「だーれかさんがーだーれかさんがーだーれかさんがー見―つけたー。」
小さいあーき、小さいあーき、小さいあーき見ぃつけたー。
「……、」 「ぶも?」 「やぁ、続き知らんの俺。」
ごめんね。 しょっぱなからごめんね。 いくらなんでも短すぎるやろうか。
ぬー。 ほんならもう一回秋のとこをー。
「小さいあーき、小さいあーき、小さいあーきみーつけたー。」
どうもー。 もう冬かなーって思うぐらい肌寒くなってきたお城で、鴨田さんとお揃いのちゃんちゃんこ(おシゲちゃんのりきさく!)着ながら二人で小さい秋探してます。 真樹緒ですこんにちは!! はい、鴨田さんもこんにちは!
「ぶもも。」 「よくできましたー。」
今日はな、朝から秋探しやねん。 お城のお庭とか石垣の近くとかで探してたん。 後で政宗様らに見せるんやで! 俺はどんぐりとー、落ち葉とー、ススキ。 鴨田さんは真っ赤なもみじとー、やっぱりどんぐりとー、お尻の方にひっついてるオナモミ。
オナモミってあれやで。 下校途中とかでいつの間にか服とかにひっついてくるあれ。 ひっつき虫なん。
「鴨田さん、可愛いー。」 「ぶも?」 「ひっつき虫。」 「モモー。」
やぁ、取る? でもこのまんまの方が可愛らしいと思うんやけど。 おしり。 もうちょっとこのままでおらん?
「ぶも…?」 「ほら、政宗様のとこ行くまで。」
政宗様に見てもらおうや。 そろそろ行っても大丈夫やと思うん。 朝行った時はお仕事中やったけど、そろそろ半分ぐらいまで終わってそうちがう? こじゅさんが恐ろしい顔でずーっと見張ってたしー。 机の上にいっぱいあった紙の山も少なくなってるできっと!
「ぶも…」 「やぁやぁ、そんな「まだやと思うよ」みたいな顔せんとー。」
行こうや鴨田さん。 政宗様はやったら出来るイケメンやから大丈夫! もしかしたら全部終わってるかも!
ほらほら鴨田さん頭の上に乗ってや。 もう俺の準備は万端よ。 ここはお城から離れたお庭やから、走って行くん。 鴨田さんやったら大丈夫やと思うけど、ちゃんと掴まっててねー。
「ではでは、政宗様のところへ行きますよ!」 「ブモッ!」
鴨田さんを頭の上に乗せてダッシュです。 ちゃんちゃんこをひらひらさせてダッシュです。 でもちょっと走ったところでこーちゃんが。
「おお!?」 「ブモ?」 「(…)」
いつの間にかこーちゃんがひょいっと飛んできて俺をだっこしてくれました!! 何かふわっとした! いっつもやってもらうけどあんまり慣れへんねんなー。 このふわっと。
「こーちゃんこーちゃん、政宗様のとこまで運んでくれるん?」
「(こくり)」
「やぁ、ありがと!」
目の前に見えるこーちゃんの赤い髪をもさもさ。 ありがとうねってもさもさ。 ちっちゃく首を振ったこーちゃんは、そのまま塀やら壁やらをぴょんぴょん飛んであっという間にお城の中へ戻ってくれました! お仕事が速い!
あ、ちなみにこーちゃんもちゃんちゃんこ。 皆で色違いのおそろいなん。 政宗様も青いの着てお仕事頑張ってるよ。
ぬー。 おシゲちゃん器用よね!
「ぶもー。」 「ねー。」
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