07



こーちゃんとさっちゃんがお空で激しくクナイの打ち合いしててな。
俺はさっちゃんの腕にだっこされたまんま、目の前を飛び交うクナイに声も出ません。


「俺様達が真樹緒に当てる訳無いでショ。」
笑顔でゆわれても怖いだけー!!


やって耳元でめっさキンキンいうてるもん!
たまにほっぺたの横、びゅんってクナイ飛んでくるんやもん!
ここお空やもん…!!!
俺みたいな普通の男の子にはちょっと辛いもんがあるんよさっちゃん。


真樹緒ですこんにちは!!!


「こらこら違うでしょ。」
「ぬ?」
「真樹緒は今女の子だろー?」


ほら、やわっこい。
もにっ。


「ぬお!!」


そんな俺にお構いなしのさっちゃんはお空を上手に飛んでやぁ。
俺、振り落とされやんように首に必死に掴まってたら、さっちゃんがもにって!
おっぱいもにって!!


ちょっとさっちゃん!
いきなりおっぱい触らんとってぇや!
びっくりするやん!

まだ、このもにょっとした感覚慣れへんねんから。
こしょばいしやー。
そういう時は一言俺に断ってくれなくちゃー。


…断ったら触ってもいいの?
ぬ?やって政宗様も、もにもに触ってたで?


俺別に気にせぇへんよ?
政宗様はちょびっとやーらしかったけど。
おっぱいは柔らかくて気持ちええしやぁ。


ほらさっちゃん。
触る?


どお?ってさっちゃんを見上げたんやけど、さっちゃん何や笑ってるのに怖いん。
「へー。そうなんだ」ってこめかみがぴくぴくしてるん。
でも笑ってるんやで。


怖いん。


………ぬ?
あんの糞竜が。


……
………


怖いん。
いっつもはイケメンなさっちゃんの目が尖がってきらりときらめきました。


「真樹緒。」

「ぬ?」

「こんなとこにいたら、俺様の可愛い真樹緒が孕んじゃう。」

………ぬ?


ほんでその顔のままさっちゃんが言うん。
ね?なんて俺の頭撫でてるけどこーちゃんのクナイをしゅばっと避けながらやからやっぱり何だか怖いです…!


どないしたんさっちゃん…
俺なんや変な事言うたやろうか。
もしかしておっぱいのくだり?


「(シュッ)」
「あっ!こーちゃん!」


むーんって考えてたらこーちゃんが目の前に。
俺の方向いて手ぇ伸ばしてくれたからその手ぇ掴もうと俺も手ぇ伸ばしてみたらスカッって。


「…さっちゃん…」
はい残念―。


さっちゃんが俺ごとこーちゃんの手ぇ避けたん。
イイ笑顔で避けたん。


えー。
さっちゃん。
避けるんさっちゃん。
そろそろ俺も戻った方が良いと思うんやけどさっちゃん。
やってこーちゃんもそろそろ怖い!!


(チッ)
「こーちゃんが舌打ち…!」


ほら!
ほら見たさっちゃん!!
こーちゃんが!
あのこーちゃんが舌打ち!!


「そーこなくっちゃねー。」
俺のはなし聞いて!!


さっちゃんがまたクナイ出してきたん。


もー!
さっちゃん!
俺今言うたやん!
そろそろ戻った方がよくない?って。
さっちゃんもお仕事やろう?


もー!
ほらほらさっちゃん!ってさっちゃんの腕の中でじたばた。
あんまりこーちゃんを怒らせないでってじたばた。
何かいつもより力が無くなった俺は全然全くさっちゃんの腕には適わんのやけどじたばた。


笑ってるさっちゃんと怖いこーちゃんの間でとってもせちがらい…!!



「…全く卿らは騒がしい。」
ぬ?



やぁ、ほんならやぁ。
何や聞いた事があるような声が聞こえてきてん。
下の方から。


この声は。
もしかしてこの声は、って下覗き込んだ時。


ドカン!!!


「「「!!!」」」


轟音が。
こっちもやっぱり何や聞いたことがある轟音が。


ドンドンドン!!!


「ちょ!何なのこれ!」
「…っ!!」


やぁ、これあれやん。
ほらあれ。
前にお山を爆発させた事ある、あれ。
松永さんの指ぱっちんやん…!!!


「にゅー!!」
「真樹緒!?」
「!?」


轟音の後は煙がもくもく。
俺、目の前が見えへんようになって。
さっちゃんの腕の中で暴れてたもんやからずるって。


「落ちるんー!!!」
「真樹緒!」
「っ!!」


ドンドンドン!!
ドカン!!



「ちょっともう!何なのこれ!!」


うん、ほんまに。
松永さん何でこのタイミングで指ぱっちんなん。
俺、落ちてもうたやん…!!
お忍びさんやないねんから、俺こんなとこから落ちてどうしてええんか分からんよ…!!


「卿一人くらい、受け止める事など容易いものだ。」

「ぬっ!!」


ほんならどさっ!ってやぁ。
いつの間にか俺はお空から松永さんの腕の中。
見上げた松永さんはため息を吐いて。


「一体、これは何の顛末かね。」


全く持って見苦しい。
日日、夜もすがら私は静かに過ごしたいのだよ。


「ぬ?」


俺が首を傾げたらお空でもう一回ドカンって物凄い音が聞こえました。
さっちゃんの叫び声も聞こえました。
ちょっとここも煙いです。


でもやぁ。


「………あれー…?」


あれ?
松永さん、指ぱっちんしてへんのに爆発した?
やって松永さん、今俺のことだっこしてくれてるんやもん。
でもそんなまさか。
松永さんに限ってまさか。
指ぱっちんは松永さんのアイデンティティーやのに…!!



卿は私を何だと思っているのかね。
「やってやー。」


ゆびぱっちん…
まだ俺、いまだに指ぱっちんの秘密教えてもらってへんねんもん!



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