「こじゅさん見ぃつけたー。」
おシゲちゃんとゆっきーの活躍で、こじゅさんが無事にお縄につきました。 真樹緒です。 こんにちはー。 はい、鴨田さんもいっしょにー。
「こんにちはー。」 「ブモモー。」
よくできました!!
えらいえらい鴨田さん。 ゆっきーとは初めましてやもんね。 って事で。
「ごたいめーん。」 「ぶも?」
はい、ちょっと手のひらおいでませー。 ゆっきーと自己紹介やで。 おいでー鴨田さん。
ぶもぶも言うてる鴨田さんを手のひらに乗せてゆっきーの前へずずいっとね。 ほらほら見て鴨田さん。 爽やかなイケメンゆっきーですよ。
「おお!真樹緒殿、こちらは!」 「うわさのかもっ子、鴨田さんやでー。」
ご対面なん。 ほら、かえらしいやろう? 鴨田さん。
目ぇキラキラしてるゆっきーはちょっとかがんで鴨田さんをじぃー。 ぱちぱち瞬きしてから「誠に!」って。
「小さく愛らしい鴨殿にござるな!」 「やろう?」 「ブモー。」 「あ!鴨田さんどこ行くん!」
ゆっきーと鴨田さんがご対面。 人見知りせぇへん鴨田さんは俺の手のひらからゆっきーのふわふわ髪の毛へジャンプ。
あれあれ。 鴨田さん、そんな突然あかんよー。 ゆっきーびっくりしてまうやん。
「ぶも?」 「ほら、こっちおいでー。」 「なんの!」
鴨田殿は真綿のような軽さゆえ、苦はござらぬ。 お気に召されたならばぞうぞこのままで。
「ブモッ。」 「あれやぁ。」
よかったねぇ、鴨田さん。 ゆっきーがびっくりするかなぁって思ったんやけど二人ともちょっと仲良しさんやねん。 鴨田さんはゆっきーの髪の毛にもさって落ち着いてもうて。 ゆっきーはゆっきーでちょっと嬉しげに鴨田さん見上げてるん。
おお。 癒し! イケメンゆっきーとキュートな鴨田さんのツーショットってちょう癒し!!
ぬー。 かーわーいーいー。
「鴨田殿、某は真田幸村と申す。」
真樹緒殿とは平素から懇意にさせてい頂いておりまする。 ぞうぞ宜しなに。
「ぶもも。」
かーわーいーいー!!
「はいはい、分かったからそろそろこっち来て欲しいなぁ。」
流石におシゲちゃん一人じゃ手に余っちゃう。
「ぬ?」
俺がゆっきーと鴨田さんに癒されてたらおシゲちゃんが「真樹緒」って。
ああそうや! そうなん。 おシゲちゃん、今まで縄でぐるぐる巻きのこじゅさんを捕まえてくれててんよ。
やぁやぁかんにんおシゲちゃん。 忘れてた訳ちゃうねんで。 ちょっと鴨田さんとゆっきーに癒されちゃっててねー。 ごめんねーっておシゲちゃんにへばりついた。 へばりついて縄でぐるぐる巻きなこじゅさんをちらり。
「こーじゅさん、」
「…真樹緒、」
「うい?」
「かくれんぼとやらは本当にこんな風に泥臭い遊戯なのか。」
「ぬー?」
えー? かくれんぼはかくれんぼやで。 ほら、鬼が隠れてる人探していくん。 見つかったら負けやねんよ。 やぁ、別に捕まえやなあかんとかは無かった気ぃするけどー。
「これは本気かくれんぼなんだよ小十郎。」 「男と男の真剣勝負にござる。」 「ぬ?」
あれ、そんなサバイバルやったっけかくれんぼ。 ぬーん。
「あ、そうや。」
こじゅさんこじゅさん、ちょっとこっちむいて。 何やえらい様子やけど。 大丈夫? 覗き込んだら「ああ、」っておっきいため息吐きながら土だらけのこじゅさんがやるせなく肩を落としました。
ぬー。 男前は何やっても様になるんやねぇ。 ちょっと疲れた感じがまた何ともいえずいい味出してますよ! 惚れ直しちゃうわ!
「こじゅさん。」 「どうした真樹緒。」 「あんな、あんな、」
みーつけた。 こじゅさんみーつけた!
「あ?」 「へへー。」
鴨田さんも一緒にみーつけた、やで! ちら、ってゆっきーの頭みたら鴨田さんが「ぶも?」って首かしげてるん。 かわいらしいんー。
鴨田さんも後でちょっとこっちきてな。 やらなあかん事あるからやぁ。 でも先にこじゅさんなん。
「おシゲちゃん、ちゃんとこじゅさん捕まえててな。」 「はいはい、大丈夫だよ。」 「…真樹緒…?」 「ぬふー。」
ちょっと不安げなこじゅさんに背伸び。 やぁやぁそんな顔せんでも大丈夫やでー。 痛いこととかせぇへんからな! ほら、ちょっとちゅうしようと思って。
「………あァ?」 「ちゅうするん。」
俺鬼やん。 かくれんぼの鬼やん。 鬼にみつかった人はちゅうされやなあかんねんで。 やからちょっとじっとしててねこじゅさん。
…… ………
「かくれんぼとやらは本当にそんなものが必要な遊戯なのか…!!」
「諦めなよ小十郎。」
真樹緒が言うんだから必要なんだよ。
「武士には潔さも必要にござる!」
腹を括られよ!!
ほらー。 おシゲちゃんとゆっきーもこうゆってるし。 覚悟しなさいよ! ちゅうするん。
「ブモ。」 「鴨田殿もそう思われるか!」 「ブモモ。」
やぁやぁ、鴨田さんのお許しも出ました! おすみつき!!
ゆっきーの頭の上でぶもぶも言うてるん。 ぬー。 ほんまに鴨田さんゆっきーの頭お気に入りね。
「ブモッ。」
「あら、いつの間に仲良くなられたの。」 「先ほど真樹緒殿から紹介に預かりました。」 「それはそれは。」 「…てめぇら。」
この状況をどうにかしようとしねぇんならせめて縄を解きやがれ。 じろっとこじゅさんがゆっきーとおシゲちゃんを睨んでるんやけど、全然全く二人は堪えていません。 笑ってるん。
「ほらほら真樹緒。」 「どうぞこちらへ。」 「うぃー。」
はい、皆さんのお許しが出たのでさっそく。 ほらほらこじゅさんちょっと屈んでちょうだいな。
何やこじゅさんとちゅーするんは久しぶりやねぇ。 こじゅさんの肩に手ぇおいて背伸び。 こじゅさん背高いからこうせんと届かんの。
「…、真樹緒。」
ぬーん。 そんな困った顔してもあかんでこじゅさん。 ちゅうするん。 これはお約束やねんから。
「っ真樹緒…!!」 「ちゅー。」
おろおろしてるこじゅさんのおでこにちゅう。 ちょっと前髪が乱れてるからそれを避けてね。 それから下にずれて困った顔してる眉間にちゅう。
「っこら止めねぇか!」 「嫌やしー。」
やぁ、こじゅさんほっぺた赤いよー。 かえらし!
照れてるだけなんこじゅさん。 やからまだまだちゅうするん。
「こじゅさん。」 「っ!」
おでことおでこをごつん。 お鼻をすりっとくっつけて。
なぁなぁこじゅさん。 鬼に見つかったら鬼の言う事きかなあかんねんで。 やから大人しくちゅうされやなあかんねんで。 そう言って見上げたらこじゅさんがぐ、って黙ってもうたん。
あれ、あきらめた? ぬふー。 俺の勝ち!
「こじゅさん、」 「本当にお前は…」 「へへー。」
ちゅうしてもええ? …好きにしろ。
苦笑いのこじゅさんも素敵に男前よ!
「ではでは。」
こじゅさんのほっぺたに手ぇ添えて。 こじゅさんはちゃんと屈んでくれたからもう背伸びはせんでも大丈夫。 ちら、って目ぇみたら笑ってくれた。
ぬー。 そんな笑われたら照れくさいん。
「目ぇつむってや、こじゅさん。」 「今更何言ってんだ。」
好きなだけ遣らかしたのは誰だ。 俺かって恥ずかしい時もあるんですー。
ほらほら早く。 急かしたら「しょうがねぇな」って。
「やだ、何ちょっとそんな甘い雰囲気。」
俺の時には無かったよ。
「何を申しますか成実殿。」
貴殿の折もそれはそれは斯様な雰囲気でございましたぞ。
「そう?」 「確かに。」
ゆっきーとおシゲちゃんが何やゆうてるけど気にしないー。 目ぇつむったこじゅさんのまぶたにちゅう。 そんでそれから。
「……」 「真樹緒?」 「…ちゅっ。」
ちょっとかさついたこじゅさんのお口にもちゅう。
「っ!!??」
口にされるとは思ってへんかったみたいなこじゅさんは、俺がちゅうした後思いっきり目ぇ見開いてがばちょと俺の体を引っぺがしました。
ぬー。 その後びしっと固まってもうてちょっと寂しいです。
「っちょっと真樹緒何してるの!!」
「ぬー?ちゅうやで?」
「く、くくくく口になさっておられませんでしたか…!」
「やってちゅうやし…」
でもゆっきーとおシゲちゃんが何やら怖くてどうしよう。 掴まれてる腕とか肩とかちょう痛いです!!
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