02




こーちゃんが奥州のお山をとんとん飛んで、一番背の高い杉の木で一休み。
てっかてかのお日様に目を細めて。
やってきました初めての川―!!!


「つめたいんー!!」


お山に面して流れる川は、とっても綺麗なお水でとっても冷たいお水です!
真樹緒ですこんにちはー!!


「あ、さかなやー。」


こーちゃんが連れてきてくれたのは森に囲まれた静かな川でな。
岩がごろごろしてるけど流れはそんなに無いん。
水の色が濃いところは深いから気をつけてくださいね、ってこーちゃんが言うたから俺は浅いところで足を水につけながらばしゃばしゃしてるんよー。
着物はちゃんと濡れやんように右っかわを結んでるから大丈夫やで?


つめたい!
気持ちいい!!


「ぬふーん。」


足をばしゃばしゃ。
手ぇもばしゃばしゃ。
おっきな石で池つくってみたりして。


後でお魚捕まえて入れるねん。


「へへー…」


あ、こーちゃん?
こーちゃんな、さっきから何か作ってくれてるんよ。
竹で。
竹をやぁ、クナイで削ったり穴開けたりしてるんやけどまだそれが何かは分からへんねん。


「ぬー。」


でもせっかく川来たのに一人で遊んでるのはなー。
こーちゃんと一緒に遊びたいなー。
ちらっと振り返って見えるのはこーちゃんの背中。


うぬぬー。
そんな可愛らしい背中してたら後ろから飛び込んでしまうよー。
ジャンプしてその背中にぺそっとくっついてしまうよー。


もー。
こーちゃんは俺が相手だとむぼうびでいけないわ!


……
………


そう。
無防備なのがいけないわ!


よし。


行こう。


行ってあの素敵な背中に飛び込もう。
きっと俺を受け止めてくれるはず!
そうと決まればすぐさまだーっしゅ!!


「こーちゃぁぁぁん!!」


俺一人で遊ぶんさみしいー。


かまってー。
相手してー。
一緒に二人で遊ぼうや!!


「とおっ!!」


どっしーん、って体当たりしたはずやのに逞しいこーちゃんの背中はちょっとも動くこと無く俺を受け止めてくれました!


「?」
…やぁ、ちょっとびっくりさせよーかなーって。


ぬー。


でもさすがね、こーちゃん。
揺れたん髪の毛だけやったね。



「(なでなで)」
「にょー…」


背中からこーちゃんにくっついてさっきから何作ってるん?って覗き込んだ。


ほんなら頭撫でられてんー。
こっちもさすがね、こーちゃん。
相変わらず見事なおてまえでー。
俺の顔も緩んでしまうよ!


「…」
「ぬ?」
「(すっ)」
「?こーちゃんそれ何?」


暫くなでなでしてもらっとったらな、こーちゃんがさっきから色々やってた竹くれたん。


んん?
もうええの?
出来上がり?


「(こくん)」
「おおー…」


できあがりやって!


「こーちゃんおつかれさまー。」
「(ふるふる)」


うんうん。
一生懸命首振るこーちゃんは可愛いねんで?
でもやぁ。


……
………


これ何やろう。


やぁ、こーちゃんが持ってたのは何やちっちゃい穴開いてる竹と棒みたいなんが一本。
でも棒の先に平べったい丸いのついてるし。


これ何やろう。


「あ、」


でもそうや。
これあれに似てる。
ほら、あれやん。
ところてん作るやつ。


ぬーん。


こう中にところてん入れて押したら、細くなったところてんが押さって出てくるやつ。
にょろん、って。
…でも絶対このタイミングでところてんちゃうわな。
こーちゃんがまさかところてんも無いのにところてん押すやつ作る訳無いもんな。


「(トントン)」
「ぬ?」


俺がその竹を受け取ってぐるぐる考えてたらこーちゃんがその竹を持って川へ行くん。


うん?
こーちゃん?


ああもちろん俺はこーちゃんの背中にぺそってくっついてるで。
こーちゃんは軽々持ち上げてしまうんやけど!


「水?」


入れるん?


「(こくん)」
「へー…」


こーちゃんが川の水をその竹に入れてな、やっぱりところてん押すみたいに棒おしたら何と…!!


おお…!!!


何とちっさい穴から勢いよく水が!!
ばびゅんと水が!!


「水出た!!」


すごい!
これはもしや水鉄砲!
手作り水鉄砲!!
こーちゃんすごい!


「やらしてやらして!」


俺も!
こーちゃん俺もやりたい!


手ぇ伸ばしたらこーちゃんが水入れた水鉄砲を渡してくれました。
ありがとこーちゃん!


「(すっ)」
「ぬっ!?もういっこあるん!?」
「(こくこく)」
「っこーちゃあぁぁぁぁん!!」


ないすー!!
こーちゃんないす!
これで遊ぼう!!


ばびゅんばびゅんって打ちあうん!
二人でぬすっとと探偵ごっこやで!


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