お父さんを馬鹿にされて怒り心頭な子供たち

ふだんお父さんには厳しいけれども、実はすごく大事に思ってるのでお父さんを馬鹿にされたりなんかしたら鬼の形相で怒る子供たち、っていう妄想をしています。
四国家族。
四国のお父さんは元親さんでお母さんは明智の光秀さん。
長男に武蔵君、二男キネマ主、三男小太郎さん(だったと思う)最近これに三成君が末っ子で入って、たまに紅一点のひなぎくちゃんを入れて下さったら幸いです。

ひなぎくさんは「本編に登場しないニルっこ達の設定」にはまだありませんが、ログでちょっと設定として出た明智の光秀さんとあにきの娘です。
銀髪赤目の美少女。
お年頃になって父上への反抗期真っ最中だったりします。
でも反抗期でも父上の事はちゃんと大好きなのですよ。


「おゥひなぎく!これからァ海に出んだけどよう、一緒に行くかァ?」
「結構です箏のけいこがありますので。」


ツン、っていうふうにあしらわれる元親さん。
元親さんはいつもの事なので肩をすくめながら頭がしがし。
野郎どもはハラハラ。
ひなぎくさんはちょっと自己嫌悪。


「母上…わたくし、どうしても父上と普通に話す事が出来ません。」
「そういう時期なんですよ。」


誰にでも訪れる時期です。
父上も分かっています。
焦らずとも時間がくれば自ずと解決していくものですよ。

ほら兄達が迎えに来ました。
町にでも下りて気分を変えていらっしゃい。


「父上には私が。」
「…母上。」
「土産には羊羹を買ってきて下さいね。」
「っはい。」


母娘の関係は良好です。


「ひーなーちゃーん!」
「二の兄上!」
「ここにいたかひなぎく。」
「四の兄上!」
「はよう、はよう。」

もう武蔵君あっちで待ち切れてたいへんやで!
こーちゃんひなちゃんだっこして!
いそげいそげー!

「一の兄上が?」
「(…すっ)」
「三の兄上、ありがとうございます。」


ひなぎくちゃんは兄上いっぱいいるから上から順番に番号たす兄上で呼んでいるよ。
双子が出るならばキネマ主は双子の母上、なんですけれども四国家族ではキネマ主子供扱いなのでね。
二つのイフの世界は繋がってはいないはずなので分かりにくいですが別だと思って下されば幸いです。


さてさて、父上をまかされた母上ですが。
明智の光秀さんですが。


「…行ったか?」
「ええ真樹緒達と。」
「はぁァあ!子供の成長ってのは早ェなぁ。」


ちぃーっと前まではちちうえちちうえっつってどこに行くにも後追って来たのによう。


「ふふ、そんなに拗ねないで。」
「拗ねてねェよ。」
「頬をふくらませて何を言います。」


おなごには色々あるんですよ。
その内また父上父上と後を追う日も来るでしょう。


「いいなかーちゃんはよう。」


石田の時もそうだがよ。
初めは俺ンの方に懐いてたんだぜ。
それがどうだ。
今はオメーばっかりよう。


「あなた構い過ぎるんですよ、鬼。」
「コドモは可愛いだろうがよ。」
「すっかり父が板について。」
「あン?」
「ふふふ、」


あなたも可愛いですよ。


「……」
「ふふ」
「……よせやい。」



らぶらぶ。
この元親さんは多分ふくれっつらであぐらの上に明智の光秀さんを乗せて明智の光秀さんの頭にぐりぐり顎おしつけてます。
親父ぶりたいのに子供扱いされてちょっと照れくさい元親さんでひとつ。


ではでは子供たちですね。
町にくりだした子供たちですね。
何と言う事はありません。
キネマ主と小太郎さんが遊びに来たので武蔵君、三成君、ひなぎくちゃんの元々四国にいる組が一緒に町でおやつ食べたり買い物したりしようねっていう一日です。


まずは軽くお昼ご飯。
寒いのであつあつのおうどん食べて。
四国はお魚がおいしいからお刺身と焼き魚食べて。
かんざしのお店や風車の屋台、金魚屋さんをひやかして。
お団子買って神社の境内で頂いて。
そしたら神社の境内で焼き芋やってたからお相伴にあずかって。

日も暮れて来て、さあ明智の光秀さんへのお土産を買おうかなと思っていた時、ゴロツキに出会うんですね。
ゴロツキ。
他国から四国にやってきていたお貴族様でもいいです。
あれですね、今回の4で帝がいる事が分かったので朝廷にお貴族様いらっしゃいますよねそれこそ地位を鼻にかける。
雅にしか興味の無いテンプレお貴族様が。

そのお貴族様が四国にご旅行してたんですね。
四国の有名なお祭りでも見に来てたんですかね。
でもそんな外面的なところしか興味を持たず中身を見ないお貴族様はね、海賊が治めてるってんで馬鹿にするんですよ。
海賊を。
四国を。


「ほんに何もない田舎よな。」
「ほっほ、祭事がなければ足も踏み入れぬ場所じゃ。」
「何でも海賊が治めているというではないか。」

鬼とゆう噂じゃぞ。

「野蛮じゃ野蛮じゃ。」
「民も見やれ、どことなく粗野で雅が感じられぬ。」
「上の程が知れておるの。」
「何、鬼ゆえその内桃の太郎に退治されるじゃろう」
「ほっほっほ、うまい事を言う。」



「「「「「………」」」」」



はい、全員カッチーンですよ。
お白い麿眉なきっらきらの派手なヒラヒラの服着て牛舎の上でふんぞり返ってたんじゃないですか。


先に目の色を変えたのは意外にも武蔵君です。


あん?


目ェ据わってると思う。
今まで誰も見た事の無い顔してると思う。
武蔵君は鬼の事を強い奴だと思ってるから、自分の認めた奴がそんな事言われるの正直意味分らない感じ。


「…今、…今奴を愚弄した者はどれだ。」


即刻私の前に額ずいて頭を垂れろ。
その首を私自ら斬首してやる。
許しを乞う必要は無い。
それ自体が無稽だからだ。


同じタイミングで腰の刀に手をかけて目の色を赤くしたのは三成君です。
長曾我部に対する罵倒は許さない三成君。
ゆらりと揺れて牛車を切り刻まん勢いです。


もちろんキネマ主だって怒ってますよ。
小太郎さんだって怒ってますよ。


「…おれ、あの人らきらい。」
「(しゃきん)」


キネマ主は基本人を嫌う事がありません。
その人の人格はその人のものだと思っているから十人十色を楽しむ子です。
でもね、自分の大事な人の悪口を言われたら違いますよ。
まっすぐな目で牛車を見て。
見上げて。
いつものうるささはどこにいったのか意志のある無表情で。
きらい、と言ってのけます。

小太郎さんはクナイです。
お仕事スタイルです。
小太郎さんは主であるキネマ主と、キネマ主が大事だという人たちで出来ています。
それ以外には何の興味もありません。
存在すら必要ありません。
主の嫌いなものは自分にとっての無と等しいのです。
だから消さなければ。
主の憂慮を無くさなければ。


この時点で。
武蔵君は牛車の車と牛を引き離し逃げられない様にし、三成君が居合で車を切り刻み。
何事だと慌てる貴族の目の前には無表情のクナイを持った伝説の忍び。
その両脇には目の据わった武蔵君と赤目の三成君。
そしてその後ろには。


「…斬首など生ぬるい。」


首を切ってしまえばそこでおわりではないですか。
このような輩は生きたまま苦しめてこそ。
永遠の痛み、永遠の悲嘆、永久の恐怖。
父上への不敬、口にした事を悔恨させるいとまさえ与えない。


「裁きを。」


ひなぎくちゃんの武器は鎖鎌だったらいいな。
暗器みたいな。
その鎖鎌を携え、死神さんの血を継ぐひなぎくちゃんは、恐怖でちびりそうになってるお貴族様を見下ろし笑って見せるのです。



でもね。
元親さんの立場が危うくなるのは本意ではないのでお仕置きをした後はちゃんと解放しますよ。
勿論口止めは忘れずに。
ほら、やりすぎはよくありません。
大丈夫。
お貴族様トラウマな恐怖体験したからもう二度と四国来ない。
子供たちは元親さんの前につれてって土下座させたかったけど、そうなると今回の事が明るみに出て元親さんを馬鹿にされたのが元親さんにばれるのでそうはしないよ。
良い子達だよ。


という事で。
元親さんが見てないところでデレる子供たちでした!
怒らせると子供たち怖い。

ひなぎくちゃんは多分こっそり母上から鎌の使い方レクチャーされてると思うんですよね。
自分の身を守るためと四国を守るためと、父上と母上を守るため。
二世で武器を持たないのは、ひまわりさんと今川さんのところのたんぽぽちゃんだけ。
多分今川さんがそういうのダメっていうと思う。
でもやっぱり皆を守りたいたんぽぽちゃんは祈祷を学んで皆のサポートをしたらいい。
敵を沈ませたり、指揮を上げたり、攻撃力上げたり防御力上げたり。
あれ話がそれましたね。


さてさてその後ですが。
元親さんは何も知らされなくてもいいですし、実はおかみと一緒に町に下りてきていて現場を初めから見ていてもいいです。
見ていたなら子供たちの盛大なデレに顔を赤くして手で隠すんですね。


「よかったですね、鬼。」
「うるせいやい。」


おかみは知ってたけどね!
子供たちが皆鬼を大好きだってことぐらい!


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