02



首を振るこじゅさんの腕を引っ張って、やってきましたヒノキ風呂ー!!
政宗様ご自慢のお風呂はふわんと湯けむりに木の香りが匂ってとっても素敵な温泉です!
真樹緒ですよ。
鴨田さんをわっしゃわっしゃ洗いながらこんにちは!!


「鴨田さん気持ちいいー?」
「ぶもっ。」


はいはい、ほんなら次は羽の裏っかわをわしゃわしゃしますよー。
じっとしててねー。


鴨田さんの羽をなー、灰で洗うねん。
灰ってな、汚れを取るのにとっても良いんやてー。
こじゅさんが教えてくれたん。
やからな、鴨田さんの黄色い羽を灰でわしゃわしゃ洗てるねん。
灰色の泡がぶくぶく言うてるけど鴨田さんが気持ちよさそうやから気にしないー。


あ、鴨田さんはお馬の背中で日向ぼっこしてたんつれてきてん。
一緒にお風呂入る?って聞いたら「ぶもっ」ってゆうたからやー。
やから皆でお風呂やで!


「真樹緒。」
「う?」
「あまり動くな。」


髪が洗えねぇだろ。
こじゅさんがちっちゃく息を吐いて俺の頭をくい、って上げた。


そうやねんー。
俺今なこじゅさんに頭洗ってもらってるんー。
鴨田さんといっしょで灰でなー。
こじゅさんのおっきい手がちょう気持ちええねんで!
わしわしごしごし、絶妙な手さばきです!


「ぬー…気持ちええんー…」
「ぶもー…」


何でやろうなぁ。
人に髪の毛洗ってもらうんってしふくー。
とろーんてなるー。
あ、こじゅさん耳の後ろとかプロですなー。
もうちょびっと力強くても大丈夫ですよー。
こうほら、ぐしぐしって。


「こうか。」
「ぬふーん…」


ほんならこじゅさん笑ってぐしぐししてくれたん。


気持ちいいんー。
寝そう。
寝てまいそう。
目ぇつぶってこじゅさんの手うっとりしてたら、ほんまにかくんっていってまいそうです。
寝るなよ、ってこじゅさんがくすくす笑ってるけどやぁちょっとお約束できひん感じ。


「ブモッ。」
「ぬー、大丈夫やてー。」


寝ぇへんよ。
鴨田さんも洗わなあかんしなー。
うとうとしてたら俺の手ぇを鴨田さんがつつくん。
かんにんかんにん。
ぼーっとしてたら鴨田さん灰色の泡だらけ!!


「…こじゅさんこじゅさん。」
「どうした。」
「見てー。」


ちょう見て。
ほら、鴨田さん。


リーゼント。


泡でリーゼント。
ふわふわリーゼントやで。
ちょい悪鴨田さんなん。
かえらしない?
リーゼントな鴨田さんをこじゅさんに見えるように持ち上げてんやけどやぁ。


…怒っとるぞ。
ブモッ。


すこんっ!


「あいたっ!」


怒った鴨田さんに頭をすこんってくちばしでつつかれました。
俺の顔も泡だらけです!!


ぬー。
ごめんー。
ちょっとしたおちゃめやんー。
鴨田さんにリーゼント似合うと思ってやー。
アフロのがよかった?


「ぶも?」
「髪の毛もこもこなん。」


こうな、もさっとなる髪形なんアフロ。
今度やってもいい?


ブーモ…
あ、いや?


何やちょびっといいお返事やないけど気にしない!
今度チャンスがあったら鴨田さんの頭をアフロにしますー。

ほら。
鴨田さんアフロ絶対似合うと思うん。
俺は諦めません!


「真樹緒。」
「ぬ?」
「流すぞ。」


目を瞑れ。
俺が鴨田さんのアフロを企んでによによしてたらこじゅさんが桶持って肩にお湯かけてくれたん。
ついでに鴨も流してやれ、って苦笑いです。
ああそうや!
俺も鴨田さんの羽洗らわなー。


「鴨田さんも目ぇつむってやー。」
「ぶも。」


はいはいおっけ。
準備おっけー。
こじゅさん俺も大丈夫やでー。
思いっきり流しちゃって!!
ほんなら今度は俺がこじゅさんの髪の毛と背中流すからな!
楽しみにしててね!


「そら。」
「ぬー!」
「ぶもー!」


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