「胡散臭いねぇ…」 「…おや人間ですか?」 「どーも、」
社の境内で和んでる二人を腑に落ちない目で見てたら、横で同じような目で二人を見ている男がいました。
橙色の髪の男と、その覇気が重くこちらまでのしかかってくる槍を構えた男。 それこそこの森に住んでいる妖怪か何かの類かと思いましたけれどその「気」は人間のものです。 あの稲荷の知り合いだろう事は明らかで。 少しぴりりとした空気に中てられます。
「…その殺気、仕舞って下さいませんか。」
別に何をするつもりはありませんよあの稲荷に。 規格外な神様に気に入られて大変だとは思いますけれど。
「信じられないねぇ。」 「あの者は何者であるか。」 「…」
神様だとさっきから言っているじゃないですか本人が。 まぁ、仕方がありませんね。 突然現れたと思えば稲荷の耳と尾を触り倒して放しやしないのが神様だとか言われたら。 私だって信じたくありませんよあんなのが神様だなんて。
でも実力はあるのですよ。 厄介な事に。
「駒よ。」 「………何ですか。」 「見よ。」 「…?」
楽しげに近寄ってきた「神様」に若干の嫌な予感と。 隣で更に殺気を高めた侍達に多大な面倒臭さと。 色んなものを同時に感じながらその腕に抱かれた小さな稲荷を見ました。
「花よ、くるんだ。」 「はいくるん!!」 「……」
「そこの赤いのと橙も見ぬか。」 「っ花……」 「花ちゃん…?」
「…………何ですそれ。」
「特大繭玉ぞ。」 「稲荷で遊ばないでください!!」 「可愛いでござるよ花!」 「旦那何か違う!!」
「きゅ?」 「うっわぁ可愛い!!でも花ちゃんもそんな素直に丸まらない!!」
あなたは本当に現界に何しに来たんです…!
「乗りが悪い奴らよ。のう、花。」 「のー?」
-----------
全体的にギャグなんだから元就様だってギャグです。
|