さっちゃんと一緒にお城の屋根でひなたぼっこ。 こーちゃんは相変わらずさっちゃんの分身さんと一緒にお空でお話しててやぁ、帰ってけぇへんねん。 おーい、こーちゃーんって呼んでみたんやけどな、まだまだお空でカンカンキンキン忙しそうです。 背中におるさっちゃんが「俺様の分身は優秀だからねー」ってご機嫌なんやけどどういう意味やろう?
ぬー。 屋根から落ちやんよーにただいまさっちゃんのお膝に乗ってる真樹緒ですー。 頭にあるさっちゃんの顎がちょっぴり痛いんー。
こんにちは!!
「あれ、真樹緒。」 「ぬ?」 「何かいつもよりちっまっこい?」 「んんー?」
さっちゃんな、奥州にお仕事やねんて。 政宗様におやかた様からのお手紙持ってきてくれたんやって。 そろそろ顔見せにおいでーっていうお手紙らしいで。 ゆっきーも待ってるねんて! やぁ、俺も皆に会いたい!!
でも政宗様、今こじゅさんとお話しとるやん? 何やらお説教中やん? やからちょっと二人で日向ぼっこしてたんやけど。
「それに何か痩せた?」 「ぬ?」
ちょっと前より軽いよ。 さっちゃんが俺をひょいって持ち上げたん。 ちゃんとご飯食べさせてもらってるの、ってやっぱりさっちゃんは甲斐のお母さん!
「あ、さっちゃん知らんのやっけ。」 「うん?」
何が。 首をきょとんって曲げたさっちゃんの髪の毛をぽふぽふ。 そんな可愛い事せんとってぇなってぽふぽふ。
そっかそっか。 さっちゃんに言うてへんかったやんなー。 そらびっくりするやんなー。
「あんな、さっちゃん。」 「うん。」
ちょっと聞いてや、さっちゃん。 俺ひなたぼっことかしとるけど、今大変な事になっとるねんで。
「俺、女の子になってもうてん。」 「…………うん?」
俺、うっかりこーちゃんが作ってもうたお薬をあめちゃんと間違えて食べてもうてなー。 体が今女の子やねん。 びっくりするやろう?
「え、ちょ、どういう事、」 「やから俺女の子やねん。」
真樹緒子ちゃんなのですよ。 何やら焦った声のさっちゃんを見上げたら、眉間に皴寄ってるん。
ぬー? 信じてへん? でもおっぱいもあるねんで。
…… ………
見る?
さっちゃんにだっこされたまんまで着物ごそごそ。 やぁ、着崩れた着物こじゅさんが直してくれてん。 やからちょっと襟緩めてごそごそ。 おっぱい見える様に襟開いたらおっぱいがぷるん、って。
「ほら、見てさっちゃん。」 「っ!!!???」
おっぱい。
俺の手ぇにはちょっとおっきめなん。 ぽにょぽにょしてて柔らかいねんで。 ほら、こうやって揺れたらぷるんぷるんするん。 ちょびっと動きにくいし女の子って大変やなー。
「な、ちょっと真樹緒何それ…!!」 「ぬ?おっぱいなん。」
ゆうたやん、さっちゃんー。 もー。 聞いてへんかったんー? 俺女の子になってもうたって!
おっぱいもな、何かもりっと膨らんでてん。 ほら見てんー。 ぷるぷるしてるやろう?
「女の子は簡単に胸見せたりしません…!!!」
「おわっ!」
着物の襟をぺろんってめくってさっちゃんにおっぱい見せてたのにやぁ、さっちゃんががばって襟しめたん。 ぐぐぐって力いっぱいしめたん。 しかも物凄い勢いでびっくりしたで!
「ぬ?あかんの?」 「駄目。」
風魔の丸薬こっそり食べてそうなったのは分かったけど、だったらちゃんと自覚しなさい。 そんなぷるぷるしたの簡単に男に見せちゃ駄目だよ。 何、触って欲しいの。 真樹緒がその気ならもうさっちゃん知らないよ。 ただの甲斐のお母さんじゃないんだよ。 覚悟しな。
「(シュッ!!)」 「おっと。」 「ぬ?」
さっちゃんが俺の着物持ったまま何やイケメンな顔してん。 でもな、その瞬間ばびゅんって急にお空に飛んでん。
あれ? どないしたん、って見上げたら「こーちゃん野暮で俺様困っちゃう。」ってさっちゃんがきらっと光るクナイを指でくるくる回してました。 笑ってるけど何やちょびっと怖いです。 そんでそんなさっちゃんの正面には、若干黒いオーラが漂うこーちゃんが。
「…ぬん…」
そう、クナイをいっぱい持ったこーちゃんが。 ぴりぴりしたこーちゃんがさっちゃんと二人見詰め合って、この辺の空気がとっても息苦しいです…!!
「…」 「やだなー。見てない見てない。」
真樹緒の可愛い胸なんて見てないから。 顔が幼いのに大きいって悩ましいなぁなんて思ってないから。 けどそれにしても眼福だったよね。
「(ブチッ)」
ヒュン ヒュン ヒュン
「にょー!こーちゃんそんな投げんとってー!!」
「あはー。真樹緒のこーちゃん怖い怖い。」
「やったら何で楽しそうなんさっちゃん!!」
あんまりこーちゃん怒らせやんとってや! 最近俺、ただでさえ怒らせてばっかなんやから!!
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