06



思わず頭をかいた。
首の後ろあたりがむず痒いのは何でだろう。
らしくも無い。
子供ってのは何でこうも成長が早いんだか分かりゃしないよ。
旦那を見れば拳を握り締めて「慶次…!!」なんて唇を噛んでいる。


まぁ、気持ちは分からなくも無いけどさ。


「……よかったなァ、人間。」


ちゃあんと子供は育ってるみてぇだぜ?
いけしゃぁしゃぁと笑う龍神が忌々しい。


……うるさいよ龍のおっさん。


ああ。
柄にも無く口元が緩みそうだ。


木刀がそろそろ新調しなければいけないほど痛んできたのも。
旦那がけいじの名に漢字を充てたのも。
そろそろ真剣を与えてみるかと旦那とそんな話をした事も。
今となってはその全てがむず痒い。


人の気も知らないで楽しげに自分の将来を語る慶次を横目に、思わず唇を噛みしめた。



慶次のゆめ



「おきつね様には内緒な!!」

「言わないのですか。」

「こーゆーのは秘密にしとくもんなんだよ!!」

「ほう?」



「むにゅにゅ……にゅ?

「あ!おきつね様が起きた!!」

「にゅーぅ…、う?

ああっ二度寝すんなよおきつね様!!

「…けいじ?」

「おう!よく寝てたな。」



「花、花、」

「う?かみさま?」

慶次がな

ああああー!!神様!!秘密だって言ってんじゃん!!

「…きゅ?」



「良いではないか。」
だめだめだめ!!




「……Hey、花。」

「う?」

慶次がな、

龍のおっさぁぁぁん!!!



「…どうしたんだけいじ…」
花、
赤いにぃさぁーん!!!



…もう雰囲気台無し…
「さすけ?」
「何でもないよ。甘味食べる?」
かんみ!!

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ちょっと成長したけいじです。
おっさんおっさん連呼してますが、龍はともかくまだまだ旦那は若いですよ(笑)

ずいぶんほったらかしにしておりましたが一段落いたしました。
お付き合いありがとうございました!

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