05




神社に行ったらよ、何か人が一杯いて。
どれが神様なんだか分かりゃしねぇよ。


黒い髪の人だろー?
緑色の人だろー?
柿みたいな色の髪の人とー。
片目を目かくししてる奴にー。
全体的に赤いにーちゃんでー。
手に持ってんのは俺よりもちっちぇ子供。


何か耳としっぽがはえて…
耳としっぽ……


………
…………


「Ahー?何だあいつは。」
「村の子であろう。」
「…恐らく…」


やっぱりいた!
ちゃんといたんだ神様は!!


「み…」
「「み?」」
「見つけたぜおきつね様!!!!」
きつねじゃねぇいなりだ!!!


「!!」


今まで静かだったおきつね様が起きた。
真っ赤なにーちゃんの腕からぴょこって顔を出して。
でっけぇ目で。
金色の耳としっぽで。
俺よりちっちゃいおきつね様だ。
うずうずして手に持った桶の水が揺れた。


「あ…おまえ…」
「〜〜〜〜っ!!!」


走ってきた甲斐があったぜ!
ばあちゃんの言い伝えは本当だった。


どうしよう。
お礼が言いてぇのに、体が動かねぇ。
どうしよう夢吉!!
見つけたぜ!!


じっとおきつね様を見て。
おきつね様も俺を見て。


「………」
「……っ…」


おきつね様が怖がらないようにちょっとずつ近づいた。
そうするとおきつね様は真っ赤なにーさんからするする降りてよ。


あれ。
どうしたんだおきつね様。
何でそんなに後ずさってんだ。



「…花が怯えてるでござる。
「Ahーー…手を離してやったらどうだ。」



「………」
「………」
「………」
「………」
「……きゅぅ…」


じりじり。
じりじり。


ちょっと差が開いてきちまったぞ。
待ってくれおきつね様。



「なぁ、あんた。」
「…何でしょう。」
「ちょっとこの桶持っててくれよ。」
「…、かまいませんが。」


うっし。
とーふは直ぐに崩れちまうからな。
折角のお供えなのにそんな事できねぇ。
それに手が空いたら俺も全力を出せるしな!


「おーし。」
「…き…きゅぅ…」
「ちょっと、君花ちゃんに一体何の」



逃げんなよおきつね様―――!!!!
きゅぅぅぅぅぅっ!!!!
ちょっと何花ちゃん泣かしてんのー!!



稲荷とけいじ



「つかまえたー!!!」
「きゅぅぅ…」
「すっげぇ足早ぇんだなー、おきつね様は。」


「……おまえはいつでもとうとつすぎだ、けいじ…!

「お?何で俺の名前知ってんの?」

「…初めて来たとき思いっきりさけんでたじゃねぇか…」

「は!そうだ俺そのお礼に来たんだよ!!」

「おれい…?」

「おう!とーふ持って来た!!」

「…なんでとうふ…」


.
.
.


「…何故助けないのでござるか政宗殿…」
「人の事言えんのか人間。」
「…愉快な子供よ。」
「…あ、稲荷が力尽きましたよ…
「「「花(ちゃん)!!!」」」

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これにて一通り出したいキャラが出ました。

後々増えていきますが、基本このメンバでのほほんと小話を書いていきたいと思います。

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