さっちゃんとー、こーちゃんをーちょっと静かにするためにはどっちにちゅーしたらええと思うー? 頭の上でクナイがキンキンカンカン気が気じゃありません。 真樹緒ですよこんにちは!!
はい、鴨田さんも挨拶しとこなー。
「ぶも。」 「よくできましたー。」
鴨田さんは頭におったら危ないから手のひらに避難やで。 ほら、さっちゃんとこーちゃんクナイで戦ってるし。 そりゃあ鴨田さんには当てへんと思うんやけど、念のためね!
「なぁなぁ、鴨田さん。」
どっちにちゅーしようかー。
このまんまやったらずーっと俺ははさまれたまんまなん。 動けやんの。 最後のターゲット、政宗様を探しにいかなあかんのにやぁ。
どうする?鴨田さんを見たら、鴨田さんがさっちゃんとこーちゃんをきょろきょろぐるっと見渡して。
「……ブモー。」
こーちゃんの方を向いて鳴いたん。
…… ………
「ぬー…そうよねー。」
ここはこーちゃんよねー。 さっちゃん何やのりのりで乗ってきそうやもんね。 素敵に可愛くぴしっと固まってくれるんはこーちゃんよね。
やぁ、そらあさっちゃんも可愛いけど。 たまにえろすやから、さっちゃん。 ここは先にこーちゃんで!!
「ももも?」 「うん、こーちゃんで。」
そうと決まればさっそく。
鴨田さんはちょっと着物の中で待っててね。 ほらちょっとこーちゃんをこっち向けやなあかんから。 「ぶもっ」って言う鴨田さんを襟んとこに入れて準備はおっけー。 さー、こーちゃんこっち見てやー。
「こーちゃんこーちゃん。」 「、?」
さっちゃんと未だキンキンやってた目の前のこーちゃんの細腰にがしっと巻きついてね。 形のよいあごを見上げて背伸び。
こーちゃんこーちゃん、ちょっとしつれー。 俺動きたいねんー。
今かくれんぼ中やで。 政宗様探さなあかんの。 ほら、政宗様このお城の事よう知ってるから強敵やと思うんよ。 はよう探さなあかんの。 きっととんでもないところに隠れてるんやで。
おシゲちゃんとこじゅさん、それにゆっきーはさっき見つけてもうたん。 さっちゃんとこーちゃんもほら、捕まえたー。
「…、?」 「へへー。」 「真樹緒?」
そんでもって鬼に捕まったらちゅーされる決まりやん? このままサンドイッチしててもしゃあないやん? やぁくっつくんは好きなんやけど。 今お急ぎ中やから。 そんな訳でしゅぱっとちゅうして離してもらおうかなーって思って。
「ちょっとかがんでこーちゃん。」
背伸びしてもちょっと足りやん感じやねん。 こーちゃん背ぇ高いから。 やからこーちゃんちょっと屈んでんかー。
「(こくん)」 「ありがとー。」
ぷすぷす怒ってたこーちゃんやけど、ちゃんとクナイしまって屈んでくれました! さっちゃんは背中で「何かあるの?」って覗き込んでくるし。
やぁやぁ、待っててさっちゃん。 さっちゃんは後で。 やってこのまんまやったらまたこーちゃんと喧嘩してまうやろう? やから後でなー。
「よーし。」
かがんだこーちゃんの肩に手ぇ置いて、ちょっと眉毛をひそめてしまったこーちゃんに「大丈夫やで」って笑う。 背中のさっちゃんは重たいけど気にしないー。 って事で、さん、はいっ。
「ちゅっ。」 「っ!!!??」 「えっ!?ちょっと真樹緒!?」
ぬー。 ちゅうなん。 ほらじっとして。
びく、ってなったこーちゃんにちゅう。 ふる、って震えたお口にちゅう。
お口の次はほっぺた。 こーちゃんのやわらかほっぺたにちゅってするやろう? ほんなら次はおでこなん。 こーちゃんの長い前髪はそのままでちゅう。
ちょっともさっとなっちゃうところが何だか気持ちいいのよねー。 こーちゃんの髪の毛はお日様のにおい。 ふわふわしてずうーっとくっついてたくなるん。
「それはさっちゃんが寂しいなぁ。」 「ぬ?」
こーちゃんにちゅうしてたら「そろそろさっちゃんの方も見てほしいんだけど」ってさっちゃんが! 背中からぎゅってさっちゃんが!
「ほら、こーちゃんも固まってるし。」 「あれ、ほんまやー。」
いつの間に。
ちゅうするんに夢中でお顔見てへんかったん。 さっちゃんが指差してるこーちゃんを覗き込んだら、こーちゃんかっちんこちんなん。
おー… 相変わらずね。 相変わらず恥ずかしがり屋さんやねこーちゃん。 何回やっても慣れないんだからー。 でもそんなところが大好きよ!!
「最後にも一回ちゅー。」 「(びくっ!)」
照れてるこーちゃんもかわいらしい!! ふわっふわな頭を撫で撫でして、そのままくるん。 こーちゃんごめんやけどそこで待っててね。 ほんでさっちゃんお待たせ、って言うたらさっちゃんがちょっとご機嫌斜めです。 むーって何だかご機嫌斜めです。
「……さっちゃん?」
まゆげがきゅって寄って、唇つん。 やー、かえらしいー。 ご機嫌斜めやけどかえらしいー。
なになにさっちゃんどうしたん? あんまりお待たせしてもうたから怒ってもうた? ごめんなー。
「…真樹緒にはかなわないよねー。」 「ぬ?」
何が? さっちゃんが大きなため息はいてもうて途端にぐぐっとさっちゃんの体重が肩に。 ぬぅ、重い。
「あらやだ失礼な。」 「やぁーって。」
さっちゃんめいっぱい体重かけてるやろう。 のっしり重たいん。 さっちゃんスリムやけど筋肉いっぱいついてるから重いん。
「そんな俺様はお嫌い?」 「んーん、」
好き。 そんなさっちゃんも大好きよ。
ぬふー。 さぁさぁ、さっちゃんちゅうしましょ。 さっちゃんも鬼に捕まったからちゅうされやなあかんねんで。 もうご機嫌直った?
「うーん、これから直るとこ?」 「なんそれー。」
笑いながらさっちゃんが俺の頭をぐしゃって混ぜたん。
もー。 何なんさっちゃんー。 よう分からへんよー。 今からご機嫌直るん? なんで。
「だって真樹緒がちゅうしてくれるんでしょ?」 「ぬー?うん、」
そうそう。 さっちゃんにちゅうしやなー。 俺がちゅうしたらさっちゃんのご機嫌直る? 見上げたらイケメンスマイルでさっちゃんが「うん」って。
ほうほう。 直るんや。 せやったら早くちゅうしなきゃねー。
「さっちゃんじっとしててなー。」 「いつでもこーい。」
さっちゃんの首に手ぇ回してまずはお鼻どうしをすりっとね。 俺これ好きなん。 くっついてるってゆう感じせん? ほら肌と肌がじかに触れてるかんじ。 あったかいん。
「くすぐったいよ。」 「もうちょっとー。」
さっちゃんがくすくす笑ってちょっぴり背中に回ってる腕の力が強くなりました。 さっきよりももっとくっついてん。 好きなだけすりっとしてお鼻にちゅう。 おでこにもちゅうして、ずーっと笑ってるお口にもちゅう。
ちゅっちゅっちゅっ。 ほんならさっちゃんが「真樹緒、」って。
「うむっ!」
かぷっって俺のお口にちゅうしたん! さっちゃんからのちゅうやで!
「何、俺がしたら駄目なの?」
真樹緒の可愛くってもどかしいちゅうは俺をすごく感じさせてくれるけど、それだけじゃあさっちゃん物足りない。 案外俺は欲張りだったみたいだ。 もっと真樹緒とちゅうしたいよ。 それこそここの奥まで。
舌を入れてなぶってやりたい。
「………ぬ?」
さっちゃんが何かにこにこイケメンな顔で言うてるんやけど、早口やったし一息やったしうまいこと聞き取れませんでした。 そんで舌って何の事やろう。
ぬぅ。 どないしょう。 さっちゃんがイケメンっていう事しか今俺に伝わってない。
どないしよう!
「ちゅうしていい?」 「ぬー、ええけどー…」
さっちゃん何や雰囲気がえろいん。
あれぇ? 何や政宗様と同じ匂いが。 政宗様が俺にセクハラしてくる時と同じ匂いが。
あれ。 さっちゃん、ちょっと待って。
「さっちゃん…」 「怖くない、怖くない。」
さっちゃんが俺の頭をゆるゆる撫でて、こめかみにちゅうしてくれたん。 優しいちゅうやで。 ちゅっちゅっって聞こえるん。
ぬー。 何か気持ちいい。 とろん、ってなってまう。 あの匂いは気のせいやったんやろうか。
あかんあかんさっちゃんにちょっと待ってもらわなあかんのにー。 柔らかいさっちゃんのお口があったかくてやー。
「にゅー…」 「ほら、気持ちいい。」 「ぬぅー…」
ぷに、って触られたお口にもちゅって。
やぁ気持ちええんー。 さっちゃんたらちゅうお上手ねー。 ほんまにとろん、ってなってもうて。 力が抜けそうになってやぁ。 思わずさっちゃんの腕にしがみついた。
さっちゃん、って呼んだらさっちゃんがちゅうってお口吸うねんで。 余計に足が震えてしまうん。
もう、待って。 さっちゃんちょっと待って。 俺政宗様探しにいかなあかんねんから。
「俺様が一緒にいってあげるよ。」 「ん、ん、…」
こちょばい。 さっちゃんちゅうしたまんましゃべらんとって。 ふう、って息を吐いたら目の前でさっちゃんが笑ってた。
頭ぼーっとする。 でもさっちゃんはずっと笑ったまんまなんやで。 そんでまた「真樹緒」って近づいてきたんやけどやぁ。
その時。
ドカンドカンドカン…!!!!
「ちょ!!」 「っなんー!!」
爆発した!! お庭が突然爆発した!! しかも明らかにさっちゃん狙い…!!!
「いささか不愉快だったものでね。」 「松永さん!!」
ぐる、って振り返ったら松永さんが縁側で素敵に指ぱっちんしながら佇んでいました!!
顛末顛末。 楽しげにゆうてるけど何だかやり足りなさそうな感じが怖いです!
…… ………
てゆーかさっちゃん。 爆発に巻き込まれてたけど大丈夫なん。
「(!!)」 「あ、こーちゃん気ぃついた?」 「(きょろきょろ)」 「あー、松永さんが指ぱっちんしてんよー。」
やから煙がもくもくなん。 さっちゃんが爆発に巻き込まれてもうて。 さっきまで一緒にちゅうしてたんやけどやぁ。
「!!!!」 「ぬ?」
あれ、どこいくんこーちゃん。 そっちはさっちゃんが巻き込まれた方向やでー!!
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