05



おにぎりを作り終わって、それを竹かごにつめてお弁当の準備は万端。
さぁ政宗様のお仕事は終わったやろうか。


「政宗様ー!!」って叫びながらお部屋飛び込んだら、机の上に力尽きた政宗様が倒れてて背中に飛び込もうと思ってたのに、思わず急ブレーキです。


真樹緒です。
こんにちは!


「ぬー…政宗様大丈夫?」
「終生分の頭使ったぜ。」
「日頃から溜めずにおればこの様な事にはなりません。」


きびしーこじゅさんの一言に反撃もせえへん政宗様を背中から覗き込む。


あれやぁ、そんな塞ぎ込んで。
なぁなぁ政宗様大丈夫?
ほんまお疲れさま。
あれから休まんとお仕事やっててくれたんやなぁ。


おおきに。
おおきに。


「政宗様。」
「Ah?」


政宗様の背中からほっぺたくっつけてすりすり。
聞いてってすりすり。


あんな、俺おシゲちゃんとこーちゃんとでおにぎり作ったん。
紅葉狩りのお弁当やで。
頑張ったん。
やから一緒に食べよう?
紅葉狩り行こう?
元気出してぇや。


俺政宗様と一緒に行きたい。


「な?」
「…」


ほっぺたを机にくっつけたまま、目だけでちらっと俺を見た政宗様の頭をなでなで。
それでも政宗様が動かんからほっぺたにちゅう。
お疲れさまのちゅうやで。
目を見開いた政宗様に笑う。


「もいっかいちゅー。」


やぁ、これは俺がやりたかったからやけど!
ぬふふ。


「政宗様おきて。」


ほらほら、そんな机にほっぺたくっつけたらしまいに貼り付いて取れやんようになるよ。


さー立って!
すぐ立って!
おシゲちゃんの準備は出来てるよ。


へらって笑ったら政宗様が俺の頭をくしゃくしゃって。
やぁ、これ俺を甘やかす時の撫で方やで。
首から耳の後ろ撫でられてちょっとくすぐったいん。
でも一番優しくて俺大好きなん。


「行く?」
「そのために終わらせたんだからな。」


あぁ、全く。
お前には敵わない。


なぁ、sweet。
元よりこの俺がこれだけ励んだのは誰のためだと思ってやがる。
他ならぬお前が甘えてきたからこそ。


不思議そうにこちらを見ている目が愛しくて唇を落とす。
くすぐったいと身を捩ったが構いはしない。


「真樹緒。」
「う?」
「掴まってろ。」


にっ、て笑った政宗様が俺を背中に乗せたまんま立ち上がった。


やぁ政宗様。
このまま行く気?
俺ちょっと恥ずかしいやん。


政宗様の首に巻き付いて、俺は一人で大丈夫ってゆうたのにいつの間にかお尻の下で腕まで組まれて完全におんぶです…!


「嫌か?」
「いややないんやけどー。」


恥ずかしいん。
俺のおでこにちゅってする政宗様に「聞いて」ってほっぺた膨らます。


もー。
恥ずかしいってゆうてるそばから!


「ほら、こじゅさんも呆れてる感じやし。」


ため息ついてるよ。
最近こじゅさんため息多いんやから気をつけやなー。


「NO、真樹緒。」
「うん?」


なん、政宗様。
によによ笑ってこじゅさん見て。
こじゅさんの眉間に思わずシワが寄ってもうたやん。


言うてるのに政宗様はまだによによ。
いよいよこじゅさんの顔が険しくなってしまうん。


「あれはenvyだ。」


なぁ、小十郎。


「ぬ?」


いきなり何の話か分からん俺は、政宗様とこじゅさんを見比べて首を傾げた。
やって何や政宗は楽しそうやし、こじゅさんはちょっと面倒臭そう?やし。


ぬー。
政宗様何てゆうたん。
えんうぃ?
何てゆー意味やっけ。


「、そうだと申したらいかがされるので?」


そういう事でしたらこの小十郎、全力で真樹緒を奪わせて頂きますが。
大人をからかいますと痛い目を見ることになりますぞ。


「くくっ!こりゃあ強敵だ。」


ならば奪われねぇように逃げるまでよ。


「ぬぅわ!」
「行くぜ真樹緒!」
「政宗様!」


「ぬー!はやいー!」


落ちる!
俺落ちる!!
俺まだえんうぃ分かってへんのに!


しかも頭の上に鴨田さんもずっとおるんやで。
実はおったんやで。
ころっと転がってもうたらどないするんー!


ぶも?
動じてねぇみてぇだかな。


ぬー。
まじで。


鴨田さん、度胸はひといちばいだからー。


すごいよね。
かもっ子やのに。

多分俺よりあるで、度胸。

「お前も中々だぜ?」
「ぬ?そう?」
「ぶもー。」


くつくつ笑いながら政宗様笑ってるけど、なぁちょっと政宗様大事な事忘れてるん。


聞いてー。
俺うっかりしてた。


「どうした。」
「おシゲちゃんとこーちゃん置いてきてもうたん。」


どうしよう。
お弁当とかもおシゲちゃんらのとこやし。
荷物全部預けてきてもうたん。
一緒に運ぶ予定やったのにやぁ。


政宗様の肩にあご乗せてちらっと見上げる。
戻ってみぃひん?って提案してみたんやけど目があった政宗様はにやって笑って。


「小十郎に任せとけ。」


先に行くぞ。


「ええのん?」
「目的地はすぐそこだ。」


直に追い付くだろ。
それまでお前には存分に俺の相手をしてもらうぜ。
朝から政務続きでお前が足りなくていけない。
構い倒してやるから覚悟しろ真樹緒。


笑ったまんまの政宗様は全速力。
気が付けばもうそこはお外でした!!


はやい。
政宗様足早い!!


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一足お先に政宗様とお山へゆきまする。
だっこされたまま、落ち葉に埋もれます(笑)
そしてきっと鴨田さんは落ち葉に紛れてしまって(色的に)二人焦って捜索です。

でも鴨田さんはかっこよく笑いながらキネマ主の頭から出てくる多分。
次回はそんな感じかと。

それでは。




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