08



口に入ってきたのは甘くてやわらけぇ「だんご」
もちもちしててな。
ちょっとからい。
でも。


「うまい!!」


だんごのくしを持ってるさすけを見あげたらすっげぇ顔でわらってた。


うん?
だんご食ってんのはおれなのに何でさすけがわらうんだ?
しっぽでさすけの腕をたたいてみたけど、さすけはずっとわらったままだ。
へんなさすけだな。


「だんごってうまいな、ゆきむら。」
そうでござるか…
「きゅ?」
「あーらら、しょげちゃって。」


もっちもっちとさすけが口に入れてくるだんごをいっぱい食べておれは幸せだ。
耳が動いちまう。
だんごってこんなにうまかったのか。
今までちょっとそんしてた気分だぞ。


でもな。
ゆきむらがちょっとおかしい。
だんごはあと二本残ってるから、ゆきむらも食えるのに。


「さすけ。」
「んー?」
「ゆきむら、どうしちまったんだ?」
「あー…」


じめんにりょう手をばんばんたたきつけているゆきむらをゆびさす。


何かな。
くらい。
ゆきむらがくらい。


「さー…どーしたんだろうねぇ。」
「だんご食いたくねぇのかな?」
「や、団子は食いたいんだと思うよ。」


だんごの串をくわえて、さすけがほっぺたをかきながら空を見上げた。
さすけでもわかんねぇのか?


うーんうーんとくびをかしげて。
でもやぱりだんごしか分からねぇし。


「さすけ、」
「ん?」
「おろしてくれ。」
「えー?俺様の癒しなのに。」
「さすけ!」
「はいはい、」


ぴょんってさすけの腕から飛びおりて、ごまだんごの串をとる。
ちょっと重てぇからしんちょうにな。
ゆれる手をもうかた方でささえてゆきむらのところに行った。


「ゆきむら、ゆきむら。」
「…」
「ゆきむら。」
「……花、」
「ほら、だんごくえ?」


ゆきむらのひざの上にのって、ぺちぺちとゆきむらのほっぺたをたたく。


ほら。
しっかりしねぇか。


「ゆきむら、」
「花…」
「ほら、あーん。
「!!!」


「あ、旦那いいなー!!!」


稲荷の雨乞い

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次は日輪と出会います。
日輪は神様。
お社でけったいな踊りを踊っていた稲荷を見つけて天界から降りてきます。

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