06



あのな、お社にきたのはかみさまだったんだ!
すっげぇやさしいかみさまで。
にこって笑いながらおれの頭をなでてくれたんだぞ。
ぎゅって抱きしめてくれてな。


「頑張ったものよ。」


って耳をすりすり。
おれはうれしくなって、「きゅぅぅ」って鳴いちまった。


それでな。
かみさまに言ったんだ。


雨をふらせてほしくて雨ごいしてたんだって。
けいじの村がこまってんだって。
そしたらかみさまが笑ってな。


「それならずっと北に行ったところの森にある泉に行ってくるがいい。」

「いずみ?」

「そこに、龍神がおる。」

「りゅうじんさま!!」


りゅうじんさまはな、水のかみさまだ。
すっげぇ大きなりゅうで、いずみを守ってる。
ふだんはその姿は見えねぇんだけど出てきてくれるかな。


「花の願いなら耳を傾けるやもしれん。」

「ほんとか!?」

「ああ。」

「!おれがんばる!!」


いずみの前で雨ごいするんだ。
雨をふらせてくださいって。
ちゃんとさかきの枝だってもっていくんだからな。


「あの、あなた…」
「う?」


かみさまに撫でてもらってたら、おれよりちょっとでっかい奴が覗き込んできた。
ねこみたいな目で。
おれと同じ黒いかみだ。


「だれだ?」

「名はありません。私は元就様の駒ゆえ。」

「こま?」


かみの毛をぐしゃっとまぜられる。
耳のつけねがきもちいい。
まぜながらこまさんはじっとおれを見てためいきをついた。


「…何かあったら呼んで下さい。」
「うん?」
「微力ながらかけつけます。」
「こまさん?」
「あなたなら大丈夫だと思いますが。」
「?おう!!」


りゅうじんさまは誰かと話したりするのがきらいなんだって。
だからとつぜん行ってもし「おいかり」をかったらよびなって言ってくれた。
だいじょうぶだこまさん!
おれはお勤めをちゃんとはたしてみせるぞ!!



我を差し置いていい度胸よ。
「…誰のせいですか…!


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駒さんがでしゃばりすぎてすみません(汗)
でもこの駒さんは突っ込み要因なので後々も出てきたりします(汗)

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