02
「ウサギちゃんはァー、狼に食べられるんだぜぇー?」
「ぬっ?!!」
硬いベッドやと思っていたら、なんとそれは金髪のイケメンさんでした。
真樹緒ですよこんばんは!!
ええまじで!
やぁ、俺思いっきりベッド飛び込んだやん?
ほんで硬かったやん?
あれな、そもそもベッド違うかったねんで…!
ベッドの上に寝転んでたこの金髪なイケメンさんのお腹やってん…!!
俺が飛び乗ってもびくともせぇへん頑丈なお腹やってん…!!
政宗様とかこじゅさんに負けず劣らずの素敵筋肉!
「ウサギぃー、お前パパの新しいオモチャかぁー?」
あー。
でも何かパパのシュミとはちょっと違うなァ。
「ぬお…!」
イケメンさんが笑いながら起き上がった。
俺の顔をまじまじ見てるけど、俺の方はイケメンさんの顔がよく見えません。
何で見えやんのにイケメンさんかって?
やってやー。
鼻めっさ高いねんで!
体が素敵筋肉やねんで!
髪の毛は綺麗な金色やし。
顔のりんかくかって、こう、ほら、しゅっとなってるんよ。
後目ぇだけやん。
ここまできたら目ぇだけおかしいってありえへんやん。
やからイケメンさんなん。
「ぬー。」
そのイケメンさんがじろじろ俺の事見るん。
でもイケメンさん前髪長くって。
うらやましいぐらいのサラサラの金髪が長くてなー、顔見えへんねん。
ぬー。
ずるいー。
イケメンさんばっかり俺見てずるいー。
俺もイケメンさんの顔見たいー。
「…よし。」
「あァ?」
ずっと乗ってたイケメンさんのお膝をよじよし。
ちょっとしつれー。
やぁ、イケメンさんがあんまり俺の事見るから。
ずるいやん?
やからしつれー。
「じっとしててやー。」
「てめ、なに」
「まえがみ失礼しますー。」
えい。
イケメンさんが何か怒ったような声出したけど気にしないー。
俺、結構ここきて強くなったよ。
もうビトロさん怖くないし、仮面のおっちゃんらも怖ないもん。
やから気にしないー。
「えい。」
長い前髪をひょーい。
出てきたお顔はやっぱりイケメンでした!
「おおお可愛い!!」
イケメンやけど可愛い!!
つやつやお肌に綺麗なおめめー!
キリヲ君とはまた違ったイケメンですよ!
「イケメンさん、ずっと前髪上げてたらええのに…」
ほんなら目ぇ見れてええのに。
格好いいのに。
やぁ、前髪下ろしててもみすてりあすな格好良さとかはあるんやけどな。
うん。
でもちょっと勿体無いかんじー。
「…お前ヘンなヤツだなー。」
「ぬ?」
俺がイケメンさんの顔をじぃーっくり見てたら、突然前髪上げられたイケメンさんはびっくりして目をめっさ開いてた。
外国の人なんかなぁ?
目ぇすごい綺麗。
ビトロさんとおんなじやなぁ。
その目をやっぱりじぃって見てたらイケメンさんが頭がしがし、ってかいて。
「ウサギのくせにビビんねぇしぃー」って言いながら俺の顔覗き込んできてん。
おお近い。
めっさ近い。
目の前いっぱいイケメンさん。
そんなじろじろ見やんといてぇな。
イケメンさんにそんな見られたら恥ずかしいわ!
「やぁーって怖ないもんー。」
別に怖がるような事されてへんもんー。
ぜんぜん怖くないん。
ベッド飛び込んだ時硬くてびっくりしてんけどやぁ。
それだけー。
笑いながらイケメンさんの頬っぺたをむにむに。
すべすべのつるつるですねー。
へへ、って笑ったらイケメンさんがきょとん、って。
やぁその顔もかわいらしいなぁ。
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