03




「政宗様―。」
「Ah?」
「そろそろおっぱい放してー。」


政宗様が俺のおっぱいをもにもに。
両手でもにもに。
背中におる政宗様は何かいっつもよりも体がおっきい感じがして、ちょっと腕から抜け出せやん感じ。


どういう訳か朝起きたら女の子になってた真樹緒ですー。
まだお外は薄暗いけどもう目ぇ冴えてもうたからおはようございます!


音を上げる程揉んでやるって言ったはずだぜ。


もう降参か、真樹緒。
政宗様が俺の肩にあご乗せてけらけら笑う。


やって。
やってやぁ。
なぁーんか変なんやもん。

おっぱい、もにもにされたら。
ちょっと俺、変なんやもん。


「Ah―?」
「ぬー…」


さっきまで、全然全くそんな事なかったのに体がやぁ。
政宗様に触られてるとこ何か熱いん。
お腹の下の方、むずむずしてくるし。


このままやったらちょっとまずい気ぃしやん?
よう分からんけど、道踏み外しそうな気ぃしやん?
俺はする…!!


「…よし、」
「真樹緒?」


って事で腕の中から出ようともぞもぞ。
政宗様のあぐらの上をもぞもぞ。


ちょっと政宗様、手ぇはなしてんかー。
よう考えたら俺いま女の子やんか。
女の子がこんな格好で男の人にだっこされてたらあかんと思うんよ。
やからほら。


ぐい、って政宗様から体遠ざけてみたんやけど。


「、真樹緒…」
あぅっ!?


政宗様がやっぱりおっぱいもにもに揉むん…!
しかもさりげなく着物の中に手ぇ入れてくるん…!


ちょっ!
何してるん政宗様!!


それはあかん。
それはあかんよ…!


「why」
…大切な何かを失いそうな気ぃする。
「失くしちまえ。」


俺が全部貰ってやるよ。
真樹緒。


「んっん…!」


いつもよりもっと優しい声の政宗様は俺の首にちゅうしたり、足を撫でたり。
どこもかしこもお肉でぷにぷにになった俺の体はやっぱり触られる度にちょっとおかしくて。
力がくったり抜けてしまうん。


もう、もう、政宗様。
体が変な感じって言うてるのに。
やめてやぁ。


「真樹緒。」
「いやや…もう…」


俺の体や無い感じするん。
全部熱いしお腹じんじんするん。
やからお願い。


「相変わらずcuteだな。」
「んぅー。」


政宗様、ってお願いしたのに政宗様おでこにちゅーするだけなんやで。
手ぇはゆっくり着物の中入ってくるし。
力は抜けてしまうし。
いつの間にか座ってたのにまたお布団の上に寝かされとるし。


俺、こまる。
こんなん困る。


「まさむね様…」
「なぁ、真樹緒。」
「…?」


ちゅっちゅって政宗様は俺にちゅうばっかり。
やっぱりやわっけぇな、って楽しそうに。


なに。
なんなん、政宗様。
もうほんまに堪忍してほしいねんけど。
力が入らん腕を伸ばして政宗様のほっぺた抓ったろうと思ったら、「come on」ってそのまま手ぇ取られて政宗様の首の後ろに持っていかされてん。


ぬー。
更に政宗様とくっついただけ!!


「真樹緒、」
「なん…」
今の俺達に足りないものは何だと思う。
…ぬ?


あれ。
あれ、政宗様。
何かちょっと目ぇおかしいで。


やぁ、さっきひとしきりおっぱい触ってた時の目ぇと一緒。
まじなんやけど、何かちょっと違うまじっぽい。


あれ。
政宗様どないしたん。


「ま、まさむねさま…?」

ああ、祝言はすぐにでも挙げてやる。

…ぬ?

「だがその前にしなきゃいけねぇ事があるだろう?」

………ぬ?


やぁ、祝言は俺つっこまんよ。
それこそ突っ込んだら負けやと思う俺…!!
しかもこんなまじな政宗様にツッコミやなんてそんな恐ろしい事できません…!


それよりなに。
やらなあかん事って何。


「まさ…」
既成事実だ。
ぬっ…!!
するぞ子作り。
いやいやいや…!!


政宗様!
落ち着いて政宗様!!


俺男の子やから!
子作りできやんよ!


「立派な乳がついてるじゃねぇか。」


もにもに。
もにもに。



「ぬー!また揉むー!!」


やめてんかー!!
それ以上やったらせくはらやでせくはら!!
俺怒るよ!!


政宗様の下でじたばた。
ちょっといつもの政宗様に戻った感じやけどやっぱり目が怖いです!


「真樹緒。」

「…ぅい…、」

目の前にchanceがあるならそれを逃さねぇのが俺のpolicyだ。


…ちゃんす。
チャンスて何なん政宗様。
何のチャンスなん。


子作りに決まってんだろうが。
決まってへんよ…!!
「いつ戻るか分からねぇだろう。」


お前が男だろうが女だろうか傍に置くことに何の問題もねぇが、これだけは別だ。
今の内に仕込む。


任せておけ。
俺の子種は優秀だ。
一度で成してみせる。


何する気…!!


政宗様がじたばた暴れる俺の足と足の間にずずいって入ってきた。
によによ笑ってちょっといやらしいん!!
政宗様の手ぇは俺のふともも触ってるし!


やーめーてー!
これは本格的にやばいと思ってやぁ。


「こっ!こじゅさぁーん…!」


俺の最終兵器!
助けてこじゅさん!
こーちゃんは多分朝からお仕事やったと思うからこじゅさん!
政宗様が暴走中ですよ!!


助けて…!!


「残念だったな、真樹緒。」
「ぬっ!?」
「小十郎なら今頃畑だろうよ。」
は!!


そうや!
そうやん!
こじゅさんの日課は畑のお手入れ!!


ぬー!!
今ごろきっとカボチャとインゲンにお水やってる…!


ぬーん…


おおお。
俺、逃げれやん。
どないしよう。
このままやったら政宗様と子作り…
ていうか子作りって。


「真樹緒。」
「ぬぅ…」


そ、そういう知識が無いんとは違うよ。
ほら、おれも多感なシックスティーンやし。
うん知ってるんよ。


それに政宗様の事も大好きやで。
くっつくんもちゅーも大好き。
そういうんするんも嫌やない、と、思うしー。
や、思うだけやで。


うん。
うん、


……
………


でもやっぱり今は俺やけど俺ちがうん…!!


「かーんーにーんー!」
「チッ!往生際が悪ィ!!」
「やぁ、着物ぬげるー!」
「脱がしてんだよ!」


もー!
今は嫌なんー!
俺、今何か俺ちゃうんやもんー!!
嫌なんー!!


政宗様の背中をぽんぽこ叩いてじたばた。
離してやーってじたばた。
これはもう襖破って逃げるしかない、って思った時にやぁ。


そこまで!!!
「「!!??」」


その襖がスッパンって開いて。
気持ちいいぐらいスッパンって開いて。


畑におるはずのこじゅさんが。
お仕事行ってるはずのこーちゃんが。



「〜〜〜!!」
「風魔がいつになく焦っていたかと思えば。」


何をしていらっしゃるので。
政宗様。




Ah―…小十郎…
…こーちゃん。



鬼の形相で(こーちゃんに至っては何だか泣きそうな顔で震えて)仁王立ちしながら俺と政宗様を見下ろしていました!
正直真剣に怖いです!!



やぁ、その後すぐさまこーちゃんが政宗様の下から救出してくれておっきな上着をかけてくれてんけどな。
紳士!!


政宗様?
政宗様はこじゅさんに何や怒られてるん。
俺はこーちゃんにだっこされてお城の屋根に避難ですー。


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