベッドがしゃべった驚きで起きてもうてるのに!
やぁやぁ、もーやめてぇやー!


「ぶもも…!」
「あん?」
「ああ!ほらやっぱり!」


鴨田さん!
だいじょうぶ鴨田さん!
いくらイケメンさんでもそんなんされたら嫌よなぁ!
俺もちょっと困ってるんよ!


手ぇ伸ばして鴨田さんを救出しようと思ったら、すかさずイケメンさんが鴨田さんさらっていったん。


「マキオー、何かヘンな鳥みっけたァー。」
「ぶもっ!」
あああ!鴨田さんに何するんー!!


もうちょっと優しく持ったってや!
鴨田さんデリケートやねんから!!
そんなわしっと掴まんといて!
足ばたばたしとるやん!


「カモダサン?」
「そう、鴨田さん。」


俺の大切なお友達なんやで。
やから大事にしたって。
足ばたばたしとるん可愛いけど、もうちょっと優しくしたってやぁ。


涙目でかえして、って言うたらちょっとびっくりしたイケメンさんが俺の手に鴨田さんを乗せてくれた。


ぬー。
よかったー。
おかえり鴨田さん。


「ぶもぶも。」
「よしよしー。」


いたくなかったー?
足こわかったなぁ。
もう大丈夫やでー。


「マキオ、マキオ、」
「うぃ…」
「これぐらいで泣くなよー。」

「!」


鴨田さんを救出した後、感動の再会に顔すりすりしてたらイケメンさんが俺の目のとこぺろって…!
ぺろって…!!
なめられた!!


っ?!


何!
なにごと!
びっくりして涙ひっこんでもうた!!
思いっきりイケメンさんの顔見上げたら又、ぺろって…!!


ぬー!
何!
何これはずかしい!


「あはーマキオ可愛いー。」
いややぁぁぁぁぁ!


わけわからへんー!
かわいいて何!
ちょう恥ずかしい!


俺は男前めざしてるんですー!
ちょう恥ずかしい!


だれか助けて!
鴨田さん助けて!


ぶも。
「おー、お前もそう思うかーカモダサン。」
ぶもも。
鴨田さあぁぁぁぁん!


イケメンさんの頭に落ち着かんとって鴨田さん…!
俺の味方は鴨田さんだけやのに!
何かふぁんしーな見た目で可愛いけど!


「んじゃぁー可愛いーマキオは俺がいただきますー。」

「ぬっ!?」


俺があわあわしてたらイケメンさんが「おいしく食ってやるからなー。」ってパーカーをずり上げた。


ええ何で。
何でおれ剥かれてるん。
ちょっと待って。
手で突っぱねてもイケメンさんの力が強くてびくともしません…!


「ちょ、それはアカンてイケメンさん…!」
「あー?いけ?」


何だそれぇ。
俺はぁー、グンジって言うんだぜぇー?
ほーら言ってみ。


笑いながらイケメンさんはゆうてるけどもうすでにズボンも下ろされかけやからね!
お尻触られてるからね!



「ぐ、グンジ君!!」


ちょお待って!
ズボンはあかん!
ズボンはあかんよ!


「待たなぁーい。」


首にグンジ君ががぶって!!


ぬー!!


噛んだ!
グンジ君かんだ!!
どうしようこのグンジ君本気や。
顔笑ってるけど力はんぱない!


「やーめーてー!」
「イイ声で鳴けよォ?」
「耳舐めんとってー!」


さっきよりも涙目で言うてるのにグンジ君は楽しそうに笑ってるだけですよせちがらい…!
せめてパンツは守る!って引き摺り下ろされそうなパンツを抑えてた時にな。


調子に乗り過ぎんじゃねぇよ、このヒヨがぁ。

っで!!



ドスッって。
ドスってものすごい音して。



「な、にすんだこのクソジジィ!!!」
「こっちの台詞だこの馬鹿ヒヨがよォ!!」
「あァ?!ヤるぞコラァァ!!」
「来いやぁ!!」


「おお…」


キリヲ君のミツコさんがグンジ君の首に華麗に決まりました。
明らかに致命傷的な音やったのにグンジ君はとっても元気です…!!
も、もしかしてキリヲ君頭は鴨田さんがおるから避けてくれたんやろうか…



「ぶももも。」
「…キリヲ君、やさしいなぁ。」
「ブモ。」


やぁ、二人とも窓ガラス割って表に行ってしまったんやけどな。
うん。
俺ベッドの上で鴨田さんと二人やねんけどな。
キリオ君はミツコさん持ってるし、グンジ君は手ぇに何か爪みたいなんつけてて。
外からものすごい破壊音が聞こえてくるし。


なんてゆうか。
ただの喧嘩じゃありません…!


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やっとグンジ君が動きました…!
こらからまったりな小話たくさん書けますー!!
グンジ君の髪の毛をオダンゴにしたり、キリヲ君からコミツコさんな鉄パイプを貰ったり、小ネタをちょこちょこ書いてゆきたいと思っています。
まったりお付き合い下されば幸いです。

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